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ボルドー メドック・ワイン街道 その1 [フランスのワイン]

 今日から、メドック・ワイン街道を5回シリーズで辿ります。

 

 メドックと言えば、ボルドーワインのグラン・クリュ(grand cru)(最上級ワイン)を生み出すワイン農家の集中する地域ですが、この街道、別名シャトー街道とも言われています。

 

 シャトーと言ってもここのシャトーはお城というわけではありません。ボルドーではワインを作るワイン農家、言ってみれば蔵元を意味します。因に、ブルゴーニュでは蔵元のことをドメーヌ(domaine)と呼びます。そう言えばアルザスでもドメーヌを使っていましたよね。


Paris_Medoc.jpg



より大きな地図で メドック・ワイン街道 を表示

 メドック・ワイン街道は、南はブランクフォール(Glanquefort)(上記地図の青いピン)から始まり、北端はサン=ヴィヴィアン=ドゥ=メドック(Saint-Vivient-de-Médoc)(赤いピン)まで続いています。県道2号線に沿って車を走らせれば、その村々を訪ねることができます。

 

 第一回目の今日は、マルゴー(Margaux)です。(上記地図の青印)

 

 人口は1,500人ほど。産業の中心はもちろんワイン生産。あのシャトー=マルゴーはここにあります。


 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月5日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 車でやってきたのはスイスからの観光客。あちこちシャトーを見て回っているようです。

 家族でバカンスをすごしにやってきたのはシャルロットさん。シャトー・マルゴーの前まで来ましたが、前もって予約しておかないと中には入れません。今日は鉄の門の間から覗くだけ。

「風と共に去りぬのスカーレットの家みたいだわ」とおっしゃっていました。

 グラン・クリュ クラスのシャトーが21あると言う格式の高そうな地域から少し南に下ったマコー(Macau)という村には、もう少し庶民的な生産者がいます。

 収穫と仕込みの時期を直前に控えたChâteau Mille Roses。マルゴーに10ヘクタールのブドウ園があり、そこから収穫したブドウでワインを作っています。

 小さい子供たちとお母さんが、ぶどうジュースを作っていました。

 お父さんの方は蔵でお仕事。樽の中のワインが、寝かせているうちに蒸発したり樽にしみ込んで空洞が出来たところに、ワインを足す作業をしています。

 周りに有名はシャトーがたくさんあるので興味を持ってやってくる人たちがいて助かっているそうです。そして、ここは小さなシャトーですが、負けないくらい良いワインを作っているとか。

 さて、次はもう一度北上し、マルゴーから北へ7キロほどのところアルサン(Arcins)村へ。ここに、地元の人にも観光客にも人気のレストランLion d'Orがあります。

 ちょっと古いですが2006年版の赤のミシュランガイドによると、スプーンとフォークのマークが一つ、さらにタイヤマンが舌を出した赤い顔のマークがついているので、リーズナブルな値段で美味しいものが食べられるということのようです。

 お店はこぎれいで気取らない雰囲気。メドックのど真ん中にあるお店ですから、極上のワインや、そのワインに合いそうなお料理も味わえそうです。

 一番安い定食が12.8ユーロ(飲み物代別、前菜、メイン、デザート付き)。

 主に伝統料理を出しているそうです。シェフの話では、マルゴーは交通の便はあまりよくないので、常連のお客さんを増やすようにしているとか。

 因に、メドックワインに合うのは、牛のあばら肉のロースト、ポイヤック産の子羊料理など。チーズなら、オーベルニュのブルーチーズ、熟成させたカンタルチーズなど、深い味わいのチーズが合うそうです。

 ストリートビューは下記の地図を大きくしてお楽しみください。


より大きな地図で マルゴー を表示

 最後に、映像には登場しませんでしたが、マルゴーにはこんな名物チョコレートを作るチョコレート屋さんMademoiselle de Margauxもあります。メドックのブドウの小枝を模したチョコレートです。
Sarmentchoco2.jpg
「メドックのブドウの小枝」
Sarment du Médoc




******** フランス人のつぶやき *******


「今日、子供たちのために家の中にチョコレートを隠し、一緒にこんなメモもつけておいた。『みつかっちゃった!これ、食べて良いよ!』すると、しばらくして家政婦さんが言った。『おいしいチョコレートをこんなにたくさんいただいて、ありがとうございます』」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 7

opas10

シャトー・マルゴーは流石にそう簡単には入れてくれないんですね。自分もまだ2~3回くらいしか呑んだことが無くて、味を云々するほど舌に馴染んでないです。
by opas10 (2011-09-11 16:39) 

carotte

opas10さん
残念ながら私はまだシャトー・マルゴーは飲んだことがありません。一度飲んでみたいものです。でも、ワインというのは一度にいろいろ飲んでみないと違いが分からないですね。なかなかそんなチャンスはないのでして.....。
by carotte (2011-09-11 20:19) 

orange

平坦地に広がるワイン畑。圧巻ですね。
堆積層でしょうから、地味もよくてよいお味なんでしょうね。
海の近くの果実は甘さがひと際、ですがワインの葡萄もそうなのでしょうね。色々なミネラル分がそうさせるのでしょうね。
プラタナスの並木が涼しげですね。南仏でもこんな光景をよく見ました。
by orange (2011-09-11 21:16) 

carotte

orangeさん
この辺りは河口で、ガロンヌ川などが運んで来た土が堆積しているため、わりに地層が厚いそうです。ブドウを育てるには良い土地なのでしょうね。ここいら一帯は行けども行けどもブドウ畑が広がっています。
by carotte (2011-09-12 08:15) 

wattana

carotte さん、アルサンのレストラン、Lion d'Or の定食は€12.80からあるのですか?ユーロ安なので、以前に比べ、割安感があります。ユーロ円の換算レートが170円近くになったことがありますが、その頃はフランスのものがすべて高いと思いました (特にパリのホテル代)。
by wattana (2011-09-17 17:20) 

carotte

wattanaさん
3年ほど前が170円くらい行ってたと思います。当時からユーロはちょっと高過ぎると言われてましたね。107円くらいでちょうどいいような気がしますが、急激に安くなりすぎて危ないですね。
Lion d'Orは自身のサイトはどうもないみたいですが、ゴー・ミヨーのサイトに出ていました。恐らくランチの定食ではないかと思います。
by carotte (2011-09-17 18:22) 

志望動機の書き方

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 志望動機の書き方 (2013-05-15 12:30) 

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