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マドモワゼルはもう要らない? [トピックニュース]

 フェミニストの活動家グループが、昨日、敬称としてマドモワゼル(Mademoiselle)を使うのは止めにしようという活動を始めたそうです。

 

 マドモワゼルは、フランス語で未婚の女性に対して使う敬称。既婚の女性にはマダム(Madame)を使います。

 

 因にマダムは、女性に敬意を表して、未婚既婚に関係なく使う場合もあります。

 

 しかし、男性に対してはと言えば、ムッシュー(Monsieur)の一つだけ。未婚でも既婚でも同じ。

 

 なぜ女性だけ?というわけです。

 

 この議論、今に限ったことではありません。何度も問題になっているのですが、結論は出ずじまい。

 

 英語圏でも同じような議論がありましたが、未婚既婚に関係なく女性に対して使えるミズ(Ms)という便利な言葉が発明されてからは悩む必要もなくなりました。

 

 そこでフランスのTV局TF1は、またまたパリの街角へと取材に出かけて行きました。

 

 Paris_Paris.jpg

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月27日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 昔のニュース番組の冒頭では、3つとも全部言っていたようですが、今は、複数形でMedames et Messieurs(メダム・ゼ・メッシュー)の2種類だけ。英語ならLadies and Gentlemen!です。
 
 パリのとある本屋さんに集結したフェミニスト活動家グループ。
 
「女性に対する敬称が即社会的地位を表すことになっています。たとえばマドモワゼルの場合は、未成年者というわけです。18世紀、未婚の女は皆、未成年者だったわけです。つまり処女で世間知らずを意味します」と広報担当の女性が言っていました。
 
 また別の女性は「この3つの言葉を使わなくてはならないと定める法律はありません。つまりは相手への礼儀として使っているだけなんです」と言います。
 
 とは言うものの、結局は全員がほとんど機械的に使っています。
 
女性A「マドモワゼルって可愛いじゃない。若い女性に使うのはいいと思うわ」
 
女性B「年配の女性にはマダムを使いますね」
 
女性C「私は結婚して子供もいます。そうですね〜、私はマダムと呼ばれる方がいいです」
ところで、お隣の男性はイタリア人の旦那さまですか?
 
 マダムとマドモワゼルを使い分けるのは性差別主義とか不平等の象徴だなどと言われますが、これを嫌う男性もいます。
 
 「男性にはないのに女性だけ使い分けるというのはどうかと思いますね」
 
 役所の書類やネットショッピングでマドモワゼルかマダムかを記入しなくてはならない場面にでくわす時があります。これにこだわる人は、わざわざペンを取り、抗議する人もいるそうです。
 
 日本の敬称と言えば「さん」か「様」。昔は、男性には「氏」を使い、女性には「女史」というのを使っていたこともありましたが、男女で別というのも既婚未婚で区別するというのもないですね。
 
 さて、話は変わりますが、日本にもマダムやムッシューに該当するような言葉あったらいいなと思う時があります。
 
 たとえば、道を歩いていて、前の人が落とし物をした時。
 
 気がついて声をかけようと思うのですが、言葉がみつからない。
 
「お嬢さん!」「奥さん!」「旦那さん!」「おじさん!」「おばさん!」「へい、そこの方!」全部なんとなく言いにくい。
 
 で、結局、「すいませ〜ん!」と言いながらばたばたと走り寄って肩を軽くたたくってことになります。
 
 これがフランスだったらシンプルに「マダム!」(場合によっては「マドモワゼル!」)か「ムッシュー!」と叫べば良い。
 
 これも文化の違いということですね。
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、パーティが終わって車で帰る途中、お巡りさんに止められた。『マドモワゼル、あなたがどんな運転をしていたか分かりますね?お酒に酔って、疲れて、うまく運転もできない』私はお酒も飲んでなかったし、絶好調だったのに」

 

VDM (Vie de merde)より



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soraaane

中国だと超シンプルで、女性は全年齢「小姐(シャオジエ)」です。
事情がわかると、年上のお姉さんとか、奥さんという言葉もあるのですが・・・。
小姐は、「(若い)お姉さん」という意味もあるので、
道で声を掛けられると、嬉しくてつい振り返っちゃってました(^^ゞ
日本にも、代わりになるような呼び方があるといいですね~。
by soraaane (2011-09-29 07:54) 

yuzuhane

男性にはその呼び分けがないのに、その呼称で未婚、既婚が明らかになるっていう点では、こういう意見が出るのもわからなくはないですが・・・
逆に明らかに未婚とわかる年齢でも、格が高い店では、お客の女性にはマダムで通すと聞いたこともあります。こう呼んだら失礼になるとか気遣いしなくちゃならないなら、いっそ呼び名は統一したほうがいいかもしれないけど、長く根付いた呼称はなかなかなくすといっても簡単ではないでしょうね。
by yuzuhane (2011-09-29 07:59) 

t-toshi

まさに文化の違いですね。ミスを「ミズ」にしていのもその現れでしょうね。▽私、気になるのが、奥さん、主人、家内などの呼称です。主人にいったっては、対語は奴隷か召使いですからね。
by t-toshi (2011-09-29 09:31) 

carotte

soraaanさん
中国にはそんな便利な言葉があるんですね。
なんとなく可愛い感じしますね。^^
こういう状況下で使える日本語はなかなかみつからないです。なんかないですかねえ〜。
by carotte (2011-09-29 18:56) 

carotte

yuzuhaneさん
やっぱり、英語のように第三の言葉を発明した方がいいような気がするんですよ。マドモワゼルも残したままにできますし。でも、第三の言葉は何がいいのかとなると、これまた思いつかないんですよね。
役所に出す書類などはマダムとムッシューだけでいいような気がします。
by carotte (2011-09-29 19:04) 

carotte

t-toshiさん
確かに日本語の場合、よく考えると、区別というより主従関係でできてる感じですね。このあたりもまた文化の違いってことになりそうですね。
by carotte (2011-09-29 19:08) 

orange

ご存じと思いますがドイツ語にもあります。
Fräuleinこの単語は呼びかけの時にはもう使われなくなっています。
カフェやレストランで給仕して欲しい時にも昔は使いました。日本の居酒屋さんの「おねえさぁ〜ん」を想像してしまいます(汗)。あとドイツ語には世間一般を指すmanという単語があって、これがフェミニスト達の”喉の魚の骨”ですね。世間一般の人には女は入らないのか!?と。そこで一部ではman/frauと書く人もいます(苦笑)。In Japan spricht man/frau Japanisch. 日本では日本語を話します。日本語にすると主語が消える...そんな時にドイツ語ではこの小文字のmanを使います。
そっか、フランスではまだマドモアゼルという単語が使われていたのですね。あってもいいと思いますが。(ついつい長くなってしまいました^^失礼)
by orange (2011-09-30 09:24) 

carotte

orangeさん
最近よく頭に浮かぶのは、モザイクのように国や民族が分かれて、それぞれの文化や習慣の中で人々が暮らしている地球です。
ドイツ語の"In Japan spricht man/frau Japanisch"。この種の文章の場合、フランスにはonという便利なものがあります。男女に関係なく、主語として使います。On parle japonais. でも、一般に人をさすときはhomme(男性という意味もある)が使われます。有名なパスカルの言葉L'homme est un roseau pensant(人間は考える葦である)。
カフェのギャルソンを呼ぶ時「ギャルソン!」というのはフランスでも時代遅れになってしまいました。手をあげて簡単に「シル・ヴー・プレ!(「おねがいしま〜す!」というような意味合い)」と言いますね。
こういう話は切りがなくなりますねえ〜。長くなってしまいます。^^;
by carotte (2011-09-30 11:25) 

opas10

確かに、日本語だと言いにくいですね。しかも「お嬢さん!」と「奥さん!」、「おばさん!」の溝はあまりにも広く使い分けがマダムとマドモアゼルよりもデリケートかも(笑)。男性でも「旦那さん!」「おじさん!」だと年配の人にはいいけどそうでなければ「そこのオニイサン」ですから、まるで繁華街の呼び込みですよね(笑)。
by opas10 (2011-10-02 11:28) 

carotte

opas10さん
「お嬢さん!」と呼べば、自分がおばさんかおじさんになった気分だし(確かにおばさんには違いないのですが)、おばさんが「おばさん!」と呼んでどうするという気もするのですよ。^^;
by carotte (2011-10-02 16:39) 

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