ローカル線の小さな旅 その3 〜 トンネルを抜けるとカタルーニャ 〜 [ミディ=ピレネー地方]
シリーズの三回目は、スペインに向かってピレネー山脈を走るローカル線。アリエージュ県アクス=レ=テルムとラトゥール=ドゥ=カロルを結びます。
出発は、アクス=レ=テルムの駅から。
ここは、ウィンタースポーツのリゾート地として、また温泉地としても知られています。77度の温泉が出るそうです。
観光案内のサイトを見ると、「スキーを楽しんだら温泉へ」と書いてあります。なんだか日本のスキー場みたいですね。
この温泉が本格的に使われるようになったのが13世紀中頃のこと。温泉を利用した病院が建てられ、十字軍で負傷した兵士の治療を行ったとか。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年7月13日放送)
駅を出た列車は、時速50キロでのんびりと渓谷に沿って山を登って行きます。
最初の停車地はロピタレ=プレ=ランドール(L'Hospitalet-près-l'Andorre)。この村ができたのにはこんな謂れがありました。
ある騎士が、雪山の中で愛馬とともに遭難してしまいます。騎士は、もし助かれば、ここに病院か避難小屋を建てると誓います。愛馬の命と引き換えになんとか一晩をやり過ごした騎士は、翌朝、自力で下山し助かります。そして、約束通り、この地に小さな礼拝堂のついた避難小屋を作ったそうです。今でもこの礼拝堂を見ることができます。また、村の名前になっているHospitaletには「避難小屋」という意味があるそうです。
列車に乗っていたカップルはイギリス人。このロピタレで降りて、山登りに行くそうです。
また、フランス国鉄をリタイアした男性二人も乗っていました。現在は、この辺りをハイキングしたり美味しいものを食べたり悠々自適だそうです。うらやましい。
ほとんどの人がロピタレで降りて行きました。
ここは、あの小さな独立国家アンドラ公国のすぐそば。アンドラ公国は別名「税金天国」というそうで、タバコやアルコールは無税だそうです。
さて、がらがらになった列車はさらに旅を続けます。
ロピタレを出て間もなく、長いトンネルに入ります。その距離6キロ。トンネルを抜けるとカタルーニャの風景が広がっていました。
そしていよいよ終点のラトゥール=ドゥ=カロルに到着。
駅舎は1909年に建てられました。この村にはスペイン戦争時に50,000人ものスペイン人が避難してきたそうです。
村には受け入れるだけの施設がなかったため、人々はさらに北をめざし、長い時間待って順に列車に乗って行ったそうです。
ここからスペインへ向かう人は、フランス国鉄の列車からスペインの列車に乗り換えます。行き先はバルセロナだそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、駅でトイレに行きたくなった。駅のトイレはお金がかかるので、列車のトイレを拝借することにした。要をたしていると、突然列車が動き出した」
VDM (Vie de merde)より
イギリス人カップルの女性、ちゃんとフランス語をしゃべっていましたね。すごい!
by opas10 (2011-07-24 14:21)
opas10さん
フランス語上手でしたね。山の花を見に行くとか説明してましたよ。
by carotte (2011-07-24 16:52)