続メイド・イン・フランス その3 [メイド・イン・フランス]
シリーズの最後は、フランス製を保証するラベルについて。
製造業の海外移転に歯止めをかけようと、フランス政府主導で作られたラベルOrigine France Garantie(フランス産保証)。2011年5月から公式に始まりました。
またもラベルですか!と言いたくなるくらいラベル天国のフランスです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年5月18日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
現在、フランスで製造業を営んでいる企業約100社がこのラベルを手にしているそうです。
その中の一つが番組に登場したオフィス家具の製造会社Majencia。国内の従業員数は800人強。
一ヶ月ほど前に取得したというラベルを見せてくれました。
「われわれの顧客、つまりフランスの企業になりますが、国内で製造されたものかどうかに注目するようになってきました。国内産業と雇用を支えているかどうかの判断材料になりますからね」と責任者の方。
このラベルを取得するには一定の基準に達していなければなりません。
つまり、製品を構成している部品の50%以上がフランス国内産のものでなくてはなりません。
この会社、これが100%だったらラベルを取得することはできなかったと言います。
部品のいくつかは安い海外産のを使っているそうです。
例えば引き出しの鍵。キーはヨーロッパ製、錠前は中国製だそうです。
国内での製造コストが上がる一方で、グローバリゼーションの流れには抗し難く、100%フランス産を要求するのは困難。
唯一100%を可能にできるのは農産業くらいだそうです。
しかし、このラベルにも問題があると言う人もいます。
海外で作られた部品を集めて、最後にフランスで組み立て仕上げているだけの会社が取得している場合があるとか。
また、消費者の中には、このラベルが100%フランス製を保証していると勘違いしてしまう人も数多くいるそうです。
因にこのラベルを取得している企業の中には、お菓子のBiscuits St Michel、ビールのKronenbourg、当ブログで紹介したことのあるCompagnie du Savon de Marseille、スキーなどのスポーツ用品のRossignolが入っています。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、友達と連想ゲームをした。お題は『ビール』。僕は、“ハイネケン”、“1664”、“クローネンブルグ”とヒントを出した。すると友達が言った。『ぜんぜん分からない。なにしろ歴史はからきしダメだからね』」
VDM (Vie de merde)より
鍵はドイツ製^^v(笑)
いずれにしても今のEUの状況を考えるとフランスやドイツが
国内での生産拠点の拡充をして雇用を増やし、
他のEUからの出稼ぎで支えないと危機を乗り切るのは難しいでしょうね。
by orange (2012-05-22 10:22)
orangeさん
ドイツ製かも ^^
雇用を増やして消費力を高めれば景気も上向きにというところなんでしょうか。出稼ぎと言えば、ルーマニアからお医者さんがフランスの過疎の片田舎にやって来たという話があったり、フランス北部の町ではベルギーに働きに行ってる人たちがいるそうです。給料が良いとか税率が有利だとか言ってたような....。
by carotte (2012-05-22 19:06)
この流れ、やはり製造業が一番雇用創出力があるということなのでしょうね。フランス人につぶやき、その友達はもしや酒を飲まないのでは(笑)
by opas10 (2012-05-27 17:25)
opas10さん
人手が必要なものとなるとやはり製造なんですよね。
でもこのラベル、なんとなく形ばかりのような気がしてならないです。対策を講じてますよというある種のポーズ。日本も似たようなことがあるような......。
by carotte (2012-05-27 23:00)