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12月のごちそう その12 〜ビュシュ・ドゥ・ノエル〜 [フランスのお菓子]

 フランスのクリスマスケーキ“ビュシュ・ドゥ・ノエル(bûche de Noël)”です。


buche.jpg

Photo from Wikipedia

 昨晩、召し上がった方もいらっしゃいますよね。


 「クリスマスの大きな薪」という意味のこのケーキ、いつ頃、誰が考案したのか、明確な答えはみつかりません。しかし、昔、各家庭に大きな暖炉があった頃、こんな風習があったそうです。


 クリスマスイヴの日、出来るだけ長く燃えそうな薪を選んで、暖炉で火をつけたそうです。薪には、翌年の豊作を祈願して果樹が使われました。そして火をつける時は、聖枝祭から保存しておいたツゲや月桂樹の枝で祝福したそうです。因に聖枝祭とは、キリストのエルサレム入城と受難を記念する日で、復活祭前の日曜日がその日に該当します(今年なら3月28日)。なぜ「枝」なのか?キリストがエルサレムに入城した時、多くの群衆が木から折った小枝を振って歓迎したという聖書の記述から来ているようです。


 暖炉が家庭から姿を消すとともに、この風習も消えてしまい、代わりにこのデザートが登場したというわけです。1945年にある菓子職人が作ったと言う人もいますが、確証はありません。依然として、いつ、誰が発明したのかは謎のままです。


 シーズン中は、2€以下のお手軽なものから、120€もするクリスチャン・ラクロワがデザインしたものまで、様々なブュシュが店頭に並びます。ケーキのスタイルこそ違うものの、このあたりは日本と同じですね。


 映像は→こちら


 終わりの方に出て来たチョコレートのたっぷりかかったビュシュは26€。このお菓子屋さんでは、この一週間で300万個のビュシュを作るそうです。


 

feuille.jpg教会のクリスマスcadeau.jpg


イエス・キリストが生まれた日に因んで

クリスマスの教会の様子を紹介している映像を選んでみました

4つの教会が登場します

パリのノートルダム大聖堂とサン・ジェルヴェ教会

ブルターニュ地方の教会と修道院です

キリストが生まれた時の様子を再現したクレシュと

キリストの一生を描いたレリーフなどをご覧ください


* 少しの間、フランス人のつぶやきはお休みします




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コメント 6

orange

クリスマスはやはり静かな方がいいですね。
聖歌隊の澄んだ歌声がこの行事の意味を伝えているように
思います。映像のステンドグラスが綺麗ですね。
ビュッシュ•ド•ノエル…、今日も探しましたが価格と大きさ、希望のお味に添うものが見つからず><; 残念!

by orange (2010-12-25 21:19) 

carotte

orangeさん
日本で迎えるクリスマスは、正直に言うと、少し居心地の悪さがあります。クリスチャンでもないのになあ〜、なんて思わなくもない。かといって、このきれいでわくわくするようなお祭りをなくしてしまうとなると、なんとなく寂しい。毎年、この二つの感情を味わいつつ、シーズンを過ごしています。
よって、クリスマスは普通の生活になってしまいました。昔はケーキ食べたり、どこかへでかけたりしていたのですが、最近はなんとなくお祭りを眺めているというのが定番のポジションです。

by carotte (2010-12-26 00:34) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
お菓子についてもうすこし勉強しようと思い、「お菓子の由来物語」(猫井登・著)と「お菓子の歴史」(マグロンヌ・トゥーサン=サマ・著)を先週の日曜日から借りてきています。ブッシュ・ド・ノエルの由来については両書に記載がありますが、「お菓子の歴史」に ~この素晴らしいケーキが初めて作られた正確な年代はもはやわからないし、・・・略・・・ 成立年代は、1898年という説もあれば、1899年という説もあり、このようにあやふやなところが、伝説の伝説たるゆえんなのであろう。~ とあります。
ところで、この1週間は外食生活者の私にとって一年でもっとも地味な外食生活でした (クリスマスを祝うこともないので内食も地味です)が、明日から通常の外食生活に戻り、この1年間でよく利用したお店で食事をする予定です。
by wattana (2010-12-26 08:13) 

carotte

wattanaさん、こんにちは。
よくよく見ると、このケーキ、やぼったいですね。とてもエレガントとは言えません。なんとなく自然発生的に出来たケーキなんじゃないかなあなんて思います。クリスマスや季節に因んだものをべたべだ貼付けたところなんかは庶民の匂いがします。クリスマスのロールケーキというのが19世紀にはあったそうです。
クリスマスが終わると、華やかさも終わりますが、街が落ち着いた感じになってほっとします。まだ忘年会のシーズンが終わりきってませんが、お店もほっと一息なんじゃないでしょうか?
理由はよく分かりませんが、私などは、クリスマスもお正月も終わって、いつものサイクルに戻ると、なぜか安心します。
by carotte (2010-12-26 12:17) 

opas10

一週間で300万個も作るのですか!でもそれだけ売れるってことなんでしょうね。さすがフランス人の胃袋は大きい!?
by opas10 (2011-01-04 15:07) 

carotte

opas10さん
クリスマスの前から皆食べてるってことになりますね。
フランス人は甘いものが大好きなんでしょう。
by carotte (2011-01-04 23:14) 

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