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リムザン地方の料理 その1 〜リムザン牛〜 [フランスの郷土料理]

 今日から、リムザン地方の料理シリーズを始めます。

 

 5回シリーズで、下記地図の青→赤→緑→黄→紫の順に訊ねます。

 

 第一回目の今日は、クルーズ県のラ・クルティーヌにあるホテル/レストランAu Petit Breuil(下記地図の青印)のシェフが、子牛の料理を作ってくれます。

 Paris_Limousin.jpg


より大きな地図で リムザン地方のグルメ を表示

 

 リムザン地方と言えば、牛。

 

 この地方原産のリムザン牛は、18世紀末には絶滅の危機にあったそうですが、努力の甲斐あって、今では住民の数より牛の数が多いとも言われています。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月7日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 秋の日に照らされた茶色の牛が美しいですね。それにご機嫌だったのか、喉を鳴らしていました。
 
 「冬は寒く、夏は暑いというこの地域の気候が、赤くて味のある肉の牛を育てるのです」とシェフのアランさん。
 
 アランさんは、1903年創業から5代に渡って続いて来たホテル/レストランAu Petit Breuilのシェフです。
 
 柔らかいフィレ肉、軽くパセリをふったロースあばら肉など、この地方のレストランのメニューには牛肉の料理がずらりと並んでいます。
 
 本日、アランさんが作ってくれるのはFilet mignon de veau aux pommesという子牛のフィレ肉を使った料理。
 
 材料は、子牛のフィレ肉、地元産のりんご、季節の野菜(ズッキーニ、茄子、トマト、紫玉ねぎ)、ビール(リムザン地方のミルヴァッシェ高原産ビール)。
 
 まず、フィレ肉と野菜をスライス、りんごは切れ目を入れます。
 
 肉の両面をそれぞれ3分ほどかけてかりっとするくらいに焼き、弱火で中がピンク色になるくらいに火を通したらフライパンから取り出します。
 
 次はソース作り。肉を取り出したフライパンにビールを注ぎ、フライパンに付いた肉の焼き汁を溶かし出します。そこにフォンドヴォーを少々加えたらソースの出来上がりですが、アランさんはここに松の実を加え、個性のあるソースに仕上げます。
 
 野菜は柔らかくなりすぎないように両面をさっと炒め、ミルフイユ状に積み重ねます。
 
 リンゴは詳しい解説がありませんが、お皿にのっているリンゴをみると、表面が焦げているのでフライパンがオーブンで焼くようです。
 
 「これこそ食べる喜びですよ」「牛によって肉の味が違いますから、そのたびに違う味が楽しめます」とお客さま方。
 
 厨房ではアランさんがこんなことをおっしゃっていました。
 
「作っていると食べたくなってしまいますが、我慢してます。これはお客さんのために作っている料理ですからね」
 
 レストランのその他の料理は、子牛の胸腺(リ・ドゥ・ヴォー)、フォワグラのテリーヌ、地元産ハムの盛り合わせなど。
 
 お昼の定食は18〜44ユーロ。もう20年も前から人気のメニューだそうです。
 
 さてデザートは、フランボワーズのミルフイユ、クルミ付きスフレのアイスクリーム仕立て、クレームキャラメル、チョコレートムース。
 
 グルメの番組ではいつもデザートで締めですが、ペルノーさん、ため息ついてました。

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、お昼を祖父母の家で食べた。食後にビスケットを一箱ぺろっと食べてしまった。ゴミ箱に捨てる前にパッケージをちらっと見たら、値段がフランだった」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

wattana

carotte さん、おはようございます。
日本では霜降牛肉の人気が高く、霜降(ロースなどの筋肉に脂肪が入る)になりやすい黒毛和種 (黒毛和牛)の評価が高いようですが、赤身率の高い(=ヘルシー)褐毛和種、日本短角種の人気が最近、上ってきているようです。http://www.nbafa.or.jp/mame/syurui_katsu.html
リムザン牛 (リムジン牛)は、日本ではなじみが少ない牛種です。私は、1980年代後半にアメリカへ牧場、生体市場、食肉工場などの視察に行った時にリムザン牛のことを知りました。 高齢社会の日本においては今後、赤身率の高い (脂肪が少ない)牛の需要がさらに増えるのではないでしょうか。
by wattana (2011-11-11 06:26) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
昨日、テレビで赤牛(?)をPRしているCMが流れているのを見て、リムザン牛にそっくりだなと思ってしまいました。茶色の牛でした。和牛のようですから恐らく別種ですね。サイトを拝見するとやはり東洋の牛のようです。フランスはリムザン牛はかなりのシェアを占めるようです。あちらは赤身の肉が好まれますね。
by carotte (2011-11-11 09:26) 

島酔潜人

最近、歳のせいか、霜降りよりも赤身の方が好きになってきました。
東北や北海道で飼っている短角牛は、赤身が美味しい肉でした。
by 島酔潜人 (2011-11-11 16:44) 

carotte

島酔潜人さん、こんばんは。
脂身は気になりますよねえ。大きいのが付いてたりすると切り外して食べてます。赤身の肉がこれからどんどんお店に出てきそうですね。
by carotte (2011-11-11 20:21) 

opas10

原発大国のフランスとは言え、牛の後ろで風力発電の大きなブレードが回っていましたね。デザートのイチゴが宝石みたいにキラキラ光ってました。キャスター氏ならずとも溜め息です。プディングがすっごく美味しそう・・。
by opas10 (2011-11-13 22:54) 

carotte

opas10さん
そうなんですよ、背景に大きいのが何本が回っていて、ああ、こんなところでも風力発電やってるんだと思いました。
あの定番の回転テーブルにのったデザート。誰が見ても食べたくなりますよねえ〜。
by carotte (2011-11-14 09:41) 

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