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コートダジュールのヴィラ その2 [コート・ダジュール地方]

 シリーズの二回目は、前回のヴィラのあったサン=ジャン=カップ=フェラからすぐの村ボーリュ=シュル=メール(Beaulieu-sur-Mer)にある邸宅ヴィラ・ケリロス(Villa Kerylos)を訪ねます。

Paris_Beaulieu.jpg


 下記ウィンドウの[>]をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年5月14日に放送)([>]をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 海に向かって立つ家は、どことなくコート・ダジュールとは異質な感じ。

 

 それもそのはず、この建物は、エーゲ海に浮かぶデロス島にあった、紀元前2世紀頃の古代ギリシャの邸宅をモデルに造られました。

 

 工事は1902年に始まり、完成したのは6年後の1908年のこと。

 

 こちらもベルエポックの時代に建てられました。

 

 そして、床のモザイクや壁画などを見ても、贅を尽くした建物だということがよく分かります。

 

 施主は考古学者のテオドール・レナック(Theodore Reinach)、請け負ったのは建築家Emmanuel Pontremoli。

 

 古代ギリシャに詳しかったテオドール・レナックは、完成したこの邸宅で一年のうち数ヶ月をすごしていたそうです。

 

 「レナックは、この机に向かい立ったまま研究を行うことが多かったそうです。そのため机の位置がかなり高めです。こうしておけば、書類から視線が離れてしまうことがないので都合が良かったのです」とこのヴィラの管理責任者の方。

 

 ギリシャ神話を題材に描かれた床のモザイクは子供たちに人気です。

 

 天井、柱、壁など、どれをとっても緻密に造られています。

 

 調度品も、古代ギリシャの特権階級の暮らしが今に甦ったようにしつらえてあります。

 

 「レナックのおかげで、古代ギリシャの生活がどんな風だったのかを想像することができます」と見学者の男性。

 

 食堂を見学中の男の子二人は中学生。

 

 「ちょうど学校でギリシャ文明を教わっているところなので身近に感じます」

 

 「昔は横になって食事をしていたというのがちょっと変な感じです」

 

 ロープで仕切られていたのはお風呂。大理石に装飾の入った豪華なお風呂です。

 

 古代を模して建てられた邸宅ですが、電気も暖房も完備。近代的な設備は見た目には分からないように設置されています。

 

 そして、サイドボードのようなものは、実は折りたたみのピアノでした。

 

 こちらのヴィラも一般公開されており、入場料は11ユーロ。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、そしてずっと、僕はギリシャの出身です。友人とモノポリーをやることになったのだが、僕は100,000ユーロの赤字から始めることになってしまった」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 4

rabbit

すごい!何とも贅沢な邸宅ですね・・庶民感覚では考えられません。
by rabbit (2013-05-20 20:34) 

carotte

rabbitさん
かなりのお金をかけて造られてますよね。やはりお金持ちの道楽の中に入りそうです。
by carotte (2013-05-24 13:17) 

opas10

床のモザイク、調度品のディテール、さらには大理石の内装・・・こりゃあホンモノの贅沢です!それにしても施主が考古学者って、そんなに儲かるような仕事だとは思えないのですが?
by opas10 (2013-05-26 23:38) 

carotte

opas10さん
莫大な財産を相続したとかそんな感じじゃないですかね。^^;
手が込んでて、こういうのをホンモノの贅沢というんでしょうねえ。

by carotte (2013-05-27 13:19) 

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