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コルビエール地方の村々 その3 [ラングドック=ルシヨン地方]

 シリーズの最後は、岩山の上に立つ城の数々。


 総称して「カタル派地方の城群(Châteaux du pays cathares)」と呼ばれています。


 中世にこの地域で活発だったキリスト教活動の一つを、後世の人が “カタリ派” と名付けたためにこう呼ばれています。


 とは言え、カタル派とは思想的歴史的関連は特になく、今では単に観光地の名称として使われています。

Paris_Aude.jpg
より大きな地図で コルビエール地方の村々 その3 を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年8月24日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 空から見た城の数々。


 お城と言っても完全なかたちで残っているわけではありません。


 登場順に、細長いのがペイルペルテューズ城(上記地図の青印)、話をしている男性の後に見えていたのがケリビュス城(緑印)、最後に丘の上に建っていたのがアギラー城(赤印)。


 どれも岩の上に築かれた城壁が印象的です。



 ブドウ畑の向こうに立っているのはアギラー城。


 13世紀にテルムの領主だったオリヴィエ・ドゥ・テルムが自分の住まいとしてアギラーに城を建てました。


 一度は反乱軍に味方したものの、結局はフランス国王に従うことになり、十字軍に参加する費用を工面するために、フランス国王に城を売却したそうです。



 鷹匠が鷹を飛ばしていたのがペイルペルテューズ城。


 城とは言うものの、もともとあったのは城壁だけ。人が中で暮らせるような建物はなかったそうです。


 その面積はカルカソンヌの城塞都市と同じと言いますから、それなりの規模。


 標高約800メートルの山の上にあり、周辺の土地が遠くまで見晴らせます。


 城壁から鷹が飛び立つ姿は中世の趣をさらに盛り上げます。



 鷹は、5キロ先にある一枚のコインを見分けることができると言われているそうですが、ここから5キロ先にはケリビュス城があります。


 ペイルペルテューズ城とは合図を送り合って連絡を取っていたとか。


 こちらも岩山の上に立っています。標高も728メートルとほぼ同じ。


 しかし、こちらは屋根の付いたお城があります。


 18世紀頃から放置されはじめ、盗賊の住処になっていたようですが、1907年に歴史的建造物としての指定を受け、1943年には保存対象の施設になったそうです。


 コルビエール地方は日本の観光ツアーにはあまり登場しませんが、なかなか見応えのあるところでした。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、夫が、鷹のつがいの卵からヒナがかえったのを見て泣きながら喜んでいた。3ヶ月も前からネットライブでずっと見ていた映像だった。先月、私が息子を生んだ時には涙の一粒もこぼさなかったのに……」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 10

t-toshi

(余談)アンドレ・ジッドの事は詳しくないですか?フランスについて造詣が深い方なので、訊いてみました。
by t-toshi (2012-08-29 11:00) 

carotte

t-toshiさん
残念ながら、アンドレ・ジッドは詳しいとは言えません。><
狭き門の前にとどまっております。^^
by carotte (2012-08-30 01:05) 

t-toshi

小生、それさえも題名のみで、読めておりません。▽いまやらねばいつやれる?おまえがやらねばだれがやる、が、’贋金つくり’出典だというので、確かめたくて、余分なお尋ねをしてしまいました。ありがとうございました。
by t-toshi (2012-08-30 10:10) 

carotte

t-toshiさん
あのよく耳にするフレーズですね。どうもそのようですが、本当かどうか確かめたくなりますねえ〜。名作の中の明言をピックアップしたようなサイトが時々みつかったりするので、気づいた時に調べてみます。
by carotte (2012-08-31 00:55) 

orange

昔、友人の車でこのあたりをドライブした時に何カ所かでこのような古城を見ました。街道沿いから見えるだけでも幾つかありました。
場所も特定しないままかなり写真を撮ったので、ひょっとすると古い写真に同じところの画像があるかもしれません。
先日から…関空=トゥールーズで^^検索したりして…いえいえ。妄想旅行だけです…
by orange (2012-08-31 10:18) 

yuzuhane

カルカソンヌも結構な田舎町にあるなと思いましたがここは自然の山の上に城壁がそびえ、また違った趣がありますね。カルカソンヌは長年放置されていたのを修復家が手を入れて復元されているらしく一応まとまりがありましたが、ここのように自然と一体化していると、おっしゃるように鷹を放つ光景など、まるで中世のようです。
by yuzuhane (2012-08-31 20:39) 

carotte

orangeさん
ここは観光の名所ですね。そして、車じゃないと見学は難しそうです。さらに、城まで上がって行くのがまた一仕事です。でも上からの眺めは壮快でしょうね。お知り合いがいらっしゃるとなると、宿の確保はすでに完了。後は飛行機の座席だけですねえ〜。
by carotte (2012-09-01 08:57) 

carotte

yuzuhaneさん
山々の合間に城があちこち立ってる感じですね。そのお城も領地を守るためといった風情です。岩から掘り起こしたみたいにも見えます。ここまで仕上げるのに何年もかかったんでしょうね。中世のまま残ってる感じがします。
by carotte (2012-09-01 09:02) 

opas10

この山の城塞群は見ごたえがありますね。中世の時代によくあんな急峻な尾根にこれだけの山城を造ったものです。あわせて、鷹匠のオジサンが渋くていい味出してますね~。
by opas10 (2012-09-01 14:03) 

carotte

opas10さん
こんなすごい風景が残っていたとはぜんぜん知りませんでした。どの城も中世のロマンとどろどろした感じがよく出てますね。石はやっぱり長持ちします。
by carotte (2012-09-02 00:32) 

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