ペルシュ地方 その5 〜 ラ・ペリエール 〜 [ペルシュ地方]
シリーズの最後は、前回登場したパン屋さんのある村ラ・ペリエールを訪ねます。
下記地図ののある所です。
村の人口は300人程度。中世の街並の残る美しい村を、この村に住んで84年になるジョルジュさんが案内してくれます。上記写真をクリックして番組をご覧下さい。
杖をつきながら歩いている後ろ姿のジョルジュさんの映像に大きく映っていたのが、ノートルダム・デュ・ロゼール教会。
もともとは城塞の中に作られた礼拝堂だったそうです。12世紀頃から増築・改築が繰り返し行われてきました。
美しい藤の花が咲いていた建物は、フランス国王フランソワ一世の姉であるマルグリット・ドゥ・ナヴァルの屋敷。
マルグリットは、アンリ四世の祖母にあたります。
アンリ四世は歴代のフランス国王の中でも一番の人気を誇ります。以前に当ブログで紹介したことのあるプール・オ・ポという料理の由来となった人物。
それはさておき、ラ・ペリエールの近くにはベレムの森(Forêt de Bellême)という広大な森が広がっています。ここは、パリからモン・サン=ミッシェルまでの長いハイキングコースの中に組み込まれています。
この広大な森を利用した林業は、ラ・ペリエールの産業の一つでした。
村には、かつて木靴や鉄道の枕木を作っていた工場が残っていますが、20年前に閉鎖されてしまい、今は人影もありません。
現在のラ・ペリエールには、パリからやって来た人たちが住み着いています。
100年戦争後に建てられたと言う昔の司教の住まい(Logis de l'Evêque)を買い取って修復している女性もしかり、古い建物(Maison d'Horbe)を修復してお店を開いている男性も同様です。
村の雰囲気は、ジョルジュさんの若い頃とは変わってしまいました。しかし、ジョジュルさんはこう言います。
「皆、またパリジャンかというけど、建物の修復にはお金がかかるんだよ。それに、村の本質が変わっているわけでもなく、むしろ、どんどん奇麗になってるんだからねえ。100才まで生きて村を見続けたいね」
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、公園の真ん中にあるベンチに腰掛け、のんびりと生い茂る木々を眺めていた。そこへ、男の子がよたよたと歩いて来たので、僕はその子ににっこり微笑みかけた。するとその子は、さらに近づくとしゃがみこみ、僕の足の間に落ちていた50€札を拾って行ってしまった」
VDM (Vie de merde)より
フジが見事に入口に咲いていましたね。お屋敷なんですね。
・・・最後に出てきたお店も、いい雰囲気でした。
素敵な森もあって、パリからやってきた人々がすみつく気持ちもわかりますね。
by yuzuhane (2011-02-18 23:36)
居心地がよさそうなカフェですね。
建物の雰囲気がこれまでのものと少し違うのも
地域の特色なのかなと思いました。
古い藤の木。花を咲かせると綺麗ですね。
by orange (2011-02-19 00:50)
yuzuhaneさん
藤はほんとにきれいでした。
この村はうまく現代に適合しているのかもしれません。パリからやってきた人たちは村をむりやり近代的にしているわけじゃなさそうですね。古い街並を壊すことなく、快適に暮らせるように工夫している感じです。一度行ってみたいなあなんて思ってます。
by carotte (2011-02-19 10:16)
orangeさん
建物はどれもペルシュ地方独特のスタイルだそうです。
Maison d'Horbeは、宿泊施設もあるようです。サロン・ド・テでは、ケーキやいろんな種類のお茶を出してくれるみたいですよ。ブルジョワ風のインテリアでしたが、あそこはどうも礼拝堂ではなかったかと思うと店の主人が言ってました。
by carotte (2011-02-19 10:28)
ジョルジュさん、頑固オヤジでもないけど時流に阿ることもなく飄々と自分のペースで生きていて、実にいい味出してますね。
by opas10 (2011-02-19 14:28)
opas10さん
なかなかの人物のようです。
やはり村の盛衰を見て来た人なんでしょうね。
昔は靴の修理をやっていたそうです。
by carotte (2011-02-19 19:12)