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ボルドー メドック・ワイン街道 その3 [フランスのワイン]

 シリーズの三回目は、また県道2号線沿いに戻ります。

 

 ジロンド河口を右手に見ながら北上すると、今日の訪問先、サン=ジュリアン=ベイシュヴェル(Saint-Julien-Beychevelle)が見えてきます。

 

 世界的に知られるサン=ジュリアンというAOC付きワインの生産地です。こちらもグラン・クリュ級のシャトーが集まっています。(下記地図の緑印)


Paris_Medoc.jpg


より大きな地図で メドック・ワイン街道 を表示


 人口は約700人。ここのお宝は、敷地面積250ヘクタール、このうちブドウ園が90ヘクタールという堂々たるシャトーChâteau Beychevelleです。


 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年9月7日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 ベルサイユ宮殿の小型版のような豪華な建築と庭。

 それもそのはず。ここは、17世紀初頭、当時のフランス国王アンリ三世が所有するシャトーだったのです。

 その頃、ジロンド河口を行く帆船がこの前を通る時は、王に敬意を払って、すべての帆を下ろさなくてはならなかったそうです。

 そのため、この地域は、フランス語の「帆を下ろす」という意味のベス・ヴォワル(baisse voile)という名前で呼ばれていました。それがいまの村の名前ベイシュヴェルの起源になったそうです。

 1565年に建てられたシャトーは、その後ブラジエ侯爵の所有となり、1757年に改築されます。

 1890年から代々アシル=フル家に継承されてきたシャトーは、1986年、フランスの保険会社GMFと、なんのあのサントリーによって買い取られます。

 1986年と言えばバブルまっさかりの時期?

 そして現在の所有者は、フランスのドリンク製造販売会社カステル・グループ。

 シャトーは最近になって建設当時のスタイルに修復され、ボルドーでも最も美しいシャトーの一つといわれています。

 毎年15,000人の観光客が訪れます。「良く知らないけど、この宮殿みたいな建物は見逃せないと思って見に来ました」と、この日の観光客は言っていました。

 さて、このシャトーと道路を隔てた向かい側には、Château Branaire-Ducruがあります。もちろんこちらもワインを生産するシャトーです。

 建物は19世紀のもの。現在の所有者パトリックさんはここに住んでいるそうです。

 所有者が住むのはメドックでは珍しいとナレーションで言っていますが、これまで見て来たシャトーはあんなにりっぱなのに、住んでないものの方が多いということになりますね。なんだかもったいない。

「ここを見学にきた中国人が、私がここに住んでいると聞いて感心していました」とパトリックさん。おフランスの夢の生活みたいに見えたのかもしれません。

 この村では、毎年夏の終わりに、シャトーで働く人たちが集まって綱引き大会が開催されます。

 かつてここにはバスク地方から労働者がやって来たそうです。その時、このバスク地方のスポーツが根付いたのだとか。

 試合はシャトー対シャトーのトーナメント形式。今年は28組が参加したそうです。

 ストリートビューは下記地図を拡大してお楽しみください。


より大きな地図で サン=ジュリアン=ベイシュヴェル を表示






******** フランス人のつぶやき *******


「今日、サッカーのトーナメント試合があるので私がビールを買うことになった。でも、妊娠中の女が10パックのビールをスーパーで買い込んでいるところを想像してみて下さい。間違いなく白い目で見られます」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

yuzuhane

本当に宮殿みたいなシャトーですね。びっくりです。思わず柱に登って写真撮ってる方の気持ちがわかりました。前シリーズのアルザスのきりりとした白もいいですが、赤ワインはボルドーですよね。娘がバイトで知り合ったマルゴー村のシャネルが買い取ったシャトーの方が来たら案内すると言ってくれたみたいでボルドー行き考えているみたいですが、ついて行って赤ワイン本場で試飲してみたいです。
by yuzuhane (2011-09-14 09:26) 

carotte

yuzuhaneさん
ワイン作りの拠点にこれだけの規模の建物を造ってしまうというのは、やはりワイン産業が栄えていたことの証明ですよね。マルゴー村につながる知り合い、いいですね〜。私はボルドーまでは行ったのですが、シャトーにはまだ行ったことがありません。やはり赤ワインならこの地域ですよね。私もぜひ一度行って、美味しい赤ワインをあれこれ試飲してみたいです。^^
by carotte (2011-09-14 10:10) 

orange

起伏の多いフランスの風景をイメージしていますが、
こんな風景も素敵ですね。
広々とした風景を見ながら暮らすこの辺りの人は、気質もやはり
北西部の人とは異なるのでしょうか?
う〜ん。味見をしたくなってきました。
by orange (2011-09-14 17:10) 

carotte

orangeさん
この辺りはわりに平坦ですね。
北西部とこちらとでは町の雰囲気がだいぶ違ってますね。そうなるとやはり気質も違って来るかもしれません。山側と海側ですし。北西部の方がどことなく素朴な感じがします。
映像を見ていると、やっぱりシャトー巡りしてみたくなりますねえ。
by carotte (2011-09-14 21:26) 

opas10

こりゃあ確かに、みなさん気になるはずですよね。サン=ジュリアンも残念ながら未体験のワインです。メドック街道、試飲して回りたいものです!
by opas10 (2011-09-18 17:46) 

carotte

opas10さん
サン=ジュリアンは一度飲んだことがあるような気がするのですが、どんな味だったのか記憶のかなたです ^^;
こんなりっぱな建物があるなんて驚きですねえ。あちこち試飲した後はかなりハイになりそうな気がします。
by carotte (2011-09-18 21:14) 

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