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知られざるパリ その1 [パリ]

 本題に入る前に、またまた今日もフランスの大統領選の話を少々。

 

 昨日、憲法院が立候補者10人のリストを公表しました。

 

 この日から4月22日の投票日まで、再度選挙戦が繰り広げられることになります。

 

 因に、フランスの大統領選は、第一回目の投票で過半数の票を獲得した候補者が当選となります。過半数に達しない場合は、2週間後に得票数の上位二人の候補者によって決選投票が行われます。

 

 正式に認められたこの10人の候補者には、選挙費用の一部を国に負担してもらえるという特典がついています。

 

 おおまかに言うと、得票数が5%に満たなかった候補者には最低でも80万ユーロ、5%以上だった候補者には最大で800万ユーロが支給されるそうです。

 

 また、決選投票に残れば、これが約1100万ユーロになります。

 

 国が違えば選挙のシステムもいろいろです。

 

 さて、大統領官邸エリゼ宮のあるパリ。今日からそのパリのシリーズを始めます。

 

 第一回目の今日は、パリ8区にあるマドレーヌ寺院とマキシム・ドゥ・パリ。

Paris_Paris.jpg

より大きな地図で 知られざるパリ を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年3月19日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 まずはマドレーヌ寺院から。

 

 観光コースにも含まれているマドレーヌ寺院。パリに行ったことのある方ならどなたもご存知のはず。しかし、ここに食堂があることはあまり知られていません。

 

 Googleの地図を見ると、確かにナイフとフォークのマークがついています。

 

 皆さんが食事をしているその場所は、地下室のように見えますが地下ではありません。

 

 ネオ・クラシック様式のマドレーヌ寺院を外から見ると、コリント式の柱が何本も立っています。この柱を支えている台座の部分、つまり道路と同じ高さのところに食堂Foyer de la Madeleineがあります。

 

 細長い食堂は全長60メートルほど。3つの部屋からなり、その途中に厨房があります。

 

 毎日300食ほどの昼食が提供されます。

 

 「ここに来る人は企業の社長さんから工事現場の労働者までさまざまです。お金のない人は無料または形ばかりのお金を払えばお昼を食べることができます」と食堂の責任者。

 

 食事は、前菜+メイン+デザートで8€。前菜は5種類、メインは3種類から選ぶことができ、最後はデザートかチーズのどちらか。

 

 「いわゆる家庭料理です。このあたりでは破格の値段で、気楽に食べられる食堂です」とサラリーマン風の男性。

 

 食堂の入り口は寺院の右側にあります。とてもお店の入り口には見えません。

 

 厨房には6人の従業員、フロアーにはボランティアの女性たち。

 

 もともとは寺院が貧しい人たちのために食事を提供したのがその始まりです。

 

 1969年、当時の司祭がNPOのような団体を設立し、料理長やその他の従業員を雇って本格的に食堂として開業したそうです。

 

 ここから約500メートルほどコンコルド広場方面へ行ったところに、前述の食堂とは対極にあるマキシム・ドゥ・パリがあります。

 

 今日、訪ねるのはお店ではなく、その上の階にある博物館です。

 

 かつてサラ・ベルナールが暮らしていたというフロアーには、店のオーナーであるピエール・カルダンが収集した家具やオブジェを使って、ベルエポック時代の部屋が再現されています。

 

 誰の部屋かと言えば、courtisane(高級娼婦)の部屋。

 

 単なる娼婦と違うところは教養があること。それにお相手の男性は作家、詩人、芸術家、政治家、裕福な実業家等々。

 

 番組に登場したのはその寝室。少々息苦しくなるくらいまでのアールヌーヴォーですが、必見の価値はありそうです。

 

 部屋のあちこちにひなげしの花柄があふれていますが、ひなげしは眠りの象徴。ここでゆっくり眠るという思いが込められています。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、弟のヘッドフォンを盗んで自分の部屋で音楽を聴いていた。すると弟がやってきて返してくれと言う。『そんなもの知らねえ。なんだよ、しょっちゅう俺のことを疑いやがって。そんなに俺が信用できないのか?』と怒鳴ってやった。気がつけば、ヘッドフフォンを付けたままだった」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

yuzuhane

こんばんは。先週娘はシンポジウムがあってパりへ行ってきたそうですが、だいぶ気温も上がってきたようです。いよいよ大統領選も近づいて来ましたね。行方を皆気にして話題にしているようです。・・・マドレーヌ寺院にあるこの食堂のことは、話に聞いたことがありました。ほんと入り口は分かりにくいですが、あんな細長いトンネルのようなところで安価で食事ができるなら行ってみたいです。マキシムの博物館は知らなかったです。登場されていた女性はどなたなんでしょうか…。
by yuzuhane (2012-03-20 22:07) 

carotte

yuzuhaneさん
パリは着々と春に向かっているようですね。
ずっと大統領選を報道してきたメディアですが、ここへ来て銃乱射事件一色になってきました。早く解決して欲しいですね。
この食堂、ぜんぜん知りませんでした。中の様子も良さそうですし、8€ならリーズナブル以上の値段です。この食堂とマキシムを同じ番組に登場させるところなんかはTF1も考えたんでしょうねえ。あの女性はサラ・ベルナールを演じていたようですが....。
by carotte (2012-03-21 23:04) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
マドレーヌ寺院に食堂があることを初めて知りました。8€とは、破格ですね。Foyer de la Madeleine のfoyer とはどんな意味なのでしょうか?
by wattana (2012-03-24 10:07) 

carotte

wattanaさん、こんばんは。
私も初めて知りました。こんな場所で8ユーロのランチが食べられるなんてすごい話です。
foyerはいろんな意味がありますが、ここでは日本語にすると「センター」とか「会館」が近いと思います。因に、学生寮などの「寮」にも使いますし、「世帯」という意味もあります。
by carotte (2012-03-24 18:44) 

opas10

いつもなら「これもか!」というくらい料理を画面に登場させるこの番組が、なぜか今回のマドレーヌ寺院の食堂では一品も紹介してませんでしたね、味はお客が保証していたのですが、はて?
そしてcourtisaneの部屋、あまりにヌーヴォー過剰で、自分などは落ち着いて眠れそうもありません。もっともお客になれる身分じゃないから心配する必要もないですが(笑)

by opas10 (2012-03-25 17:27) 

carotte

opas10さん
マドレーヌ寺院の食堂はそこそこなんじゃないですかね〜。学食に近い感じがします。でも、前菜、メイン、デザートで普通なら最低でも15€くらいはすることを思うと、魅力的なお値段です。^^
courtisaneの部屋はちょっとすごいですよね。いくらヒナギクがあっても私も眠れそうにありません。ただ、家具や調度品がかなりの値打ちものらしいです。そうなるとさらに落ち着かなくなりそうですね。
by carotte (2012-03-25 23:34) 

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