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ローヌ川ワイン街道 その2 〜ボーム=ドゥ=ヴニーズ〜 [フランスのワイン]

 シリーズの二回目は、ローヌ川から少し離れて、東へ30キロほど行ったところにある村ボーム=ドゥ=ヴニーズ(Beaumes-de-Venise)を訪ねます(下記地図の赤印)。

 

Paris_Rhone.jpg

より大きな地図で ローヌ川ワイン街道 を表示
 

 村の人口は2300人ほど。村の名前にあるVeniseはヴェニスのこと。でも、イタリアのヴェニスとは特にこれといった関連はないそうです。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年10月4日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 村の北側に見える個性的な姿をした山はDentelles de Montmirail。
 
 標高730メートル。dentellesはフランス語でレースのこと。あの糸を使って作るレースのことです。
 
 山の岩には浸食作用でたくさんの穴が空き、それがレースに見えるというわけです。
 
 Montmirailの元はラテン語から来ていますが、フランス語でmont admirable(みごとな山)という意味。よって、全体の意味は“レースのようなみごとな山”となります。
 
 本日の番組はギターの弾き語り入り。
 
 山を背景にブドウ畑の中で歌を歌ってくれたのは、この村出身の歌手ステファンさん。この地で活動を続けています。
 
 「故郷にしっかり根をおろし、その故郷を共有する、それが大切なんだと思うね」とおっしゃっていました。
 
 この地域のワイン農家がBeaume-de-veniseというAOCを獲得したのは2005年のこと。
 
 主に、10〜15ヘクタールのブドウ畑を持つ小規模農家が協同組合のような組織を作り、共同の蔵でワインを製造しています。
 
 歌手ステファンさんが言っていたように「共有」の精神ですね。
 
 ブドウ畑で収穫作業に励んでいた赤いシャツの男性アラン・イニャスさん、この方が組合長さんです。
 
 ブドウ畑の間を自転車のツーリングのグループが軽快に走り抜けて行きましたが、このあたりは人気のあるハイキングコースでもあります。
 
 レースのような模様の山を眺めたり、ワインを味わったり……。さらに、かつての羊飼いが暮らしていた小屋の下に積み上げられた石壁も見どころの一つ。
 
 この修復と保存に力を入れているのがジャン=ミッシェルさん。
 
 壁の厚さは70〜80センチ、中がひんやりとして蔵になっているところもあります。今はただの森ですが、昔はここでオリーブ等いろいろなものが栽培されていたそうです。
 
「羊飼いは、ここにあった小屋には農作業をやるときだけ住んで、普段はここから直線距離で3キロほど離れたところにある家で暮らしていました」とジャン=ミッシェルさん。 
 
 そして、養蜂家もいます。エミールさんは90歳。なんと7歳でこの仕事を始めました。そして、今でもミツバチを育て蜂蜜を集めています。
 
 地面を掘り起こしてサフランの球根を取り出しているのは、ここで宿泊施設L'Aube Safranを営んでいるフランソワさん。畑でサフランを栽培しています。
 
 ここは朝食も夕食もついています。夕食の主役はこの地方のワインとサフラン。

 フランスでのサフランの栽培は14世紀頃から始まったそうです。
 
 かつてはこの地域一帯がサフラン畑だったそうです。フランソワさんがもう一度ここでサフラン作りを始めたのは10年ほど前のこと。
 
 よく料理に使われているあの赤い糸のようなサフランは、この花のめしべを乾燥させたもの。
 
 フランソワさんのサフラン専門のサイトは→こちら
 
 球根や加工したサフランの販売もしているようです。
 
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、コンサートで歌手の脱いだTシャツを別のファンと取り合いになった。そのファンが『点数を0点にするぞ!』言うのでよく見ると、それは僕のフランス語の教師だった」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

yuzuhane

本当にレース模様みたいに見える山ですね。ギターのー音色を聞きながらこの山や、石の壁越しの景色を眺めていたら鐘の音が・・・聞こえてきて・・・いい雰囲気でした。ミエル作りのおじいさんも味のある登場人物でした。
by yuzuhane (2011-10-12 07:46) 

carotte

yuzunaheさん
歌入りで、いつもより趣向をこらした番組づくりでしたね ^^
村の雰囲気が良く出てました。養蜂家の名前がエミールさんというのも面白いですね。エミールとミエル......。
by carotte (2011-10-12 09:52) 

wattana

carotte さん、こんにちは。
ボーム=ドゥ=ヴニーズのワインは特殊な方法で作られた甘口のワインだそうですね。未だ飲んだことがありません。このボーム=ドゥ=ヴニーズの隣り辺りがジゴンダス Gigondas ですね。ジゴンダスは、名前が変わっていたので、けっこう飲みました。
by wattana (2011-10-12 19:59) 

carotte

wattanaさん、こんにちは。
楽天のワインはMuscat de Beaume-de-Veniseという別のAOCのワインです。写真が分かり易かったのでこれを掲載しました。14世紀頃からあったワインのようで歴史は長いようです。Beaume-de-Veniseの赤ワインも、作り方が他とちょっと違っていて、別々の種類のブドウを混ぜて作るようです。一種類だけだと質が今ひとつなのだとか。
私もローヌ川沿いで作られるワインは飲んだことがあるとは思うのですが、なんとなくよくおぼえていません。Gigondasは確かに面白い名前ですね。
by carotte (2011-10-13 14:09) 

opas10

羊飼いの小屋の石壁、興味深いです。先週ご紹介いただいた葡萄畑の中の農夫の休憩小屋にも似ていますね。
by opas10 (2011-10-16 16:27) 

carotte

opas10さん
こちらの方は一応長期滞在用の小屋なので、前回の休憩小屋よりしっかりしている感じですね。石もちょっと種類が違ってます。
by carotte (2011-10-16 21:00) 

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