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ボルドー メドック・ワイン街道 その5 [フランスのワイン]

 メドック・ワイン街道、別名シャトー街道ののんびり旅もいよいよ終点です。

 

 シリーズの最後は、サン=テステフ(Saint-Estèphe)。

 

 今日は、ワインを作るだけでなく、宿泊客を受け入れるシャトーも登場します。(下記地図の紫印)


Paris_Medoc.jpg


より大きな地図で メドック・ワイン街道 を表示


 サン=テステフの人口は1700人ほど。ブドウ畑の間を県道2号線沿いに北上すると、村の入り口にこつ然と姿を現す一風変わったシャトー。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月9日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 東洋と西洋が入り交じった奇妙な風情のこのシャトーの名は、Château Cos d'Estournel

 Cosは地名、Estournelはこのシャトーの持ち主Louis-Gaspard d'Estournelの名字。

 建物が出来たのは1820年のことです。

 1811年にこのシャトーを継承したエストゥルネル(Estournel)は、そのワインの質の良さで、遠くインドまでも輸出するほどの成功を納めます。

 これを記念して作られたのが、遠くから見てもすぐ分かる中国の寺院風の貯蔵庫。1830年のことでした。また、門の扉はアフリカのザンジバル諸島から取り寄せた17世紀のもの。

 こんなバブリーなことをしていたせいか赤字がかさんで、1852年、エストゥルネルはシャトーの売却を余儀なくされます。

 その後、所有者を点々としますが、ワインの質だけは変わることなく、1855年の格付けで、一級のシャトー・マルゴーなどに継ぐ、二級に名を連ねることになります。

 かつての貯蔵庫は、現在、レセプション会場になっており、ここで見学者はワインを試飲することができます。この日は、2002年と2008年の赤を試飲していました。

「こんなことめったに出来ませんから、良い経験です」と見学者。

 取材班がこの地を訪れたのは夏も終わりの頃。それでもサン=テステフを訪れる観光客は少なくなかったそうです。

 その中にブルターニュからキャンピングカーでやってきたのが、引退後の悠々自適の生活を楽しむ熟年カップル。最近、フランスでもキャンピングカーで旅行を楽しむ人たちが増えてきました。

 シリーズの最後はおまけつき。

 サン=テステフからさらに県道を5、6キロ北上したガロンヌ河口の河岸にあるシャトーChâteau Loudenneを訪ねます。

 ここでは珍しく赤ワインの他に白ワインも生産しています。この日はすでに収穫と仕込みの作業が始まっていました。

 ここは17世紀の元修道院だったところ。建物はピンク、庭には様々なバラが植えられ、別名「ピンクのシャトー」と呼ばれています。

 となれば、当然、ロゼワインも作っているそうです。

 そして、ここは宿泊することもできます。この日のお客さまは、ブドウ畑とその向こうにあるジロンド河口を眺めながら朝食です。サングラスをかけての朝食もまた乙なもの?

 ストリートビューは下記地図を拡大してお楽しみください。


より大きな地図で サン=テステフ を表示

 

 

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、列車の中で寝込んでしまった。終点だというのに目が覚めず、車掌も起こしてくれなかった。午後もだいぶ後になってから私を発見した車掌が腰を抜かした。なにしろ、2時間も駅に止まっていたTGVの中で髭もじゃの大男が寝てたんだから、そりゃあ怖かっただろうさ」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

soraaane

コス・デストゥルネルは、ホントにラベルと同じですね~。
うっとりしちゃいました(^o^)/
by soraaane (2011-09-17 09:00) 

carotte

おお、soraaaneさん、落ち着かれましたか?
面白い建物ですよね。それだけお金もかかってるみたいです。
by carotte (2011-09-17 10:01) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
川幅の広いジロンド川左岸のメドック地区から対岸へ行くにはどのような交通手段があるのでしょうか?地図を見ても、橋はなさそうですが・・・ 地図を見て気になったのは、左岸の先端にある Pointe de Grave から対岸の Royan まで破線が記載されていることです。これはフェリーですか?
アルザス、ボルドーのワインよりも、ブルゴーニュの方に興味があるので、ブルゴーニュの特集を期待しています。
by wattana (2011-09-18 07:35) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
Royanはどうも夏の行楽地になっているようです。対岸のPointe de Grave のあるLe Verdon-sur-mer村までは渡し船(恐らくフェリー)で結ばれています。一日に9往復ほどするようです。この辺りはちょっと地味ですが、旅行するのは面白いかもしれません。左岸はワインを楽しみ、右岸は海岸の造形や文化財などを見物できます。なんだか行ってみたくなりました。
そのうちTF1でブルゴーニュ地方の特集をやるんじゃないかと思うのですが.......。去年はボーヌを取り上げてくれましたよね。
by carotte (2011-09-18 09:55) 

opas10

あの試飲は羨ましい、羨ましすぎます!!
by opas10 (2011-09-18 18:01) 

carotte

opas10さん
今回の映像の中でいちばん美味しそうに見えたのが、ここのシャトーでの試飲です。回りの雰囲気もいいですね。
by carotte (2011-09-18 21:21) 

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