フランスのバスク地方 その1 〜エスプレット〜 [バスク地方]
エスプレット
(Espelette)
人口約2,000人。以前に当ブログで紹介したことのある村アイノア(→こちら)までは6キロほど。スペインまでは約10キロです。
ここでは、ちょうど唐辛子の収穫が始まったところです。唐辛子はエスプレットの特産品。1980年くらいからフランス全土に広まり始め、2000年6月1日からは正式にAOCのラベル入りで販売されるようになりました。胡椒ほど辛くなく、香りはその10倍もあるそうです。
AOC付き唐辛子 乾燥させるために家の壁面に唐辛子の束がかけてある
今年は雨が少なく低温が続いたため、収穫の開始がいつもより遅くなりました。
雨が少なくても、ひどい干ばつにならない限り、水やりはしないそうです。自然のまま育てるというのがAOCのルールです。唐辛子には畑の土の香りが反映されるため、畑によって異なる個性豊かな唐辛子が育ちます。
映像は→こちら
映像に出て来た畑では年間5~7トンの唐辛子を生産しています。
当初は25軒の農家で始めた唐辛子栽培ですが、現在では150軒にまで増えました。村には遠くから旅行者もやってきます。
この地方では、昔から、胡椒の代わりにこの唐辛子を様々な料理に使っていました。中でもオムレツに入れるのが理想的だそうです。香りが味を引き立てるのでしょう。パンにも入れたりするそうです。
南米原産のこの唐辛子、16世紀か17世紀頃にこの地方に渡ってきました。最初は薬用に、その後料理の味付けに、さらには肉やハムの保存用に使われたそうです。
現在、この地域の10のコミューン(アイノアを含む)で栽培されているそうです。AOCの正式名称は“piment d'Espelette”(ピマン・デスプレット)。
唐辛子の収穫は11月まで続き、収穫した唐辛子は香りを出すために乾燥させ、砕いて粉にします。生のまま、ヒモで束ねられ販売されることもあります。
エスプレットについて調べていたら、面白い教会があることを発見しました。
サン=テティエンヌ教会
(L'église Saint-Étienne)
17世紀に立てられた教会です。目を引くのは内部。木製のギャラリーは三階まであり、天井は全面に絵付けされています。国の歴史的建造物に指定されています。本物が見てみたくなりました。
「今日、バスク地方の山に遊びにでかけた。小さな列車に乗って頂上までいき、帰りはちょっとした山歩きを楽しもうと歩いて下山することに。山を下りてびっくり。なんとそこはスペイン。4時間の苦行の果てにやっとフランスに戻ったのだった
」
壁が真っ赤ですね。凄い!
乾燥した空気でしっかりと乾くでしょうね。
動画、夜帰宅してまたゆっくりと拝見しますね。
いつも楽しみにしています。
バスク地方は言葉も文化も異なるので独立を求める動きもありますね。
少数民族の文化は興味深いです。辺境の地だからこそ残ったのでしょうね。
by orange (2010-09-30 13:31)
orangeさん
家の装飾のようにもなっている赤い色の唐辛子です。
フランス側は国の行政の中に組み込まれ、スペインには自治州がありますが、この地域には国境に関係なく、独特の文化、独自の言語が残っているようです。やはり地理的な影響が大きいのかもしれません。
by carotte (2010-09-30 21:21)
壁一面の唐辛子はすごい!側に寄ったら目がヒリヒリしそうです(笑)。オムレツも美味しそうですが、そのあとに出てきていたのはフォアグラでしょうか。テリーヌと唐辛子の組み合わせ、絶対美味しいですよね。
by opas10 (2010-10-02 16:45)
opas10さん
あの丸い切り身はフォアグラのように見えます。
テリーヌの方はウサギとフォアグラが入っているそうです。とにかく香りがいいので、どんなものにも合うと言ってます。
あちらへ行ったらなんとしても食べてみなくては!
by carotte (2010-10-02 19:37)
carotteさん、おはようございます。日本でも近年、バスク料理、バスクの食材が注目されているようです。バスク料理と称した料理を提供するレストランがあり、バイヨンヌハム(Jambon de Bayonne )、バスク豚(キントア豚)などを手に入れることができるようです。
by wattana (2010-10-03 08:24)
wattanaさん、おはようございます。
バスク地方は日本人に人気ですね。
海の幸から山の幸まで幅広くおいしいものがあるみたいです。
バスク料理で私の記憶に残っているのはデザートのお菓子だけ。だいぶ昔のことになるので後はあまり憶えてなくて....。今度行ったらしっかり意識しながら食べたいです。
by carotte (2010-10-03 10:01)