続・三角タワー [パリ]
先日お知らせしたパリの三角タワーの建設計画。
今週月曜日の17日、パリ市議会で土地を提供するかしないかの投票が行われました。
結果は、反対83票、賛成78票と、わずか5票の違いで否決。
しかし、建設を推し進めたいパリ市長のイダルゴさん、今回の投票は無効だと主張しています。
というのも、投票は無記名で行うという約束だったのに、一部の議員が自分たちの投票用紙を見せて、どちらに投票するか公表してしまったからです。
背景には、イダルゴ市長の所属する社会党が、全員が自由に投票できるようにと無記名を主張したのに対し、右派、中道派、エコロジー派は透明性が大事として記名を主張していた、というのがあったようです。
そして、どことなく右派vs左派の構図にも見えますが、エコロジー派も反対に回っていることを考えると、それだけではなさそうな・・・。
どうもこの三角タワーの建設については賛否両論あるようです。簡単にまとめると大きく3つの点で対立しているとか。
まず一つ目は環境問題(エネルギー問題)。
賛成派は、三角タワーは排出した空気の熱の70%を回収し、夏は太陽熱の7%しか取り込まないようにできている。
反対派は、それほどエコではない、この手の建物は多くのエネルギーを消費するものであり、たいていの場合、計算より実際の方が多いのが現実だ。
二つ目は経済効果。
5,000人の給与所得者が働くことになる三角タワーは、数千人もの雇用を生み、この地域を活性化することになると言っているのがパリ市長のイダルゴさん。
しかし反対派によれば、三角タワーは全くのオフィスビルではなく、展示会場地域のリノベーションの一環であり、ホテル、会議、企業養成所などが入ることになっており、それだけの経済効果を生むとは思えないとなります。
そして最後が建物自身について。
賛成派は、美しい三角タワーは、首都に近代的なイメージを与え魅力的にするだろうと言い、反対派は、やり過ぎだと切り捨てています。
イダルゴ市長、今回の投票結果をひるがえして三角タワーを完成させることができるかどうか難しいところです。
さて、本日は最後にこんな映像はいかかでしょう?
カナダのモントリオールのとある公園。
アマチュアカメラマンがリスを撮影しようとカメラの上に餌を置いて誘い出したところ、リスにカメラごと木の上に持って行かれて、こんな映像になったのだそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、タクシーの運転手の私は、お客を乗せてパリを走っていた。目的地に到着すると、お客がお金の代わりにバスの乗車券を差し出した」
VDM (Vie de merde)より
三角タワーは、右派対左派というよりは、与党対野党という感じでしょうか。市長が醜悪な建物に固執している限り、解決の道は遠そうですね。
by opas10 (2014-12-06 13:07)
opas10さん
おしゃるとおり、どうも与野党の対立の感じになってます。これはちょっと建設は難しいんじゃないでしょうかね。
by carotte (2014-12-11 15:41)