一番リッチな村 [ローヌ=アルプ地方]
ここまで休みが長いと曜日の感覚がおかしくなってきます。今日はてっきり土曜日だと思っていたら、実は金曜日だった、てな具合です。休みボケで出勤日を間違えないようにしなくては!
さて、過疎化の問題は日本だけでなくフランスにもあるようで、毎年、学校が閉鎖の危機にあるとか、無医村になってしまった等々のニュースが流れています。
そんな中、フランスで最もリッチな村があるそうです。どんなところなのか訪ねてみましょう。
下記のウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2019年5月3日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
リッチと言えば、高級ブティックに高級ホテルの集まるおしゃれな界隈、またはセレブの集まる冬のリゾート地、でなければヨットハーバーのある地中海のリゾート地?
ブ〜!そんなところではありません。それはスイスとの国境に近い人口2,800人ほどの小さな村アルシャン(Archamps)。
ボートはありますが・・・こんな感じ。リッチとも思えないこの風景。
近くにはリゾート地で有名はレマン湖がありますが、それも数キロ先。高級ホテルもなければ星付きレストランもありません。
しかし、ある調査会社の調査によれば、中流の村人の月収は3,800ユーロ(約470,000円)を超えているとか。
片田舎の月収とは思えない額ですね。実際はどうなんでしょう?
「村人に聞いてみれば、そういう人もいると思うけど、全員じゃあないねえ」と男性。
「そんな月収、もらったことなんて一度もないですよ。最低賃金で働いてます(笑)」と女性。
「でも、立派なお住まいですよね」と取材班。
「これは母の家なんです。家賃が節約になりますからここに住んでいるだけですよ」
しかし、村を歩いてみると、確実な広さははっきりしませんが、プール付きのヴィラがあちこちにあります。
こちらは元銀行員のお宅です。2年前に100万ユーロで購入したそうです。
「どうしてここにお住まいなんですか?」と取材班。
「ジュネーブに近いからですよ。車なら10分で行けます」と元銀行員。
実はアルシャンの住人のうち半分がジュネーブで働いているそうです。ご覧の通り、朝はジュネーブに向かう車で道路は混雑しています。
つまりアルシャンはジュネーブのベッドタウンというわけです。
面白いことに、スイスは、国境を越えて働く人たちの月給から差し引いた所得税を村に還付してくれるらしい。
「村の収入の40%はそういう人たちからのものです。おかげで様々な公共事業が可能になりました。こちらのテニスコートも作ることができましたし、あちらは今工事中ですがパン屋が開店することになっています。今までパン屋がなかったですよ」と村長さん。
同じようにレストランもありませんでしたが、スイスからの還付金で村が古い穀物倉庫を改築してレストランを開業させました。
シェフの話によると、ジュネーブで店を開業するより、国境近くのフランス側で開業するのがいいらしい。
一方、こちらは乳牛を育てている牧場。製造した牛乳はもっぱらスイスに輸出しているそうです。
「フランスで作ってスイスに輸出するのが得なんですよ」
どうやら牛乳の値段がフランスより高いらしい。だからフランスよりスイスで売った方が利益が上がるというわけです。
このように経済的に豊かなとされる村はフランスに20村あるようですが、そのうちの9つがアルシャン村と同じオート=サヴォワ県にあるそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、税関で2時間半も足止めされた。なぜかって?カバンの中に12キロのハムを入れたまま通ろうとしたからさ」
VDM(Vie de Merde)より
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