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フランスの湯治場巡り その4 [ラングドック=ルシヨン地方]

 シリーズの最後は、前回と同じラングドック地方のラマル=レ=バンにある湯治場を訪ねます。

 

 前回のアヴェーヌから南へ20〜30キロ下ったところにあります。


Paris_Lamalou.jpg
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 ここの温泉は11世紀から12世紀頃に発見されました。

 

 痛みに苦しんでいたある農民が、温泉でできた泥沼につかったところ、痛みが治まったという話が伝えられています。

 

 ここはリューマチの他に、パーキンソン病のような神経疾患に効くそうです。

 

 温泉の温度は32℃ほど。効能が広く知られるようになったのは17世紀のことです。

 

 「温泉につかってエクササイズをすると筋肉の緊張が取れて動きが安定するんです。皆さんと同じように普通に生活ができるというのは、とても大切なことなんです」と、今回で6回目の湯治になるという女性。

 

 身体の自由がきかない人たちのための設備も充実しているようです。

 

 「パーキンソン病に代表される神経疾患には、運動療法を行っています。温泉のプールに浸かることで身体の血液が下から上に向かって流れるようになります。つまり、血液が心臓に向かって流れるのを促進するわけです。そして、身体を動かすことによって、関節の痛みを取り除きます」と責任者の方。

 

 運動をしているプールは少し色のついた温泉でした。

 

 また、前々回のバルボタン・レ・テルムと同じように、カオリンというミネラルの粘土が混じった泥風呂もあります。

 

 「すっきりしました」と男性。

 

 さて、湯治の後はお待ちかねのレクレーションです。

 

 ラングドック地方の葡萄園とセヴェンヌ連山のちょうど間に位置している施設の周辺を見学します。

 

 石を積み上げて作った小屋はブルゴーニュ地方の葡萄畑にもありました。

 

 「この小屋は素晴らしいです。まず、費用が一銭もかからないということ。それに、こんな風に上手く積み上げるとびくともしません。しっかりとした技術を持った人が作ったということになります」とガイドさん。

 

 湯治客の方は、治療と娯楽を組み合わせたプログラムに大満足。

 

 「夫がパーキンソン病なので治療に来ました。夫は、友人に会ったり、田舎を見物して回ったり、ペタンクをしたりするのが好きなんです」と女性。

 

 葡萄畑があるということは、当然、ご当地のワインもあります。

 

 試飲のお供は、パンにペラルドン(Pélardon)と呼ばれる山羊のチーズ。それから、ハムやソーセージもあります。

 

 伝統楽器の演奏などもあってお祭り気分。皆さん、盛り上がってました。

 

 ここには毎年11,000人の湯治客がやってくるそうです。湯治期間は3週間。

 

 まさか毎日こんなじゃないでしょうね。

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、僕は工業学校に通っている。数学の教師が、いつもの休み時間を“数学的レクレーション”の時間にすると言い出した。つまりそれは......」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

wattana

carotte さん、おはようございます。
映像を見ていてふと疑問が・・・。フランスでは「温泉」の定義はどうなっているのでしょうか?日本ではどうなっているのかなと思い、調べてみると、環境省自然環境局が管理している「温泉の保護と利用」というサイトに定義が載っていました。
http://www.env.go.jp/nature/onsen/index.html
そういえば、日本では温泉の偽装が問題になったことがありましたね。
by wattana (2012-04-24 09:24) 

carotte

wattanaさん、こんばんは。
フランスの温泉の定義がどうなっているかは分かりませんが、このような施設の認可をしているのがSécurité Socialeという国の機関です。Sécurité Socialeは、主に健康保険や年金等々を扱う機関です。ここが、温泉または鉱泉の成分を検査して、検査に合格しないと営業できないそうです。日本とフランスでは温泉に関する感覚がちょっと違っているようです。
by carotte (2012-04-25 00:55) 

orange

素敵な湯治場ですね。周囲の自然も素敵です。やはりワインは欠かせませんね。
前回にも書いたドイツの湯治場でも水浴やダンスの時間がありました。
順番待ちの時はもうほんとうに高齢!といった雰囲気の方が、
(こちらのニュースにも移っている紺/白の帽子の方くらい)
夕食のダンスの時間になると30歳くらい若返った感じになるのには
驚きました。(ジルバを踊ろうと誘われて…かなり狼狽しました…汗)
by orange (2012-04-25 15:27) 

carotte

orangeさん
やはり健康は身体と心の両方からですね。
>30歳くらい若返った感じ
ってすごいですね。血液の循環が良くなるとしゃきっとなって若返るんでしょうか?シルバとはまたタジタジですね。
by carotte (2012-04-26 09:44) 

opas10

フランスの湯治はいずれも楽しそうですね。心身ともに健康になるためにはああいった「ゆとり」が欠かせないのでしょうね。それに比べて、日本の湯治は、ストイックすぎて、終わった後には禅僧になっちゃいそうです。
by opas10 (2012-04-29 17:11) 

carotte

opas10さん
日本の場合は湯治と娯楽が完全に別ものになってますね。湯治というといかにも病人という感じになって禁欲的になっちゃうんでしょうね。それに、どうも「ゆとり」の重要性がなかなか浸透していないのかもしれません。
by carotte (2012-04-30 00:17) 

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