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フランスのバスク地方 その3 〜織物〜 [バスク地方]

 シリーズの三回目は、美しい織物です。

Paris_StJeanStPalais.jpg
より大きな地図で フランスのバスク地方 を表示
    パリ→バイヨンヌ(列車で約6時間)
    バイヨンヌ→サン=パレ(約56キロ 車で約1時間)
    バイヨンヌ→サン=ジャン=ド=リュズ(約22キロ 車で約22分)

サン=パレ
(St-Palais)
St-Palais.jpegTissuB.jpg

 サン=パレ(St-Palais)は人口9,000人の町。ここには、操業から100年以上、三世代に渡って続いて来た小さな綿の織物工場があります。バスク地方の伝統的な方法で織物を続けている最後の工場です。


 かつてバスク地方ではアマの栽培が行われていました。そして中世以来、数百家族がこれを使って布を織っていたそうです。


 布にはブルーと赤の7本の縞模様が織り込まれていました。この7つの縞は、スペイン領を含むバスク地方の7つの地域を表しています。このモチーフは、一説によれば、スペインを逃れこの地方に住み着いたユダヤ人が伝えたとも言われています。


 これらの厚手の布は、衣服、ベッドカバー、テーブルクロス、さらにはマントのように牛にかぶせて虫除けとして使われていたそうです。


 1950年代にイギリスから綿が輸入されるようになり、この地方での織物業はしだいに姿を消していきました。


 この工場では、エジプト綿、トルコ綿など質のいい綿を使っています。機械は14台ありますが、実動は4台から5台まで。1台で糸4,000本まで織ることができますが、一本でもミスがあると最初からやり直し。そのため、誤作動がないように常に監視が必要なため、これ以上の稼働は難しいそうです。


 ビデオには美しい布が沢山出てきます。ぜひご覧ください。


 映像は→こちら


 映像の後半には、サン=ジャン=ド=リュズ(St-Jean-de-Luz)にある、バスク地方の織物専門のお店が出てきました。最初に紹介してくれた白地に茶の縞模様のテーブルクロスには7本の縞が織り込んでありました。


 インディゴが最初の色だったそうです。海辺の町バイヨンヌからこの染料がもたらされました。時代が新しくなるにつれ、様々な染料も増え、布もカラフルになっていきます。

TissuB02.jpg

 最近では若い世代にも人気があり、家具やバッグなどにも使われるようになり、アメリカ、オーストラリア、日本などに輸出されているそうです。



******** フランス人のつぶやき *******

「今日、何か見覚えのある布切れで母が掃除をしていたので、どこで見つけたのか聞いてみた。『ああ、これね。あんたの部屋にあった着古したTシャツよ』と母。それは、母からのクリスマスプレゼントだった……」

VDM (Vie de merde)より

 



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コメント 4

opas10

欧州のテーブルウェアや家具が一味違うのは、造形だけでなくfabricのような素材の蓄積があるからなんですね。以前に名古屋にあるトヨタの産業記念館を見学した際、自動織機の精密さにすっごく驚いたことがあります。
by opas10 (2010-10-02 17:04) 

carotte

opas10さん
素材の蓄積の影響は大きいでしょうね。
新しいものの中にも、やはり伝統が残っているのはそのあたりにあるのかもしれません。
by carotte (2010-10-02 20:37) 

orange

以前、ソレイヤードの版木を見た事があります。
現地で購入する生地はやや厚手ですね。
今、日本で販売されているのは販売権を購入してのライセンスもの
なので生地の厚さが薄くなんとなく質感が違います。
染料の発色も水質でことなりますからね。
色が綺麗です!
by orange (2010-10-02 23:44) 

carotte

orangeさん
プロバンスですね。私もテーブルクロスなどに使ってます。部屋の中がなんとなく明るくなります。
バスクのほうは糸を織り込んで模様を作っているので、また違った風合いがありますね。やはり一つ二つ欲しいです。

by carotte (2010-10-03 10:09) 

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