セーヌ川でパリ見物 その1 〜バトー・ムーシュ〜 [パリ]
バトー・ムーシュの起源は、川や運河を走る運搬船にあります。水路による運搬がさかんだった戦前までは、この船が活躍していましたが、戦後、陸の交通が発達するにつれ衰退していきます。このとき、不要になった船を買取り、セーヌ川を往来する遊覧船にしたのが、現在の遊覧船バトー・ムーシュの創立者ジャン・ブリュエルです。
遊覧船になったのは、1867年にパリで開かれた博覧会に展示された船で、リヨンのムーシュ(Mouche)地区にある工場で作られたため、その頃から「バトー・ムーシュ」と呼ばれていたそうです。もちろん用途は荷物を運ぶためで、お客を乗せて遊覧するためのものではありませんでした。
では、観光客を乗せ、セーヌ川を往来するバトー・ムーシュと一緒に、美しいパリの映像をご覧ください。 ライトアップされた夜のパリを見ながらのディナークルーズも出てきます。
映像は→こちら
バトー・ムーシュに関する仏版のWikipediaには、日本語版には出ていない、ちょっと面白いエピソードが紹介されています。
創立者のジャン・ブリュエルは、1950年になるとすぐに「バトー・ムーシュ」を商標登録しました。と同時に、この「バトー・ムーシュ」の発案者としてジャン=セバスチャン・ムーシュなる謎の人物を作り上げたのです。これが少々手が込んでまして……。
ジャン・ブリュエルに協力したジャーナリスト兼文筆家のロベール・エスカルピ(Robert Escarpit)が、ジャン=セバスチャン・ムーシュを次のような人物に仕立て上げます。
オスマン男爵(パリ市街の改造で有名)の協力者であり、
バトー・ムーシュの発明者であり、
情報専門の警察調査隊“ムシャール(mouchards)(たれこみ屋)”の創設者。
そして、1953年4月1日(そう、エイプリルフールの日)、運輸大臣、パリ市長、その他当時の文化人や芸術家の臨席のもと、新しい遊覧船の進水式を行う際に、この謎の人物の胸像を披露したのです。
このイベントが功を奏し、その後、この遊覧船を利用する観光客は数百万人にも達したそうです。そして、ジャン=セバスチャン・ムーシュは、しばらくの間、実在する人物として信じられていたそうです。現在でも、実在すると思っている人もいるとか………。
「今日、祝日だったのでセーヌの岸辺をウォーキングしていたら、リードのはずれた大きな犬が、突然、吠えながら飛びかかって来た。驚いて後ずさりしたとたん、川にぽちゃん......超冷たかった」
このセーヌ川の写真を一目見ただけで
どこかから「パリの空の下」が聞こえて来そうな
気がするのは…もうそれほど定着している印象なので
しょうか…
夜のクルーズもいいですね。車で夜走ったことはありますが、
セーヌからの夜景も素敵です。
by orange (2010-10-28 02:01)
20年くらい前、ディナークルーズに乗りました。
その時、一緒に食事したのが今の連れ合いです。
思い出のバトームッシュ、久しぶりにパリに行きたいな。
by 島酔潜人 (2010-10-28 10:51)
orangeさん
やはりバトー・ムーシュがいなくなると寂しい風景になりそうです。もうなくてはならないものになってしまったのかもしれません。
夜になると建物がライトアップされて、船から見るとロマンティックな気分になりますね。
by carotte (2010-10-28 20:40)
島酔潜人さん
まあ、そういうことだったんですね。^^
パリはやっぱり恋人たちの街ですね〜。
カップルの観光客もとても幸せそうに見えました。
by carotte (2010-10-28 20:49)
carotteさん、おはようございます。
セーヌ川の遊覧船には乗ったことがありません。ふりかえってみると、パリ市内での観光と言えるのは、市内遊覧バスに乗ってバス内から市内を見たのが数回あったくらいでしょうか。1998年に初めてフランスへ行って以来、2008年までの20回以上フランスへ行きましたが、毎回、パリは通過点、日本へ帰国する前日に泊る場所だったからだと思います。
by wattana (2010-10-29 06:56)
wattanaさん
実は私も、ずっと遊覧船に乗ったことがありませんでした。乗ったのは最近になってからです。
パリは魅力的な街です。ぜひぜひゆっくり見物してみてください。
by carotte (2010-10-29 22:05)