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特集カルカソンヌ [ラングドック=ルシヨン地方]
フランス南部のカルカソンヌ(Carcassonne)。こちらもフランス最大の観光地の一つです。
丘の上に建つ城塞都市は、列車の窓からも見えます。国鉄の駅から1キロほど歩けば、城壁が間近に見えてきます。
塔の数は52、城壁の周囲は3キロ。ヨーロッパ最大の要塞都市です。
ナルボネーズ門の跳ね橋から中に入ると、二重の城壁に囲まれていることが分かります。
TF1が取材に訪れたのは冬。観光客の姿はなく、住民たちが静かに暮らしていました。城壁の上に立てば、遠くに白い雪をかぶったピレネー山脈が見えます。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年7月23日放送)
この美しい城塞都市も、17世紀中頃から軍事的要所としての役割を失い、19世紀末には荒れ果てていました。
1853年から本格的に修復が始まり、この指揮を執ったのが建築家ヴィオレ=ル=デュク。
フランスでは1830年代に中世の建造物を修復する気運が高まり、ヴィオレ=ル=デュクも様々な建築物の修復を担当していました。有名なところでは、パリのノートルダム大聖堂やヴェーズレーのサント=マドレーヌ大聖堂も彼の手によるものです。
フランスでは城塞都市のことを「シテ」と言いますが、このシテで育ち、父親の経営するレストランで働いているジャン=フィリップさんが見せてくれたのは、ヴィオレ=ル=デュクが修復のために描いたスケッチです。下が修復前、上が修復後。番組には修復前の白黒の写真も登場しました。
すべての修復が完了するまでには70年かかったそうです。
かなり大胆な修復を行ったため多くの非難もありました。その典型的なのが塔に取り付けられたとんがり屋根。いかにもおとぎ話に登場しそうなこの屋根は、北部のスタイルで、この地域のものではなかったそうです。
シテの中にあるサン=ナゼール大聖堂には、オリジナルのまま残されているものがあります。それは、1266年に亡くなり、ここに埋葬されたラデュルフ司教の石棺。見事なレリーフが施されています。
城塞の中には家が120軒ほどありますが、住まいとして暮らしている人は約50人ほど。他は、観光地化されるに連れて商売を始める人々で徐々に埋まっていきました。
夕闇迫る城塞都市のお城の上には月がのぼり、地平線の上には夕焼けが広がっています。絵になりますね。
番組の中で流れていた音楽は、中世の頃の音楽を再現したものだそうです。
(「フランス人のつぶやき」はお休みします)
何と言ったのかわかりませんが、息子が2フランで縦笛を
シテで買ったことを思い出しました(笑)。小学校3年生くらいでした。
このタイムスリップしたような雰囲気。ドイツのローテンブルクもそうですが、こちらの方がより重厚な感じがします。
by orange (2011-07-28 00:09)
orangeさん、おはようございます。
中世の笛でしょうか?
私の方は、シテの中にあるホテルに宿泊したのですが、窓から通りを眺めて現代的なものをみつけては、やっぱりここは中世じゃないんだと確認してました。ヨーロッパにはこんな風にタイムスリップしたような場所がたくさんありますね。
by carotte (2011-07-28 08:16)
19世紀から修復!やはり歴史の重みというか、石造りの建物ならではですね。レリーフが見事でした。
by opas10 (2011-07-30 12:05)
opas10さん
日本はどうなのかなと思ってちょっと調べたところ、時を同じくして修復活動は始まっていたようです。でも、規模がフランスとは違っていたのかもしれません。
by carotte (2011-07-30 18:49)