ジレ・ジョーヌ [トピックニュース]
昨晩のNHKのニュースで、ゴーン事件は連日フランスでも報道されている、と言っていましたが、なんだかちょっと引っかかる。
フランスの民間放送TF1も、公共放送のFrance 2やFrance 3も、週末のニュースにはゴーン事件はほとんど登場せず、もっぱら “ジレ・ジョーヌ” のデモについて報道してました。
シャンゼリゼ通りのデモはかなり激しかったようで、警官か機動隊員が目を負傷した模様。内務大臣にあたるカスタネール氏が沈静化のために対応していましたが、どうなることか・・・。今週末もまた大規模なデモが予定されています。
ゴーン事件は2番手どころか、かろうじて時間内に登場するかしないかのニュースです。情報がないから放送のしようもないんじゃないですかねえ〜。メジャーな雑誌も似たり寄ったりで、他のニュースの付け足しみたいな感じにしか見えない。
注目されていないわけじゃないでしょうけど、現状はそんなとこです。
日本にいるフランス人は別として、結局、今のフランス人の目は、ジレ・ジョーヌのデモに向いてます。政府もその対応に追われてます。
シャンゼリゼ通りのデモの様子は→こちら。次第に激しくなっていくのがよくわかります。デモ隊にも大勢の穏健派はいるのですが、これでは暴動に近い。観光客がシャンゼリゼ通りをそぞろ歩くなんてことは不可能。
そんな中、TF1の取材班はその観光客を取材すべく街に出かけて行きました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年11月24日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
この日、デモのために安全を期してエッフェル塔は閉鎖。見学することはできません。
「えっ、今日は閉まってるの?どうして?」と男性観光客。
「特に観光客にとって問題はないですよ」と別の観光客。
エッフェル塔近辺はわりに静かだったようですが、マドレーヌ広場はデモ隊で溢れていました。高級店の並ぶフォブール・サントノレ通りもこの有様。
観光中にこれだけのデモ隊を見るのは珍しいのか、記念にと写真を撮る人たちもいますが、デモのために道路が閉鎖されてしまい、回り道を余儀なくされます。
「ちょっとがっかりしたでしょう?」と取材班。
「ちょっとね。でも大丈夫。他のところに行きますから」と女性。
「クリスマス前にパリがこんなことになるなんて思ってもみませんでしたが、一般市民の皆さんが将来を心配しているということだけはわかりました」と男性。
空にはヘリコプター、デモ隊による火炎瓶の煙、花のパリにはほど遠い光景です。
「入れないところがあちこちにありますし、警官も大勢います。はじめはシャンゼリゼ通りだけだと聞いていたのですが、今は街全体でしょう。なんかもうびっくりです」と若い女性。
パリに比べれば小規模ですが、地方の市町村でもジレ・ジョーヌのデモは行われています。デモをやったところで経済が良くなるとも思えませんが、フランス人はデモするんです。
そんなわけで、目下のところフランスはゴーン事件どころじゃないのです。
最後に、平和な画像を紹介して締めとします。ストラスブールのクリスマスマーケットが始まりクレベール広場の大きなツリーも点灯されました→こちら。
今年は可愛いらしい感じに仕上がっているようです。12月にはこのツリーのようにもっと平和になっているといいのですが・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、パリで大きなデモがあった。鉄道も道路も閉鎖状態。僕は元気いっぱいで朝の5時に早起きして自転車で登校した。学校に着くと、このデモ騒動で先生が休みだという。変だなあ、先生は学校のすぐ隣の通りに住んでいるはずなんだけど・・・」
VDM(Vie de Merde)より
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