味覚週間2011 その4 〜パイ皮包みのジャガイモのパテ〜 [フランスの郷土料理]
シリーズの四回目は、リムザン地方の料理パイ皮包みのジャガイモのパテ。
作ってくれるのは、フランス中部オート=ヴィエンヌ県クゼークスに住むジャクリーヌさん。
クゼークスの人口は約8000人。リモージュ焼で知られるリモージュから北へ7キロほどいったところにあります。
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年10月20日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
これは田舎の素朴な料理で、豪華な食材を使うわけではありません。
パイ生地に、ジャガイモ、エシャロット、生クリーム(乳脂肪分多め)、塩・コショウ。
ジャガイモの皮をむきスライスし、パイ生地の上に円形に並べ、塩・コショウします。コショウは多めに。
そこに、刻んだエシャロットと生クリームをのせ、パイ生地でフタをしたら、180度のオーブンで1時間半かけて焼き上げます。
その間にジャクリーヌさんは肉屋へ。
この料理と一緒に食べるハムやソーセージを手に入れるためです。
帰宅すると、パイがこんがりと焼き上がっていました。皆さんテーブルでお待ちかね。
ジャクリーヌさんのご主人はノルマンディ出身。当然ながら生クリームを使った料理はよく食べるそうで、生クリームにジャガイモは珍しくありません。
ただ、でんぷん質のジャガイモを、同じくでんぷん質のパイで包んだ料理に最初は戸惑ったそうです。
そのせいか、中に豚肉や牛肉を入れたりする変形型があるそうです。なんとなく、その手のタンパク質を食べたくなるのは分かる気がします。
また、この料理、リムザン地方のお隣にあるブルボネー地方の郷土料理でもあります。
1990年の第一回「味覚週間」開催に尽力した料理評論家ジャン=リュック・プティルノー氏のおばあさんがブルボネー地方の方で、氏が小さい頃、よく作ってくれたそうです。
ここには、あのコンフレリー、つまり愛好協会があり、サイトをみるとレシピが掲載されています。
今回のとはまたちょっと作り方が違っています。
パイ生地にジャガイモをのせ、塩・コショウするところまでは同じなのですが、生クリームは入れないままパイ生地でフタをし、真ん中に直径5センチほどの穴を開け(この穴のことを「煙突」と呼ぶのだそうです)、オーブンで焼きます。
焼き上がったところで、真ん中の「煙突」からクリームを注ぎ入れ、まんべんなくジャガイモ全体にいきわたったらできあがり。
こちらもおいしそうですね。プティルノー氏の好物だそうです。
因みに、お供のワインは、白ならReuilly、赤ならSancerreがいいそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、右のお尻をやけどしてしまいました。なにしろ、オーブンから出て来たばかりのタルトの上にしりもちをついってしまったもんですから……」
VDM (Vie de merde)より
carotte さん、フランス料理にはやはり、ジャガイモですね。
by wattana (2011-10-30 07:50)
wattanaさん
ヨーロッパのジャガイモは日本のより美味しい気がします。フランスにいる時は、なにかといえばジャガイモを付け合わせにして食べてました。
by carotte (2011-10-30 10:44)
日本人は、お好み焼き+ごはんのような「炭水化物+炭水化物」が大好きなように、フランス人は「でんぷん質+でんぷん質」が好きなんでしょうか(笑)。ジャクリーヌさんのお宅で、きれいな青色の壺がわざわざ不安定なスチームの上に置かれていたのがなぜかとても気になりました(笑)。
by opas10 (2011-10-30 12:15)
opas10さん
こういうのは手っ取り早くお腹が膨れますね。やはりお金持ちの料理ではないそうですよ。そういえば、関西ではご飯がおかずでお好み焼きを食べるとかいう話を聞いたような.......。とても恐ろしくてそんなことは私にはできません ^^;
確かに壷は気になりますね。^^ テーブルを片付ける時にひょいっと置きっぱなしにしちゃったのかも。
by carotte (2011-10-30 20:16)