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ブルゴーニュ地方の小さな村 その2 〜ポマール〜 [フランスのワイン]

 シリーズの二回目は、ジュヴレー=シャンベルタンからブドウ畑の中を30キロほど南下して、ポマール(Pommard)を訪ねます。(下記地図の赤印)

Paris_CotedOr2.jpg

より大きな地図で ブルゴーニュ地方の小さな村 を表示 

 

 村の人口は550人ほど。ここのワインは、フランス王アンリ四世や文豪ビクトル・ユーゴに愛されたそうです。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2009年9月29日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 ワイン農家Domaine Dominique Lahayeを経営しているブノワさんは若干26歳。2006年に父親から経営を引き継いたばかりですが、そのワイン作りはすでに高い評価を受けています。
 
 最初は料理人になるつもりだったブノワさん、それを断念してワイン作りに専念することにしたのだそうです。
 
 「ブドウを植えて、芽が出たら手入れを怠らない。子供を育てるのと同じようなものですよ」とおっしゃっていました。
 
 ブドウ畑の中に見えていたりっぱな建物はシャトー・ドゥ・ポマール。
 
 そして、村には1870年に開業したという老舗の肉屋Moronがあります。
 
 代々モロン家によって営まれてきました。現在は5代目にあたります。
 
 肉、ハム・ソーセージ、お惣菜の販売に加えて、料理の仕出しもするようです。
 
 エスカルゴ、ジャンボン・ペルシエ(ハムとパセリ入りゼリー寄せ)、ウーフ・アン・ムレット(ムレットソースのポーチドエッグ)(料理の詳細は過去記事を→こちら)などブルゴーニュ地方の郷土料理をテイクアウトできます。
 
 「いいものを提供する、それをずっと心がけています」と5代目にあたるイザベルさん。
 
 沢山のお客さんでにぎわっているのは、レストランRestaurant le Pommardのはす向かいにあるレストラン付きホテルの一階のバー。
 
 ブドウの収穫と仕込みの時期になると、季節労働者や地元の人、お金持ちやそうでない人もここに集い、楽しい時間をすごすのだとか。
 
 そして最後は、ブドウ畑の中に見えていたシャトー・ドゥ・ポマール(Château de Pommard)。
 
 ここのカーヴに案内してくれたのが所有者の実業家モーリス・ジローさん。2003年にこのドメーヌを手に入れました。
 
 60歳になった今、ワイン作りを学んでいる真っ最中だそうです。
 
 シャトーは1726年にワイン作りのために建設されました。そしてワイン好きだったナポレオンがたびたびここに宿泊したこともあったそうです。
 
 モーリスさんが所有者になってから建物全体が修復されました。そしてダリの作品の収集家でもあったモーリスさんは、ここでそのコレクションを公開しているそうです。
 
 シャトーを訪れた人の数も30,000人に達したとか。
 
 私が20年ほど前に訪ねた時は、有数のワインの産地とは思えないくらいひっそりと静まり返った村という印象だったのですが、その後、いろいろ開発が進んで、だいぶ賑やかになったようです。
 
 
  
 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、家の庭で大きな肉切り包丁を発見。奇妙だなと思い母に問いただすと、母が言った。『あんたの父親の頭に突き刺すより、庭に放り投げる方がいいと思ったのよ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 8

yuzuhane

ブルゴーニュ地方というとシャブリとエスカルゴくらいしか思い浮かばないので、興味深く拝見しています。フランスを理解するにはワインとは切り離せないですね。有名観光地に行くだけでなく、こうしたワイン産地を重点的に訪ねる旅もいいのかもしれないと感じます。前回の動画のように畑でブドウに触ったり試飲したりといった体験も貴重ですね。
by yuzuhane (2011-11-04 22:19) 

orange

ご紹介される映像を見ていつも思うのですが、
小さな規模の町での暮らしになぜか豊かさを感じます。
別にかっこいい建物がなくても、分秒刻みで行き交う交通機関がなくても。
人々はたぶん幸せになれるんだろうなって。
そんな気持ちになれる村の風景ですね。
by orange (2011-11-05 00:15) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
ポマールって人口550人程度の村なのですね。肉屋Moron の冷蔵庫の中に豚の枝肉が見えました。日本の肉屋も昔は、枝肉を買って自店で脱骨・整形をしていたところがかなりありましたが、今は脱骨整形済の部分肉 (ロース、バラなど)を仕入れる肉屋がほとんどだと思います。そういえば、ショーケースの中にはブーダンノワールらしきものが見えました。
by wattana (2011-11-05 08:00) 

carotte

yuzuhaneさん、おはようございます。
フランスのブドウ畑を実際に初めて見たのがブルゴーニュ地方でした。見渡す限りブドウ畑が広がっている風景には感動しました。これだけの土地を使って、あのブドウの実からワインを作るなんて贅沢ですねえ〜。
このあたりは小さな村が3〜5キロおきにぽつぽつとあって、のんびりと見て回る旅も悪くないんじゃないかなと思います。
by carotte (2011-11-05 10:06) 

carotte

orangeさん、おはようございます。
私もフランスの田舎の暮らしぶりは豊かだなと思います。誰も贅沢なことをしているわけじゃないのに、どこかしら豊かな感じがする。不思議ですね。過疎の問題がないわけじゃないのですが、日本とはだいぶ違うなと思います。どうなるとこうなるんでしょう???
by carotte (2011-11-05 10:11) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
小さな村です。村の真ん中を通っている道を歩くと10分もしないうちに村の外にでてしまうくらい小さい村です。
フランスの肉屋さんも職人の中に入りそうですね。日本の場合、買う方が細かく部位こだわらないということも要因の一つかもしれませんね。私の住んでる町からは肉屋が消えてしまいました。もっぱらスーパーのパック入りお肉です。
by carotte (2011-11-05 10:20) 

opas10

あの広大な葡萄畑で、ひと房づつ手で収穫することを考えると気が遠くなってきます。だからこそ、収穫の時期には、ホテルが季節労働者でにぎわうんでしょうね。一見生産性が低いようですが、そうやって雇用の仕組みが残されているところがフランスの強さなのかもしれませんね。
by opas10 (2011-11-05 14:18) 

carotte

opas10さん
ブドウは実の状況を見て穫るか穫らないか判断するので、どうしても人の手でないとダメなようです。その判断はそれほど難しいものではないらしく、突然やってきた季節労働者でも大丈夫らしい。
人の手が入ることで質が良くなるということに敏感なんですよね。そうなると、人間がそこで働ける可能性が出て来る。さらに、雇う方は生産性を考える、雇われる方は労働条件を考える、そんな感じでしょうか。
by carotte (2011-11-06 09:52) 

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