2011年パリで一番おいしいバゲット

　今年も「パリで一番おいしいバゲット」のコンクールが行われました。

 

 

　年に一度行われるこのコンクールは、1994年にあのシラク元大統領が始めたのだそうです。

 

　ここで優勝すると、その年の一年間は大統領官邸（エリゼ宮）にバゲットを納品することになります。

 

　コンクールはどんな風に行われるのでしょう？下記の写真をクリックして番組をご覧下さい。

 

 

　焼きたてのバゲットを持ってパリ中のパン屋さんが会場にかけつけ、長い列ができていました。

 

　エントリーしたパン屋さんには番号がつけられ、バゲットにはそれと同じ番号の帯が巻き付けられます。今年は174のパン屋さんがエントリーしました。

 

　バゲットの長さは55㎝〜70㎝、重さは240〜310gでなくてはなりません。それ以外はエントリーできません。そして、塩分が多すぎてもいけないし、添加物が含まれていてもダメ。

 

　まずは見た目に美味しそうな焼き上がりになっているかを審査します。

 

　次に、触ってみます。重要なのは、バゲットを切った時に出る音。そして、中は蜂の巣のようになっているのがいいそうです。

 

　そして香り。やや酸味があって、酵母の自然な香りがするのがいいとか。

 

　最後に試食。試食と言ってもかじる程度。焦げた小麦とクルミのような味がすれば合格。

 

　審査員の中には、去年優勝したボディアンさんがいました。（去年のブログ→こちら）優勝したおかげでお客さんが増えたそうです。

 

　パリ市の助役の女性が「大統領官邸に納品するということは、大統領だけではなく外国からのお客様にも食べていただくということになりますから、ほんとにおいしいバゲットでなくてはなりません」と言っていました

 

　こうして、厳しい審査を経て優勝したのが、アベス通りにあるパン屋さん“Au levain d'antan”(6 rue des Abbesses)です。

 

 

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＊＊＊＊＊＊＊＊　フランス人のつぶやき　＊＊＊＊＊＊＊

「今日、僕はどうしようもなく不器用な男です。なにしろあのバゲットで指を切ってしまったんですから......」

 

VDM (Vie de merde)より

タグ：バゲット パリのパン屋さん コンクール

コメント 8

日本にいてはなかなか美味しいパン（フランフパンもドイツパンも…）に
出くわすことが少ないです。本当におっしゃるような特徴を備えたパンなら一本、一人で食べてしまうくらいの勢いで頂いてしまえそうな気がします。ちょうどいい固さ、香り…大切ですよね。あと口の中で広がるホワンとした甘さが好きです。それに美味しいバターかオリーブオイル…う〜ん。
by orange (2011-05-06 17:29) 

orangeさん
おいしいパンというのは日本人とはちょっと違う感覚ですね。映像を見ているうちに、パンの香りが漂ってくるような錯覚に陥りました。^^;
あるフランス人は、病院の先生にバターを使うのを控えるように言われ以来、バターをたっぶり塗ったバゲットを、コーヒーに浸して思い切り食べたい！と言っていたそうです。
by carotte (2011-05-06 21:23) 

フランスパン大好きです！
だけど、フランスで美味しいとされるフランスパンと日本人が美味しい
と思うフランスパンは同じなのでしょうか？私は本場のフランスパンは
食べたことがないのですが、よくフランスに行く友人は、中も硬くて
巣が多いと聞いたことがあります。
個人的には、外はサクッと（パリッと？）で中はしっかりつまっていて
モチっとしていた方が好きなのですが…

by にょにょ (2011-05-07 07:46) 

にょにょさん
フランスと日本では少し違うような気がします。
最近は外国からいろんな種類のパンが入って来てるのでパンのイメージもだいぶ違って来ているとは思うのですが、日本人のパンのイメージは、ふわふわっとして柔らかいというのが基本のような気がするのです。
バゲットはその対極にあるようなパン。極端に言ってしまえば、ぱりっとした皮に身がちょっと付いているのを楽しむパンだと思うんですよ。
by carotte (2011-05-07 09:27) 

さすがフランス、国家の威信にかかわるバゲットの選定は公開審査！なんですね、これだとフェアですね。連休二日目にソムリエの知人の家で昼間からバゲットとチーズに鴨スモークで白ワインと日本酒をいただくという至高の時間を楽しみました。その時は自分が買っていった普通のバゲットでしたが（笑）。
by opas10 (2011-05-07 13:54) 

opas10さん
ふわあ〜、バゲットとチーズと鴨スモークと白ワインと日本酒ですか。いいですねえ〜。
このコンクールで優勝すれば商売が保証されるようなものですから、ダメ元でパリのパン屋さんがたくさん参加してくるみたいです。
それにしてもこのこだわりには頭が下がるというか、あきれますね。
by carotte (2011-05-07 16:02) 

carotte さん、おはようございます。
今年優勝した Au levain d'antan のバゲットを食べに、
日本からも多くのパン屋さんがパリへ行くのでしょうね。
２００７年６月にパリ・リヨンへ行った時、
パン屋さんの知人もメンバーの一人でしたが、
パン、ケーキばかり食べていました。
by wattana (2011-05-13 08:53) 

wattanaさん、おはようございます。
パンが専門の方はやはり行かない手はないですね。
パリジャンのこだわりが選んだバゲットですから、私も一度食べてみたいと思います。
でも、これだけのバゲットを味見したあとは、しばらくは見るのもいやになってしまったりしないのかなと余計な心配をしています。^^;


by carotte (2011-05-13 09:50)