食の街道 その3 〜シードルの道〜 [フランスのグルメ]
シリーズの三日目は、林檎のお酒シードルです。
もともとはスペインのバスク地方で作られていたのが、船乗りによってノルマンディーに持ち込まれ、フランスのあちこちで作られるようになったそうです。
今日は、そのシードルの最大の生産地であるノルマンディ地方オージュ県(Auge)にある町カンブルメール(Cambremer)を訪ねます。
オージュ県を車で走っていると、のどかな田園風景の中に、林檎の木があちこちに見えてきます。それもそのはず、ここは「シードルの道」。これらの林檎でシードルを作ります。
全長40キロの「シードルの道」(上記地図のオレンジの線)は、カンブルメールから輪を描くように続き、この道沿いに20軒ほどのシードル製造者が集まっています。
林檎は10月から12月に収穫され、砕いて絞り出されたジュースは、冬の間、蔵の樽の中で熟成され、その後、瓶詰めになり試飲会に出されます。
すっかりシードル党になってしまったある男性にとって、シードルはワインと同じくらい味わい深い飲み物。試飲をする時は、ボトルを氷水に入れて冷やします。暖炉に火をつけたら、おもむろに冷たいシードルをグラスに注ぎ味わいます。
シードルの製造者は他にも梨のお酒ポワレ(poiré)やカルヴァドス(Calvados)を作っています。このカルヴァドスもこの地方の特産です。
林檎から作られる蒸留酒で、小説の中のメグレ警視もよく飲んでいました。映像に登場する製造者のところには四代にわたって引き継がれて来たカルヴァドスがあるそうです。その中の一番古いのが1865年のもの。
映像は→こちら
(これは2009年9月16日に放送された映像です)
シードルの試飲をしていた男性は、映像の最後に出てきたシャトー・ホテル“Château les Bruyères”のレストランのシェフです。ここではシードルをワイングラスに注いでいましたね。
このシードルにもAOCがあります。この地方の“AOC Pays d'Auge”というラベルを付けるためには、苦い又は苦みのある甘い林檎が70%は含まれていること、さらに60%は同一種の林檎でなければなりません。また、それぞれのシードルの個性を出すために、林檎を栽培する土地の区画が厳重に定められているそうです。
美しいノルマンディの風景やお城を見学しながら、おいしいシードルやカルバドスを試飲できるシードルの道。ぜひ一度は訪ねてみたいものです。
次回は「お米の道」を紹介します。フランスでもお米を作っているそうですよ。
シードルは学生時代にフランス語を習っていた友人と一緒に
飲んだことがあります。以来、時々飲んでみたくなる時が
あります。時々カルフールなどで見かけると購入します。
善し悪しは今ひとつ分からないのですが…
by orange (2010-08-06 00:34)
シードルは時々飲みたくなります。
そして、口当たりがいいからついついたくさん飲んでしまうのですが、やはりそこはアルコール飲料。酔ってしまうんですねえ。
クレープ屋さんでシードルを飲んで、ややテンションが上がったところでパリの街をぶらぶらするというのもそれなりに楽しかったりしますが.....。
by carotte (2010-08-06 10:06)