アルザス・ワイン街道 その3 [フランスのワイン]
シリーズの三回目は、前回よりぐっと南下して、ゲベルシュヴィール(Gueberschwihr)(ドイツ語読みならゲーバーシュヴィア?)を訪ねます。(下記地図の緑印)
一面に広がるブドウ畑の中に慎ましく家々の屋根が並ぶ小さな集落。これが今日訪ねる村です。人口は800人ほど。
ワイン作りで繁栄してきた村は、ワイン農家とその見事な家屋で知られています。
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年8月31日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
教会の鐘楼は12世紀のもの。
村の中心街には1580~1625年に作られた建物が並んでいます。
当時、ワインで財をなしたワイン農家が建てた家屋です。この時代、ここで作られたワインは良く売れたそうです。特に北ヨーロッパで人気でした。
各家の玄関や扉には、独自の家紋のような看板が取り付けられています。
この看板を今でも作り続けているのがフランソワさん。
農業関係の会社でサラリーマンをやっていましたが、今は引退。木彫りは、特別にワイン農家から注文を受けて制作しています。
なんとアトリエはキッチン。となると、奥様がお料理を始めたら作業は中止???
木彫りは一度始めたら手間がかかるので、主に冬場行うとおっしゃっているようでした。
ワイン作りの他に村が力を入れているのが観光。
ワイン農家Vins d'Alsace Maurice Schuellerでは、自宅の一部をジット(田舎の家を宿泊施設にしたもの)に改修して観光客を受け入れています。
そして、ここなら施設の見学やワインの試飲もできます。
今日のTF1の取材班は、そのジットにお泊まりのご家族と一緒に施設を見学です。
立派な玄関には1608と掘られています。となると、1608年に建てられたということになります。
中に入ると淡いピンクの石の螺旋階段があります。これも1608年製。重い荷物を持って上り下りすることの多いワイン農家用に、踏み外したりしないように一段一段大きめに作られていているそうです。
ワイン蔵の大きな木製の扉は1609年製。それにふさわしいおおきな鍵で扉を開けて、蔵の中へと入って行きます。
大きな樽にアーチ型の天井。美しいですね。こちらは16世紀に作られたそうです。
シューラー家がアルザスでワイン作りを始めたのは17世紀。ご先祖はスイス人でした。一家がこの村に落ち着いたのは19世紀末。現在の家屋は20世紀になってから手に入れたそうです。
ここは観光客がワインを試飲するのにはもってこいの場所ですね。ここで作られるワインは4~5年は保存がきくそうです。
蔵だけでなくブドウ畑を見学することもできます。直接、栽培者と話をすれば、さらにワインが身近なものになります。
ここのブドウはミュスカ種。背丈がわりに高いですね。
今年は暑い日が続いたせいか、ブドウの熟すのが早く、早めに収穫する農家が多いようですが、ここはどうなんでしょう?
この日はまだまだでしたが、すでにミュスカ種の香りが出来つつあったようです。
ストリートビューは下記地図を拡大してお楽しみください。小さな村で大きな通りは2つです。おもちゃのようなかわいらしい家が並んでいます。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、うちの犬が番犬として役に立つかどうか試してみることにした。『どろぼう!』と私が叫ぶと、昼寝をしていた犬が飛び上がり、そのまま階段を転げ落ちて行った」
VDM (Vie de merde)より
なぜか建物の雰囲気を見て、懐かしさを感じるのは..
地名もほとんどドイツ語ですね。ueは基本的にはüの音なので
日本語のユよりも口角を左右に引き気味にして発音するウーウムラウト
の音です。でもどんな意味なんでしょうね。グューバーシュヴィァ
教会の建物は古いですね。
by orange (2011-09-05 01:25)
orangeさん、おはようございます。
西洋の昔話の挿絵にこのような雰囲気の建物が登場したような.....。
仏語の場合は頭のgueは普通はグなんですが、ゲに聞こえるんですよねえ。日本で売られるワインが「ゲ」になってますし、ゲにしてみました。wikipediaによると村の名前の由来はドイツ語のGebelから来ているのではないか?と書いてありました。
by carotte (2011-09-05 09:37)