メイド・イン・フランス その3 〜タブレット〜 [メイド・イン・フランス]
シリーズの三回目は、今をときめく電子機器タブレット。
メーカーの名前はUnowhy。本社はパリ8区にあります。
会社のサイトを見ると、これまでiPhoneやiPod Touch用にお料理のアプリを提供していたようです。
新規事業のタブレットQOOQは、一年半の間、中国の工場で作られていました。
しかし、昨年の2011年に中国から撤退。
フランスに戻り、ソーヌ=エ=ロワール県のモンソー=レ=ミンヌの下請業者とともに再出発することになりました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月26日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
モンソー=レ=ミンヌの人口は20,000人ほど。
「パリからTGVで1時間20分。午前中ここで働いて、午後には本社の事務所に戻って仕事ができます」と社長さん。
「中国だったらどうでしょう?」と取材班。
「飛行機に乗って、入国の手続きにあれこれ手間取ります。それに中小企業ですからねえ、技術者を週に一度も中国に派遣するなんてコストがかかりすぎてとてもできません」
とは言うものの、フランスでの人件費は60%増し。にも関わらず、タブレットはこれまでの価格通り349ユーロ。
作業の一部を自動化することで価格を維持することができているそうです。
これが中国だったら、65人の作業員を必要としますが、フランスならその三分の一で足ります。
さらに、作業員はフランスの方が優秀とのこと。
中国なら全体の7~8%の割合で欠陥品が出ていましたが、フランスでは1%ほどしか出ません。
さらに、輸送費、関税などにかかる費用やロジスティックスなど考えると、中国で作ろうがフランスで作ろうが変わらないという結論になったそうです。
そして次のステップは、タブレットの輸出だそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、僕の乗ったTGVが1時間おくれたおかげで、乗り継ぎに間に合わなかった。休暇が台無しだ。持ち主の分からない怪しげな旅行カバンが駅に置きっぱなしになっていたのが原因らしい……。ところで、僕のカバンはどこに行った???」
VDM (Vie de merde)より
なるほど。いろいろと考え合わせると国産がいいということになるわけですね。確かに、欧州から中国へはかなりの道のりが。日本の場合とは異なります。
とは言え「市場」としての中国、投資家としての中国はまだまだ欧州にとって存在感大ですね。今のような状況となってはもう中国に頼りたいでしょうね。Merkelさん、今日から中国入りです。
by orange (2012-02-03 00:05)
orangeさん
大企業ならやりようがあったかもしれませんが、中小企業ですからねえ。でも、あれだけ距離がありながら、コスト的にはとんとんなわけですから、いかに中国の人件費と物価が安いかですね。
どの国も自国で作ったものを、いまのところ一番景気のいい中国に買って欲しいというところでしょうね。
by carotte (2012-02-03 10:21)
中国も最近人件費が高騰していますし、運送費やコミュニケーションコストなどの間接費用や時間、税金を考えると、欧州で小ロットのビジネスを行うなら国産の方が安く上がるかもしれないですね~。欧州だと次は、生産拠点としても市場としてもアフリカに目が向きそうな気がします。
by opas10 (2012-02-05 17:53)
opas10さん
1年半やってフランスに戻ることにしたわけですから、結果的には国内生産で良かったということになるんでしょうね。フランスはモロッコ製とかチュニジア製なんて結構ありますね。今は政治ちょっと不安定なのが問題ですが、もう一つの問題は、アフリカ人をうまく使いこなせるかどうかなんですよねえ。中国人より難しい気がするんですよ。
by carotte (2012-02-05 22:01)