ローヌ川ワイン街道 その1 〜シャトーヌフ=デュ=パープ [フランスのワイン]
今日から、ローヌ川沿いに伸びるワイン街道のシリーズを始めます。5回シリーズです。
ローヌ川ワイン街道は、アヴィニョン(下記地図の青いピン)とヴィエンヌ(下記地図の赤いピン)を結ぶルート。6県にまたがり、ワイン農家は6,000軒にのぼります。
今回は、この街道沿いの、ワインの産地として知られる小さな村を、青→赤→緑→黄→紫の順に訪ねます。
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第一回目の今日は、青印のシャトーヌフ=デュ=パープ(Châteauneuf-du-Pape)村。
村の人口は2,000人ほど。害虫フィロキセラで打撃を受けたワイン業界の再建をめざして1923年に設立されたAOCは、この村で生まれました。そして、最初にAOCを獲得したのもこの地域です。(AOC名はChâteauneuf-du-pape)
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年10月3日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
取材班がまず訪れたのは、ワイン農家Domaine de la Janasseのブドウ畑。
小石の多い畑にはグルナシュ種のブドウが植わっています。そして、上質のワインを作るには、長年の経験とワイン作りに対する情熱が必要なようです。
次はワイン蔵Cave du Verger des Papes。
岩をうがって作られたガロ・ロマン期(紀元前1世紀〜紀元5世紀末)のワイン蔵だそうです。
世界に知られたシャトーヌフ=デュ=パープだけあって、見学者の国籍も数カ国にとどまりません。
この蔵、のちほど登場するレストランのワイン蔵です。
そして村のシンボルは、14世紀に立てられた丘の上のお城。
ここは、かつてのローマ教皇の別邸でした。
宗教戦争で破壊された箇所が痛々しいですが、残っている主塔に上がれば、眼下に、ローヌ川とその川岸に広がる村や、そのまた遠くアヴィニョンやリュベロン(プロヴァンス地方を東西に走る低めの山脈)の山並みまでもが見渡せます。
そして、緑豊かな草原では放牧も行われています。
フレデリックさんはローヌ川から内陸部に入った中央山岳地帯のカンタル県の出身ですが、結婚を機に、こちらにやってきました。
そして2009年にLa Ferme des Blancasを設立し、自分で育てた牛や羊の肉を直接消費者に販売しています。
カンタルより湿気の多い環境に慣れるのにそれなりの時間がかかったそうですが、ここの自然が気に入っているそうです。
ワイン、お肉と来たら、次に登場するのはもちろん、お料理。
先ほど登場したお城の城壁にレストランLe Verger des Papesがあります。
主に地元産の食材を使った南仏料理を出してくれるそうです。
ちょっと古いですが2006年度版の赤いミシュランガイドを見ると、スプーンとフォークの印が2つ。ここには、さきほど登場したガロ・ロマン期のワイン蔵や、眺めのいいテラス席があるそうです。
そのとおり、映像に登場した木陰のテラス席は気持ち良さそうでした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、ストックホルムのクラブで踊りまくっていた。すると、スウェーデン人の女の子がじっとこちらを見つめていたかと思ったら、ニコニコしながらやって来て言った。『さっき、ゲイ・プライド・パレードで、教皇の格好で踊ってたでしょう』そんなことは断じてございません!」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、こんにちは。
ローヌ川流域のワインはよく飲みます。5回シリーズということなので、どの産地のワインが紹介されるのか楽しみです。
Le Verger des Papes のホームページを見ていたら、日本にも輸入されている "Noir de Bigorre" (生ハム 「ノワール・ド・ピゴール」)がありました。「ノワール・ド・ビゴール」は、先行して輸入されていたジャンボン・ド・バイヨンヌよりも人気があるようです。(純黒豚の 「ピゴール豚」も人気があります)
by wattana (2011-10-10 19:05)
wattanaさん、こんばんは。
この地域のワインも日本でよく売られてますね。今回のシリーズはわりにグルメが登場するようです。
Le Verger des Papesのア・ラ・カルトに15ユーロで出ている生ハムは、ガスコーニュ産黒豚の生ハムとなっているので、アルカンのサイトにある説明どおりですね。お味はどうなんでしょうね?
by carotte (2011-10-10 22:47)
carotte さん、おはようございます。
ビゴール豚は食べたことがあります (どんな味だったか記憶にのこっていません)が、生ハムは食べたことがないのでどんな味なのかわかりません。ビゴール豚は確か、絶滅寸前だったものを、戻し交配という方法で (血を濃くして) 再現 (ただし、限りなく純血に近いが純血ではない)した品種だったと思います。生ハムはもともと作っていたわけではなく、ビゴール豚を売り出すために生ハムの製造を始めたとどこかで読みました。Noir de Bigorre の公式サイトを見ましたが、以前チェックした時よりも充実しています。http://www.noirdebigorre.com/
by wattana (2011-10-11 10:05)
wattanaさん、こんにちは。
サイト拝見しました。肉と生ハムのそれぞれでAOC獲得をめざしてがんばっているみたいですね。日本にも輸出していると書かれてあります。2010年にパリで開催されたあの農作物国際展示会で金賞を受賞したそうですから、かなり力を入れているんですね。これは一度食べてみないといけません!
by carotte (2011-10-11 18:20)