鳩狩り [ミディ=ピレネー地方]
狩猟が解禁になりジビエの季節が始まりましたが、フランス南西部ではちょっと変わった方法で野生の鳩を捕まえています。
この鳩、“ピジョン・ラミエ(pigeon ramier)”という種類の渡り鳥で、秋になると北欧からイベリア半島へと移動します。先日、wattanaさんに教えていただいた、フランス料理の食材を販売しているアルカンのサイトに写真が出ています。→こちら これの一番下にあるのがピジョン・ラミエです。
北欧からイベリア半島へ移動するためには、当然、あのピレネー山脈を超えなければなりません。鳩にとっては大きな試練。山越えの前に、フランスのランド県やジェール県、またピレネー山中の森で一休みします。この時をねらって猟師たちが鳩を捕まえるのです。
今回は、ジェール県の村リスクル(Riscle)で行われている猟の様子をご覧ください。
動画を見ていただく前に少々説明を。
この猟にはいくつか方法がありますが、今回紹介するのは、おとりの鳩を操ってピジョン・ラミエを誘い出し、網で捕まえる、または銃で撃つという方法です。この「おとりの鳩を操る」システムがなんとも凝ったやり方なのです。
森の中、地上15mにある鷲の巣のような物体が猟の基地。
基地からは何本ものロープが回りの木々に向かって張り巡らされています。ロープは、木のてっぺんに取り付けられたラケットと呼ばれる止まり木まで伸びており、基地でロープを動かすとラケットが動くようになっています。一方、ラケットには、おとりの鳩がつながれています。
ロープでラケットを動かすと、そこにいるおとりの鳩がバランスを失い羽をばたつかせます。これに引きつけられてやってきたピジョン・ラミエを銃で撃つ、もしくは網で捉えるというわけです。
基地の中のマリオネット師のような猟師の姿をご覧ください。
映像は→こちら
ずいぶん精巧な仕掛けのようですが、この方法がいちばん普及しており、スペインでも行われているそうです。
「今日、両親の家へ帰ってみると、部屋の中があまりに寒いので、暖房が故障しているのかと聞くと、こんな答えが返って来た。『そうじゃないの。うちの猫ちゃんが落ち込んでるのよ。それで慰めるために天窓をあけたままにして、鳩が飛んでるとこを見せてるの』」
おもしろい、仕掛けですね。
フランスのジビエの季節は早いですね。
日本は、11/15 からです。 いつもこの季節を楽しみに、たまに猟にも同行しています。
by 島酔潜人 (2010-10-18 22:47)
なんだか秘密基地のような狩猟小屋ですね。
猟をしている人も楽しそうですね。
鳩の鳴きまねが上手でした。
ジビエ。やはり鹿料理が恋しいです。
by orange (2010-10-19 11:57)
島酔潜人さん
この仕掛け、一体誰が発明したんでしょうね。
このやり方が普通だそうですから効果的なんだと思います。
日本は解禁は11月なんですね。
by carotte (2010-10-19 11:57)
orangeさん
やはり鳩に気づかれないように偽装してるんでしょうね。
あの仕掛けを作るのも楽しいらしいですよ。
鹿は地上での猟ですね。大物です。
by carotte (2010-10-19 12:02)
carotteさん、こんばんは。
鳩と言うと、バンコクに住んでいたときに食べた中華料理の鳩(確か姿煮だったと思います)と6年前にフランスで食べた超レアな鳩のことを思い出します。今シーズンは鳩を未だ食べていません。
by wattana (2010-10-19 20:36)
wattanaさん、こんばんは。
鳩はまだ食べたことがありません。
中華料理の「姿煮」、ちょっと怖いですねえ〜。
とは言うものの、鶏もうずらも丸焼きしますから、鳩が姿煮でも不思議はないですね。^^
by carotte (2010-10-19 20:57)
なんとも優雅な猟ですね~。おとりを使うという点ではアユ釣りにもこういうやり方がありますね。
by opas10 (2010-10-23 17:08)
opas10さん
ほとんど釣りと同じですね。微妙に釣り竿を動かして魚を釣るのと似てます。その辺が面白いところなんでしょう。
by carotte (2010-10-23 18:35)