校舎 その5 [フランスのお宝]
シリーズの最後は、アルザス地方の都市ストラスブールにあるサン=トマ小学校(école Saint-Thomas)を訪ねます。
これまでとは一味違うネオルネッサンス建築の校舎です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年4月17日に放送)(▸をクリックして映像が出て来ない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
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サン=マルタン橋のかかるイル川。
その川沿いに立つ煉瓦色の堂々たる建築物が本日訪ねる小学校の校舎です。1905年に建てられました。
中の作りもこれまでの建物とは異なります。こうして窓から外を覗いていると、イル川を客船に乗って走っているような気分になります。
かつて川向こうの正面にはチョコレート製造所があったそうです。
門をくぐると正面玄関のファサードが見えてきます。リズミカルな窓が印象的。
階段を上がると音楽室があります。天井画の天使も子供達と一緒に歌っているようです。
「初めてこの建物をみたときは教会かと思いました」と女生徒。
「この学校に入れてよかったなと思います。ステンドグラスがある学校なんてそんなにないです。校舎がきれいだし、彫像もたくさんあります」と別の女生徒。
アルザス地方は1870年から1918年までドイツ領だったこともあり、設計はドイツ人建築家の手によって行われました。
広くて長い廊下もこの校舎の特徴です。
「ここはたくさんの生徒たちが行き来しますから、これだけ大きい廊下になっているんです。当時は幼稚園が2クラスあり120人の子供達が登園していたそうです」と先生。
ということは、ひとクラス60人!すごい人数ですね。
廊下の柱には昔の子供達を描いた装飾がありました。
この建物が作られた当時、フランスはアールヌーヴォーの時代でした。一方、ドイツは図案化されたデザインが主流だったそうです。
校舎の中には体育館も設置されています。
「体育の授業の他に催し物にも使われます」
四角い鉄骨の体育館とはずいぶん趣が異なります。
丸みを帯びたドアノブや階段の手すりが時間の経過を物語ります。
屋外に出てみると、昔の宮殿の一部を再利用した場所があります。
この美しい階段を上がったところには管理人のすまいがあるそうです。
川沿いに作られたこの建物、学校というよりお城や宮殿のようにしか見えませんね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、学校が終わって、隣の家の子供が出てきて私に言った。『ママがトランポリンを買って庭に置くつもりだって。そうすればおばさんちがよく見えるって言ってた』『・・・』」
VDM (Vie de merde)より
ネオルネッサンスでもあり、その影響を受けたドイツ表現主義の匂いもする非常に興味深い建物です。小学生のうちにこそ、こういう「ホンモノ」の中で過ごすと、生涯にわたって審美眼が持てるんですよね。
by opas10 (2015-05-24 11:35)
opas10さん
四角い鉄筋コンクリートの校舎で学ぶのとはちょっと違いますね。こういう建物を見ると、どういうわけかちょっとノスタルジックな気分になります。欧州のいい時代の建物なんじゃないかと思います。
by carotte (2015-06-06 11:29)