マルセイユのサントン市 [プロヴァンス地方]
11月19日からマルセイユでサントン市(いち）(Foire aux Santons)が始まりました。
サントンとは、キリスト降誕の場面を再現するのに使われる南仏の人形のこと。
この人形の市がサントン市です。今年で209回目。つまり、第一回目は1803年に開かれたと言う由緒ある市なのです。
下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。（フランスのTV局TF1で2011年11月22日に放送）(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら）
丘の上に建つノートル・ダム・ドゥ・ラ・ガルド教会の塔のてっぺんから幼子イエスを抱く聖母マリアがマルセイユの街を見下ろしています。
一方、街では、幼子イエスの誕生を祝うための人形市が開かれています。
キリスト降誕の場面なので、登場する人形は伝統的に決まっています。
赤ん坊のイエス、母マリア、養父ヨゼフ、牛、ロバ、羊飼い、牛飼い、年老いた男、年老いた女、喜ぶ人、太鼓を叩く人、漁師、魚屋、水瓶(水桶）を持つ人、きこり、庭師、農婦、粉引き、パン屋、籠屋、錫メッキ職人、研ぎ師、洗濯女。
さらに、ここにその他の動物や天使や僧侶などが加わるので、かなりの数になり、市が立つのもうなずけます。
出店に小さなサントンがところ狭しと並んでいますが、最近では、この伝統からはみ出した人物が登場したりするので困ったものだというお客さんもいます。
お店によっては自分で色づけできる人形を売っているところもあります。
またあるお店では「レースを編む女」という新しいキャラクターを作り出して売っていました。
初期のサントンはパンの柔らかい部分で作られていたそうですが、そのうち南仏で採れる赤い粘土で作られるようになりました。長い間、粘土のままだったのが、そのうち高温で焼かれるようになったそうです。
ジャックさんはサントン職人のマイスター。そのお店には先代のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世や慈善活動に一生をささげたアベ・ピエールが並んでいました。
ジャックさんのアトリエには門外不出の聖母マリアのサントンが保管してありました。イタリア製だそうです。
そして、ジャックさんが色づけしていたのは「喜ぶ人」。ひたすらイエスの誕生を喜ぶ、村の愚か者という設定です。落語で言えば与太郎？ユニークなキャラクターですね。
最後には生きた人間サントンが市を練り歩いていました。
クリスマスまであと４週間。キリストの降誕を待ち望むこの時期のことを「降臨節」と言うそうです。
そして、キリスト降誕の場面を人形で再現した様々なクレッシュ・ドゥ・ノエル（crèche de Noël）が、教会を始め、あちこちで見かけるようになるのがこの時期からです。
サントン市は大晦日まで続きます。
クレッシュ・ドゥ・ノエル
＊＊＊＊＊＊＊＊ フランス人のつぶやき ＊＊＊＊＊＊＊
「今日、私が４歳の頃に欲しかったクリスマスプレゼントのメモが見つかった。そこには、ミニカー、自転車、おもちゃの汽車と書かれてあった。息子のはと言えば、PS3にiPad2」
VDM (Vie de merde)より
けっこう小さいお人形みたいでしたが、種類が豊富ですね。これを買って皆この時期に飾るのでしょうか。毎年違うものを購入して取り換えるのか？または少しずつ買いたして集めるんでしょうか。こうした市がたってだんだんクリスマスの本番に気分が高まっていくんでしょうね。レース帽をかぶった方たちは人間サントンなんですね。
by yuzuhane (2011-11-27 20:08)
yuzuhaneさん
この南仏の人形がどのくらい全国に広まっているのかはよく分からないのですが、クレッシュは独自に作った人形を使う場合もあります。この時期、だいたいの教会にこのクレッシュが展示されています。おひな様を飾るみたいに、しまっておいたものを出して来て並べるんじゃないかと思うんですよ。そしてその規模もいろいろです。どんどん増えていって、村が一つできあがったみたいなのもあります。
by carotte (2011-11-27 22:14)
マルセイユ行ってみたいです。
by Norscot ミニカー (2011-12-02 23:48)
Norscot ミニカーさん、ご訪問ありがとうございます。
私もまだ行ったことがないので行ってみたいです。
おいしい海の幸も食べられるみたいですし ^^
by carotte (2011-12-03 09:15)
フランス人のつぶやき、PS3とiPad2ですか、まだいいじゃないですか。iphoneだと、その後の毎月の使用料を考えると（汗）。
by opas10 (2011-12-04 15:18)
opas10さん
iPhoneは「お前にはまだ早過ぎる！」で断固却下ですね〜。
by carotte (2011-12-04 18:37)