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がんばるフランスの中小製造業 その4 〜 靴 〜 [メイド・イン・フランス]

 シリーズの四回目は、靴です。

 

 靴の町として知られるドローム県ロマン=シュル=イゼールの工場を訪ねます。

 

Paris_Romans.jpg

 

chaussuresTV.jpg

 

 会社の名前はロール・バサル(LAURE BASSAL)。

 

 創業は1909年。パリとエスク・アン・プロヴァンスにお店があります。数々の危機を乗り越え、生き残って来た会社です。

 

 ロマン=シュル=イゼールに靴産業が根付き始めたのは1850年頃から。1914年には労働者は5,000人にも達し、労働組合運動のきっかけにもなったそうです。

 

 この産業のおかげで町は拡大を続けます。第一次世界大戦、大恐慌時代、第二次世界大戦をくぐり抜け、戦後、さらなる発展を遂げます。当時、世界のあちこちに店を作っていたシャルル・ジュルダン(日本ではシャルル・ジャルダンやシャルル・ジョルダンとも言われています)の影響が大きかったようです。

 

 しかし、オイルショックの影響か、1974年から衰退が始まります。製造の拠点が国内から海外へと移動し、多くの工場が閉鎖されます。その後の25年間で就労人口は4,000人から1,000人にまで減少します。その影響は革のなめし業にも及びました。現在では二軒を残すのみとなっているそうです。上記写真をクリックして番組をご覧下さい。

 

 ロール・バサルは、職人が手作業で、100%フランス製の靴を作るフランス最後の工場だそうです。一日に作る靴は50足ほど。すべて手作りです。買ったお客さんの靴の具合が悪くなることはほとんどありません。

 

 20年前から三代目が経営していますが、5、6歳の頃、よく工場にきていたそうです。毎年、30ほどの新しいデザインを制作します。そのために、あちこちのお店を回ったり、街角を歩く人たちの靴を研究することを忘れません。

 

 平均で一足250€とやや高めですが、お客さんは、高品質で履きやすいと言っていました。


 パリのお店はこちらです。


3 rue de Grenelle


******** フランス人のつぶやき *******

「今日、母が新しいブーツが欲しいというので買い物に付き合った。お店に入ったのが午後2時半、お店を出たのが午後6時半。しかも何も買わないで。念のため、父に相談してから買いたいのだそうだ」


VDM (Vie de merde)より



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コメント 2

orange

画像で紹介されているに靴は、今年日本で流行っている
デザインに似たものもありますね。女性が履いてみていた靴など
ちょっと気になりました。
手仕事が廃れていくのは寂しいことですね。ドイツでも"マイスター"
の後継者が少なく危惧されています。
あ、カバン、BREEへ修理のため持参しました。見積もりはまだです。
by orange (2011-01-29 21:16) 

carotte

orangeさん
女性がお店で試していた靴、私も気になりました。
250€はやや高めですが、職人さんの確かな腕で作られた物だとすれば、そう高い金額ではない気がします。
"マイスター"も後継者不足なんですか。修行が厳しいんですよね。その分、身につけた技術は確かなものですね。テレビでやっていたのを見たことがあります。
BREEのカバン、きれいになって戻ってきますね。修理代ってどのくらいなんでしょう? それに、しばらく時間もかかりますね。
by carotte (2011-01-29 21:44) 

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