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キャバレー その4 〜歴史あるキャバレー〜 [フランスのお宝]

 シリーズの最後は、120年の歴史を持つムーラン・ルージュです。



  番組をご覧頂く前に、キャバレーの起源と歴史について少々うんちくを。


 18世紀、パリのシャンゼリゼに、有料で飲み物を出し、音楽のライブや大道芸を楽しませてくれるカフェがあったそうです。


 その後、この手のカフェは劇場と競合しながら、繁栄と衰退を繰り返すことになるのですが、1867年に、複数の劇場の支配人だった人物が譲歩したことで状況が一変します。パリのあちこちに演劇やダンスや軽業を上演する大規模な施設が登場します。その一つが、マネの絵で有名はフォリー・ベルジェールです。これがキャバレーと呼ばれるようになります。

foliebergere.jpg


 当時は、安価でショーを楽しむことができたため、金持ちも労働者も利用できる社会的垣根を越えた場になっていたそうです。また、お客は必ずしもショーを楽しむためだけにやってくるのではなく、友人やある種の職業の女性と会うための場にもなっていました。


 しかし、こうしてベルエポック時代に繁栄を極めたキャバレーも、社会の経済状況が悪化すると閉店を余儀なくされる店も出てきました。その一つが下記のポスターでも知られているシャ・ノワールでした。

chatnoir.jpg


 またフォリー・ベルジェールのように今日まで続いているキャバレーもあります。今のように高額の入場料になったのは20世紀初頭、第一次世界大戦が始まる頃のことだそうです。


 ムーラン・ルージュは1889年の創業。下記の写真をクリックして番組をご覧ください。

MoulinRouge.jpg


 ムーラン・ルージュと言えば、あのフレンチカンカンですが、この出し物を思いついたのはイギリス人だそうです。しかし、ヒントになったダンスはパリにありました。19世紀のパリでは、ダンスホールが人気で、そこでカップルが踊っていたのがカンカンと呼ばれる飛び跳ねるダンス。どんな踊りか不明ですが、当局や伝統的な道徳を重んじる人々からはよく思われていなかったということですから、飛び跳ねると同時にスカートの間から下着が見えたりしていたのかもしれません。


 大晦日のショーのため、ムーラン・ルージュの舞台裏では、350人もの人々が働いているそうです。


 映像に登場した靴屋さんと羽飾りの製作会社は、最近、ムーラン・ルージュが買い取ったそうです。


 靴屋さんは、一つのショーのために700足の靴をダンサー一人一人の足に合わせて作るそうです。特にフレンチカンカンを踊るダンサーにとって、靴は重要です。また、毎回、上演の後に具合の悪くなった靴や壊れた靴を修理するそうです。


 あのピンクのふわふわした羽飾りは、一つの衣装で合計40メートルもあるそうです。


 靴屋さんも羽飾りの会社も家族経営の小さな会社だったのですが、ムーラン・ルージュのおかげで仕事を続けていくことができるそうです。


 世界的に厳しい年になった2010年が終り、新しい年、2011年がすぐそこまで来てきます。

 皆さん、どうぞ良いお年をお迎えください。




feuille.jpgイルミネーション特別編cadeau.jpg


☆ モナコ ☆

Monacoillum.jpg



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コメント 18

Conny

ムーランルージュ(^o^)丿
Parisまた行きたいです~♪

何回も言ってますが、よいお年を(^_^;)♪
by Conny (2010-12-31 21:45) 

orange

シャンゼリゼを車で通っていると"あっ"と言う間に通り過ぎて
しまいますね。
今年は豪雪でイルミネーションもあまり見る事ができなかった
のではないでしょうか…残念ですね。
色々とフランスの名所、そして小さな村の話題を拝見できて
とても参考になりました。またいつか時間を作って遊びに行きたいです。
ではBonne année! です^^.ね。

by orange (2010-12-31 23:00) 

carotte

Connyさん
私も行きたいです。来年当たり......。
ほんとに、ほんとに、良いお年を!
by carotte (2010-12-31 23:20) 

carotte

orangeさん
11月から12月にかけて、フランスは雪のニュースがない日はありませんでした。
取り留めもなく、好みと偏見でTF1のニュースを選んで紹介してきました。来年も面白い話題をどしどしTF1が放送してくれることを願ってます^^。
Ein gutes neues Jahr!(習いたてです ^^;)
by carotte (2010-12-31 23:26) 

まっきー

2010年はありがとうございました。
輝く2011年の門出をお祈りします。
これからもいろんな記事を楽しみにしてます。
by まっきー (2011-01-01 01:37) 

マンチ軍団

明けましておめでとうございます。
旧年中は、ご訪問戴き感謝いたしております。
今年も宜しくお願い致します。

by マンチ軍団 (2011-01-01 03:44) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
ムーラン・ルージュに一度だけ行ったことがありますが、夜に行ったので、
‘夜の赤い風車’の印象しか残っていません。今回の映像で舞台裏を見ると、歴史のあるムーラン・ルージュというブランドを維持していくのは大変なこと、経費のかかることだと思いました。
本年もよろしくお付き合いください。
by wattana (2011-01-01 05:00) 

carotte

まっきーさん
こちらこそ昨年はありがとうございました。
いよいよ新しい年が始まりましたね。
良い年になりますように!

by carotte (2011-01-01 09:29) 

carotte

マンチ軍団さん
明けましておめでとうございます。
こちらこそご訪問いただきありがとうございました。
いつも猫ちゃんたちの写真、楽しみにしています。
今年もよろしくお願いします。
by carotte (2011-01-01 09:31) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
この手の娯楽施設の維持は、そう簡単なことではなさそうです。120年も続いてきたのはりっぱですね。
ダンサーの靴を一人一人のために手入れをしていたのでは、他の仕事は恐らくできないでしょう。ムーラン・ルージュが買い取るのは自然の流れだったのかもしれません。
今年もできるだけ面白そうな話題を選んで紹介して行きたいと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いします。
by carotte (2011-01-01 09:49) 

ふぐたろう

明けましておめでとうございます。
いつもご訪問いただきありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします!

by ふぐたろう (2011-01-01 10:38) 

Conny

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします(^o^)丿
by Conny (2011-01-01 13:16) 

島酔潜人

フォリー=ベルジェール劇場ってそういうところだったんだ。
このマネのバーの絵好きです。

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
by 島酔潜人 (2011-01-01 14:37) 

carotte

ふぐたろうさん
こちらこそご訪問ありがとうございます。
そして、新年、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
by carotte (2011-01-01 21:44) 

carotte

Connyさん
新しい年がやってきましたね。
明けましておめでとうございます。
2011年もどうぞよろしくお願いします。
by carotte (2011-01-01 21:45) 

carotte

島酔潜人さん
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

そうなんですよ、この絵、フォリー・ベルジェールだったんですよ。鏡にお客さんが大勢写ってますね。
by carotte (2011-01-01 21:47) 

opas10

華やかなショーを支えるバックステージにも物語があるわけですね。靴の木型の数、きっと倉庫にはもっと山のようにあるのでしょうね。
by opas10 (2011-01-10 12:25) 

carotte

opas10さん
そういうことですね。支える裏方がいてこそのショーです!
ダンサー一人一人に型があるそうですから、そりゃすごい数でしょうね。
by carotte (2011-01-10 21:07) 

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