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ドンブ地方の小さな旅 その1 〜無数の池〜 [ローヌ=アルプ地方]

 今日から、ドンブ地方の小さな旅シリーズを始めます。

 

 あまり聞き慣れない名前ですが、フランス東部アン県の西部一帯がドンブ地方と呼ばれています。

 

 今回は3回のミニシリーズです。下記地図の三カ所を、青→赤→緑の順に訊ねます。

 Paris_Dombes.jpg

より大きな地図で ドンブ地方の小さな旅 を表示
 

 この地方の特徴は、池。

 

 地図で見ても分かるようにものすごい数の池があります。30キロ圏内に1,400以上はあるとか。

 

 11世紀頃、魚を育てるために初めて僧侶が掘った時から、人の手によって池作りが進められてきました。

 

 第一回目の今日は、この池に囲まれた村の一つヴィラール=レ=ドンブ(Villars-les-Dombes)を訊ねます(上記地図の青印)。美しい秋の風景をお楽しみください。

 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月7日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 この池のおかげで、この地域には様々な動植物が命を営んできました。
 
 特に、ここに集まる鳥の種類は250種類にも及ぶそうです。
 
 鳥類学者のモーリスさんが、普段カメラの入ったことのない場所に連れて行ってくれました。
 
 これらの池にはそれぞれ所有者がおり、その数は全部で300人ほど。
 
 中には先祖代々引き継がれてきた池もあり、その所有者の一人がエリオン・ドゥ・ヴィルヌヴさんです。
 
 所有しているのはヴィラール=レ=ドンブから北西へ5キロほどいったところにある池。ここには元領主の住まいだったブリニュウー城(Chateau de Bouligneu)があります。
 
 お城は14世紀に建てられ、17世紀初頭に改築されました。ドンブ地方の城塞の典型的なスタイルだそうです。
 
 案内してくれたのは、城の中に作られた17世紀頃の礼拝堂。修復により、昔をしのばせる状態にまでこぎつけました。
 
 池に面して建つ赤いレンガ作りのお城の姿が、秋の風景の中に溶け込んでいました。
 
 さて、シーズンになるとこの一帯には20,000人もの人々が狩りを楽しみにやってくるそうです。ここでは長靴が欠かせません。
 
 そして、ドンブ地方はフランス最大の魚の生産地です。生産者の数は300ほど。
 
 代表的な魚は、パイク(カワカマス)、ザンダー、コイ。
 
 村人たちは、四季ごとに姿を変える池の風景とともに生活してきたそうです。
 
 池では毎年漁が行われ、3年ごとに水が抜かれ穀物が植えられるそうです。このシステム、もう1000年も前から続けられているそうです。
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、昼休みにサンドイッチを食べようと公園の池まででかけた。目の前にいた白鳥にパンをひとかけやろうとしたら、ひどく噛み付かれてしまった。恐ろしや」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 6

orange

以外です。
フランスにこのような地域があるとは…。それも内陸部に。
上空からの映像を見て「?水田??」と思ってしまいました。
淡水魚ですね。水鳥もたくさんいるようですが。
独特な地域ですね。
by orange (2011-11-15 22:15) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
フランス料理店で、ドンブ産のウズラを使った料理がでてくることがあります。ドンブ=ウズラというイメージだけを持っていました。ドンブがどこにあるのか調べもしなかったのですが、リヨンの北側にあるのですね。それも、こんなに池が多いとは。
by wattana (2011-11-16 04:22) 

carotte

orangeさん、おはようございます。
上から見るとレースのように見えますね。沼地の間に自然の池があるのかなと思ったら、人が作ったものでした。このあたりの地質は粘土らしいので水がたまり易いようです。
by carotte (2011-11-16 08:29) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
ドンブ産のウズラ、初めて聞きましたが、このあたりで育てられているんですね。湿地帯はいろんな意味で生き物が豊富ですね。何世紀もかけて人がこつこつ作っている間にこれだけの数の池が出来てしまったということのようです。ここは、リヨンまで30キロほどとかなり近いです。
by carotte (2011-11-16 08:39) 

opas10

あの大きな池の水抜きの様子や、再び池に戻す際にどうやって水を張るのか、とても興味があります。
by opas10 (2011-11-20 15:05) 

carotte

opas10さん
私もどうやってみず抜きするのかなと気になっています。現代は恐らくポンプを使って数週間かけて水を抜いていると思うのですが、ポンプのなかった時代から行われていると言う話ですからねえ。高低差を利用してやってたんでしょうかね?
by carotte (2011-11-20 21:47) 

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