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暖炉をめぐる旅 その4 〜暖炉のメンテナンス〜 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの四回目は、美しいお城の点在するトゥーレーヌ地方のブドウ農家を訪ねます。

 

 そして、暖炉と言えば、欠かせないのが煙突の掃除。その方法についても紹介します。

Paris_Panzoult.jpg
 

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月19日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 ワイン農家のダヴィッドさんは、お祖父さんから受け継いだ元農場だった家に住んでいます。

 

 18世紀に作られた建物ですが、昔は、一部屋に一つの暖炉がありました。それがこの地方の伝統的家屋だったそうです。

 

 現在では一つだけになってしまった暖炉ですが、ご覧のとおりちゃんと機能しています。

 

 フランスで良く見かけるスタイルの暖炉ですね。

 

 ブドウ畑は28ヘクタールあり、暖炉に使う薪は敷地の中にある森から調達します。

 

 切り出した木は2年間放置して乾燥させます。

 

 薪として使えるような大きさにカットして、必要な量を自宅に保管しておくそうです。

 

 そして、大事なのは暖炉のメンテナンス。暖炉や煙突を煤で汚れたままにしておくといずれ詰まって使えなくなってしまいます

 

 メンテナンスは、素人には難しい複雑な暖炉の専門家ヴァンサンさんの担当です。

 

 ブラシを片手に自ら潜って掃除していたのは昔のこと。現代では専用のマシーンを使います。

 

 暖炉と言えば、正面から見た姿に目が行ってしまいますが、専門家が見ると奥の作りも様々で見どころがあるようです。

 

 暖炉の上側は煙突に向かって徐々に狭くなるように傾斜をつけながら石が積み上げられています。

 

 保存状態が良く美しいとヴァンサンさんは言っていました。

 

 上のほうには煙突の出口が見えていました。

 

 煙突のメンテナンスは一年に一回必ず行われます。煤が飛び散らないように暖炉の前には幕がかけられていました。

 

 掃除が終わったら、暖炉に火をつけることになりますが、まずは新聞紙に火をつけて上のほうを焦がしておきます。

 

 こうしておくと煙が充満しないですむそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、煙突掃除屋が来ることになっていたが、あいにく全員が外出することになってしまった。『鍵を玄関マットの下に置いといたら?』と母が言った。しかし、掃除屋はそんなことは知らない。で、結局、ドアに『鍵は玄関マットの下にあります』と書いた貼り紙をしてでかけることになってしまった」

 

VDM (Vie de merde)より



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コメント 10

opas10

煙突掃除屋さん、ヨーロッパではまだちゃんと商売になっているんですね!しかも結構高度な職人芸が必要なんですね~。
by opas10 (2012-01-22 19:28) 

wattana

carotte さん、おはようございます。
パンズーの葡萄農家、どんなワイン用のぶどうを栽培しているのでしょうか? 映像では、赤ワインのエチケットがよくみえないですね。トゥーレーヌ地方のワインというと、シノンが浮かびますが、パンズーは地図で見ると、シノンからは少し離れているようなので、シノンとは名乗れないのでしょうか?トゥーレーヌ地方のワインを調べていたら、フランス食品振興会が2010年に主催した 「ロワールワイン セミナー」の模様が You-Tube で配信されていました。
http://www.youtube.com/watch?v=cmk6jHSlEmw&feature=relmfu
by wattana (2012-01-23 07:31) 

carotte

opas10さん
ちゃんとした職業として残ってるようです。
日本の場合は銭湯の煙突を掃除する人がいますけど、高さがあるのでヨーロッパとはまた別の職能が必要ですね。それに、銭湯もだいぶ少なくなりました。
by carotte (2012-01-23 09:51) 

carotte

wattanaさん、おはようございます。
映像拝見しました。いろいろ楽しくワインのお話をしてますね。
Davidさんのドメーヌはこちらです。開かないですが、検索結果の一覧によると、Chinonのようです。
www.domainedebeausejour.com/

Domaine de Beauséjourと言います。赤ワインが専門のようです。

by carotte (2012-01-23 10:30) 

wattana

carotte さん、こんにちは。
Domaine de Beauséjour のサイトを見ました。宿泊もできるんですね。
http://www.domainedebeausejour.com/fr/chambres.html
by wattana (2012-01-23 17:35) 

yuzuhane

素敵なベレー帽の煙突掃除屋さんが持ていた煤を吸い込むホースはすごい威力でした。やはり専門家に頼ってメンテナンスしないとだめなんですね。煙突掃除とかなかなか見る機会がないので興味深く拝見しました。暖炉に燃える火は素敵だけど、薪の準備やお手入れがあってこそですね。
by yuzuhane (2012-01-23 20:08) 

carotte

wattanaさん、こんにちは。
サイト開きましたか。なかなか手広くやってるところのようです。
by carotte (2012-01-24 12:57) 

carotte

yuzuhaneさん、こんにちは。
あそこまでの暖炉になると作りが複雑らしいですよ。
大型掃除機みたいなのが威力を発揮してました。あれがなかった昔はかなりたいへんでしょうね〜。いろんなことが便利になった現代からすると、暖炉は原始的で燃料とメンテナンスが大変です。でも、暖炉だと身体だけじゃなく、なぜか心も温かくなります。
by carotte (2012-01-24 13:04) 

アヨアン・イゴカー

煙突の掃除、子供の頃の風呂の煙突を思い出しました。
未だにこのような職業があるのが素敵ですね。
by アヨアン・イゴカー (2012-01-25 00:08) 

carotte

アヨアン・イゴカーさん
暖炉を使う習慣がまだ消えていないので、この職業も成り立っているようです。古い物を残すとなると職人さんも残さないといけなくなりますね。
by carotte (2012-01-25 09:36) 

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