売りに出された異例の物件 その3 〜狩猟用の別荘〜 [サントル・ロワール地方]
シリーズの三つめの物件は、「コンクリートの父」と呼ばれ、あのル・コルビュジエにも影響を与えた建築家オーギュスト・ペレが手がけた狩猟用の別荘。
コンクリートの父とは言っても、今回の建物はまったく別もの。
ハーフティンバーの田舎風の別荘にはLa Saulotという名前がつけられています。
そして、ここが重要なのですが、若き日のル・コルビュジエがこの設計に参加していました。
別荘があるのは、フランス中部ロワール=エ=シェール県の、人口6,000人ほどの町サルブリにあります。(下記地図の緑印)
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下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月16日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
現オーナー夫妻はこの家を購入して間もなく16年になります。
敷地は70ヘクタール。池では釣り、秋にはキノコ狩りや狩猟等を楽しんできました。二人とも狩猟が趣味。この家を手に入れた理由もそのためでした。
ここにはイノシシ、ヤマウズラ、ウサギなどがやってくるそうです。昨晩はイノシシがやって来たようで、ミミズを探して地面を掘り返した跡が残っていました。
「もうあまり猟もやらなくなりましたし、外国暮らしの子供たちは猟には興味がありません。それで手放すことにしたのです」と奥様。
売却希望価格は100万ユーロ(約1.1億円)。
この日は、不動産会社の社長と担当者が訪ねてきました。一緒に中を見せてもらうことにしましょう。
この家は1907〜1908年にかけて建てられました。国の文化財に指定されています。
設計には、オーギュスト・ペレ及びその事務所で働いていた建築家数人が当たりましたが、その中に、若きル・コルビュジエがいました。
居間の真ん中に置かれた暖炉は彼の手によるものです。
当時21歳だったル・コルビュジエは、まだ本名のシャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリと名のっていました。
暖炉の他にもインテリアを担当しており、その一つがダイニングルーム。使われているのは固いパイン材。壁に飾られた水彩画もコルビュジエが描いたもの。
建物の面積は600平米。八角形の主棟に2つの小さな翼棟がついています。
部屋は8室。どの部屋も細部に至るまで考え抜かれたインテリアになっています。
そして異国情緒あふれる面白い作りの浴室。
「建築作品として、また歴史的見地からしても、全体で100万ユーロくらいが妥当な額だとおもいます」と不動産会社の方はおっしゃっていました。
仮にこれが日本だったら、こんな額では収まりそうもありません。
興味を示している外国人、特にオーストラリア人が何人かいるそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、不動産会社の社員としては落ちこぼれの僕が、大口の契約を取り付けたので社長が100ユーロの祝儀を出してくれた。ラッキーと思っていると、祝儀は他の社員のモチベーションを高めるためだと言う。つまり、僕に出来ることは皆にも出来るはずというわけだ」
VDM (Vie de merde)より
久しぶりに違う司会者が登場しました。内容はわからないですが、人によって話し方は違うもんですね。なんかいつもの眼鏡の方のほうが闊達な感じの話し方のような・・・。せっかく素敵なお家なのに手放されるんですね。若きコルビジェが作ったこった暖炉や、水彩画、またどこか古代ローマ風のアンティークなお風呂など価値は相当ありそうですね。そう考えると安いのかな?・・・関係ないですが、南仏にあるコルビジェの別荘のあるところはいいところだそうですね。
by yuzuhane (2011-11-23 22:11)
yuzuhaneさん
そうですね、やはり話し方は変わりますね。メガネのペルノーさんに慣れているせいか、多少、違和感ありますね。
本当に素敵な家ですね。オーギュスト・ペレの門下生が腕を競ったせいか分かりませんが、どの部屋もすばらしいインテリアでした。若い時のコルビュジエが参加していたと聞いて、現所有者は感激したようです。これで1万ユーロはお得な買い物ののような気がします。
コルビュジエはよく南仏ですごしたみたいですね。
by carotte (2011-11-24 20:51)
コルビジェがオーギュスト・ペレの事務所にいたのは、たった15か月!それを考慮すると、この建物は建築マニア的な視点ではものすごおい「お宝」です。暖炉のデザインは、コルビジェっぽくないですね。むしろF.L.ライトっぽくもあり、ますます珍しい!!
by opas10 (2011-11-27 11:40)
opas10さん
やはりマニア的ですか......。
暖炉が映ったシーンは何度も止めて見てしまいました。^^;
なにしろ21歳ということですから、建築に関してはこれからどんどん成長していくところなんでしょうね。
by carotte (2011-11-27 21:42)