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フランス食のお宝 その1 〜コニャック〜 [フランスのグルメ]

 今年もまたヨーロッパではお宝の日がやってきました。今週末の2日間、各国のお宝をアピールするため、あちこちでイベントが開催されます。

 

 これに因んで、今週のフランスのTV局TF1は、フランスの食のお宝を紹介していました。いつものように5回シリーズです。

 

 第一回目の今日は、コニャック。


Paris_Cognac.jpg


 シャラント川の岸辺にある町の名がそのままお酒の名前になりました。現在の人口は20,000人足らず。シャラント県第二の都市です。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月12日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 川の岸辺に立つ大きな石の門と、フランス王フランソワ一世が生まれたお城が、中世の佇まいを残しています。
 
 本日訪ねるのは、1715年創業と、ほぼ300年の歴史を誇るコニャック・マルテル(Cognac Martell)。
 
 創業者は、ここで作られているコニャックに目を付けたイギリスの商人ジョン・マルテル。
 
 フランスにやってきて数年後、マルテルは上質のコニャックを作り出し、20万リットルをイギリスへ輸出します。
 
 当時、イギリスへの輸出はライバルもなくマルテルの独占市場だったそうです。
 
 この地でこの蒸留酒がつくられるようになったのは15世紀までさかのぼります。
 
 そのころ、ここで作られたワインは人気で海外にも輸出されていました。しかし、アルコール分が低かったため、長い旅には耐えられなかったそうです。
 
 そこで、蒸留したワインを樽につめて輸出することに。
 
 この蒸留したワインがオランダで人気を博します。オランダ人たちは、港の居酒屋や船の中で、このアルコールを水で割って飲んだとか。
 
 フランス語でvin brûlé(火を通したワインの意味)と呼ばれていましたが、これがオランダ語でbrandwijnになり、やがて英語のbrandyになったそうです。
 
 17世紀になり、さらなる輸送代節約のため、二回蒸留し量を減らして運ばれ始めます。そして、長い旅を続ける間にvin brûléは樽の中で熟成を遂げ、今のようなコニャックが生まれたのでした。
 
 産地はこの町を中心に75,000ヘクタールほどに限られています。現在のコニャックは、一般に、熟成期間も種類も異なる蒸留ブドウ酒をブレンドして作られます。そして格付けは三段階。

1. VS(Very Special)
2. V.S.O.P.(Very Superior Old Pale)またはRéserveまたはV.O(Very Old)
3. X.O.(Extra Old)またはExtraまたはNapoléon
 
 白ワイン用のブドウを5〜7日発酵させ、アルコール分の低いうちに二回蒸留します。これをシャラント県産オークで作られた樽の中に詰め、蔵の中で熟成させます。
 
 コニャック・マルテルの蔵では、1830年の蒸留酒がカゴ付きのボトルに入れられ熟成されていました。
 
 ブレンドする時は大型の樽を使うそうです。このブレンドの具合がコニャックの出来を左右するそうです。なんとなく香水を作る行程に似てますね。
 
 因に、主な製造元は下記の6つ。
 
Hennessy
Rémy Martin
Martell
Courvoisier
Camus
Otard
  
 拙宅には、もう何年も前に誰かにもらったレミー・マルタンのV.S.O.P.があります。料理に使ったり、思いついた時に飲むくらいで、なかなか減らない。さきほどちょっと飲んでみましたが、じわっと汗が.......。
 
 これはやはり残暑の時期ではなく、もう少し秋も深まったあたりで飲むのがよろしいようで
 
 次回は、ロクフォールチーズです。
 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、携帯の通話記録をチェックした。昨晩、私は酔っぱらったまま時報局に電話をかけ話をしていたらしい。しかも熱心に」

 

VDM (Vie de merde)より



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wattana

carotte さん、XOをよく飲んだ時代がありました。フランスワインを本格的に飲み始めたのが1998年頃なので、その前です。食品会社に勤めていたバブル時代によく飲みましたが、その前の商社勤務時代、東南アジアへ建設機械の輸出を担当していた頃も飲みました。いや、飲まされました。
今思い出すと、XO をガブ飲みしていましたが、そんな風に飲むお酒ではないですね。
by wattana (2011-09-18 08:15) 

carotte

wattanaさん
コニャックだいぶ飲まれましたね ^^
食後にクラシック音楽など聞きつつ、ちびちび飲むみたいな気取ったイメージが定着してしまってますね。私の場合、現実的になかなかたくさんは飲めないです。あの香りとアルコール度は3口くらい味わえば満足みたいになってしまいますね。
昔、VSOPを水で割ったらアメリカンとかいうCMがありましたが、考えてみたらアメリカンじゃなくてオランダ風ですよね。
by carotte (2011-09-18 10:14) 

orange

なるほど。それでブランデーのことをBranntweinとドイツ語でも。
brennen(燃やす)という単語との合成語です。
いい色ですね。樽から出した様子が。飲める方にはたまらない映像かと。
我が家にもVSくらいの梅酒があります。いい色になって来ました。
by orange (2011-09-19 00:48) 

carotte

orangeさん
ドイツ語とオランダ語はちょっと似てますね。
フランス語の意味も「燃やす」です(あのクレーム・ブリュレのブリュレと同じ)。昔は蒸留するとき薪や石炭を使ってたんでしょうね。
梅酒、いいですねえ〜。ロックでお風呂上がりに。
by carotte (2011-09-19 09:55) 

opas10

赤道近くのシンガポールやバンコクでは、ブランデーグラスにクラッシュアイスを入れてそこにコニャックを注いで飲んでいました(バブルな時代)。今にして思えば勿体ない話ですが、暑い場所には適した飲み方でした(飲む量は増えますが)。
by opas10 (2011-09-19 10:48) 

carotte

opas10さん
フローズン・ダイキリを思い出しました。ダイキリにはまったことがあり、フローズンじゃなくて氷を入れるんですけど、夏に美味しく飲めるんですよ。適量なら元気もでます。
ブランデーは香りもポイントの一つなので水や氷を入れるのは邪道なんでしょうけど、やっぱりロックや水割りで飲みたくなりますね。
by carotte (2011-09-19 12:12) 

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