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コート・ダジュールの城塞 その4 〜三角の城塞〜 [コート・ダジュール地方]

 シリーズの四回目は、少し珍しい形をした城塞です。

ムアン=サルトゥー城
(Château de Mouans-Sartoux)
Mouans Sartoux - Chateau 3
この写真だけでは普通の城塞に見えますが、空から見ると.........

Paris_AlpesM.jpg     
alpesm_mouan.jpg


 町の名がそのまま城の名前です。人口は約10,000人。葡萄とオリーブの栽培が長く町の産業を支えてきました。


 この城は16世紀(1504~1510)にジャン・ドゥ・グラース(Jean de Grasse)なる人物によって建てられました。そして1750年までグラース家のものでしたが、その後、いくつかの所有者を経て、1988年に町の所有になります。

 

 その間、宗教戦争当時は新教徒の砦になり、フランス革命時にはご多分に漏れず破壊の憂き目に遭います。

 

 二つの棟は1820年頃に建て直され、東西の2本の塔は19世紀も末になってから、ようやく再建されました。東側の塔は、20世紀中頃、短くされ屋根がのせられました。どの修復も建設当時の設計に従って行われたということですから、当初から三角の城塞だったようです。三角と言っても、棟は2つですからV字の矢じり型にも見えます。下記写真をクリックして番組をご覧ください。

 

mouanssartou.jpg


 現在ここは、世界的に知られる現代アートの施設になっています。見学者は中世を偲ばせる外観と中に展示されている現代アートのギャップを楽しんでいるようです。展示されているのは具体芸術(アール・コンクレ)と呼ばれる作品が中心です。さらに、アーティストの育成のための近代的な建物が敷地内にたてられ、さまざまな活動が行われています。

 

 また、城の敷地内にあるかつての厩舎には、この地方で使われていた昔の調度品などが展示されています。

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

「今日、夫のせいで新車がポストイットだらけに。ハンドルには『左/右』、各スウィッチの上には『ワイパー』『点灯』『音楽』、そしてシフトレバーの赤い三角マークのついているところには『危険、気をつけろ』というメモが貼ってあるんです」


VDM (Vie de merde)より


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コメント 4

orange

要塞の重厚さが感じられますね。
小規模ですが、堅固な感じがします。
車のポストイット。なんだか分かります。
覚えてしまえばなんてことはないのですが。
我が家の夫もワイパーの動かし方を知らないかも><;
by orange (2011-01-09 01:02) 

carotte

orangeさん
頑丈そうな城塞ですよね。

新車、位置が微妙に違ってたりして、突然、ワイパーが動き出したりする時あります ^^;
年齢を重ねるたびに適応能力に劣化が......。

by carotte (2011-01-09 10:23) 

yuzuhane

城塞が現代アートの施設になっているんですね。なんだか素敵ですね。
番組、ルシャトーとか、バチモンとか言ってるのだけわかりました。意味は全くわからないですが、聞いていると音がきれいですね。
by yuzuhane (2011-01-09 22:35) 

carotte

yuzuhaneさん、こんばんは。
フランス語の響きもお楽しみいただいてますね ^^
因にルシャトーは言うまでもなくお城、バチモンは建物です。
中世のお城はごてごてしてないせいか、現代アートでも違和感があまりないですね。
by carotte (2011-01-09 23:04) 

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