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昔ながらのエコな製品 その1 〜 黒石けん 〜 [メイド・イン・フランス]

 日本で黒石けんと言えば、炭入り石けんですね。この石けんで洗顔するとお肌つるつるになるとか。温泉に行くと時々お部屋やお風呂場に置いてあります。

 

 この黒石けん、フランスでも昔から作られています。1900年創業という石鹸会社Marius Fabreの工場のある南仏サロン=ドゥ=プロヴァンス(Salon-de-Provence)を訪ねます。

 

 Paris_SalondePro.jpg

 

 フランスで黒石けん(savon noir)と言えば、炭入りではなく、アマの種から作られるアマニ油を使った石けんが一般的なようですが、Marius Fabreの工場では黒オリーブ油を使っています。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2009年9月30日放送)

 

savonnoirTV.jpg

 

 南仏の石けんと言えば、あの立方体のサヴォン=ドゥ=マルセイユを思い浮かべますが、このマルセイユの石けんにはオリーブ油を使うのが基本だったそうです。資源がたっぷりあったことを思えば当たり前ですね。

 

 黒オリーブ油は大鍋に貯蔵されています。この大鍋、1920年代にはフル稼働していましたが、時代の流れとともに使われなくなってしまいました。

 

 油はオリーブの種から作られるようです。そして黒っぽくなるのは、油に含まれるクロロフィルのせいだそうです。

 

 映像に登場した設備は19世紀末頃に作られたもの。昔は石炭を使っていましたが、現在は手直しして、ガスで蒸気を発生させて石けんを作っています。

 

 折からのエコロジー政策で見直され、今はわりに高級品のイメージがある黒石けんですが、かつての不況時代や戦時中には安価で手に入れることができたそうです。

 

 オリーブ油は豊富にあって、簡単に作ることができたそうですが、良質の石けんだったことに変わりはないそうです。

 

 ここの黒石けんはリキッドタイプ。鹸化にソーダではなくpotasse(炭酸カリウムと塩化カリウムの混合物)を使うと柔らかい又は液状の石けんになるそうです。

 

 ほとんど市場から消えかけていた黒石けんですが、がぜん注目を集め始めています。

 

 映像に登場したお料理の先生は、10年ほど前から使っているそうです。ぬるま湯にクルミの実大の黒石けん2つぶを入れよく溶かしてから使います。洋服についたシミを落とすには、石けんをそのままシミに塗り付けてから洗濯機にかけるのがいいそうです。

 

 この石けん、汚れ落としだけに使われるわけじゃなさそうです。最後に登場した男性は害虫の駆除に使っているそうです。

 

 ところで、お料理の先生がシャツの上に来ていたカーディガンのようなトップスの背中側に、なにやら日本語のカタカナのようなものが……。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、というか今朝、妹がクリスマスプレゼントにもらった石けんを使ってシャワーにかかった。僕は学校に着いて気がついた。あの石けんで洗うと、身体中にきらきら光るラメが残ることを」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 2

opas10

相変わらずヘンなところに目がいってしまうのですが(笑)、工場のシーンの終わりの方で、石鹸の堅さを見せようとするシーンがありましたが、なんだかそのへんで拾ってきたようなあまりキレイでない木の枝を突っ込んでいたのが妙に印象に残りました(笑)。料理の先生のトップスの背中側、たしかに日本語のカタカナがありましたね。それにしても文字が入っている場所がすっごい微妙な、ヘンな場所ですよね。
by opas10 (2011-07-03 11:27) 

carotte

opas10さん
そうなんですよ、小さな枯れ枝みたいなのでかき回してました。他にテレビ映りのいい適当なものはなかったんでしょうかね。
料理の先生のトップスの文字は、何度見てもなんて書いてあるか分かりませんでした。微妙な位置に書いてあります。デザインなんでしょうね。
by carotte (2011-07-03 17:55) 

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