SSブログ

メイド・イン・フランス その4 〜飲料〜 [メイド・イン・フランス]

 シリーズの最後は、飲料。その名もCacolac(カコラック)。

 

 コカコーラまがいの飲み物かと思いきや、ミルクココアのようなまったく別の飲み物でした。

 

 工場があるのはボルドー郊外にある人口9000人ほどの町レオニャン(Léognan)。

Paris_Leognan.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月27日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 この飲み物が生まれたのは1954年のこと。それ以来、製造方法は変わっていません。

 

 茶色い粉はココア。牛乳(もちろんフランス産)は高熱で殺菌処理されます。

 

 この2つに砂糖を加えて混ぜてできたのがCacolac。

 

 「製造工程についてもう少し詳しく教えてもらえませんか?」と取材班。

 

 「申し訳ありませんが、それは企業秘密でお話しすることはできません」と責任者のトリスタンさん。

 

 ということは、どうやらこの飲み物、簡単に誰にでも作れるというわけではなさそうです。

 

 会社が出来たのは1947年。当時は、ボルドー市内に工場を構え、殺菌乳、ヨーグルト、フレッシュチーズなどの乳製品を作って市場で売っていました。

 

 そして、創業者の息子の一人が牛乳にココアを混ぜた飲み物を思いつきます。

 

 商品にはCacolacという名前が付けられ、小型トラックにのせられ、町から町、村から村を移動して売られるうちに評判になり、大型店でも販売されるようになります。

 

 1980年代の年間の売上本数は3000万本に達していました。

 

 現在の売上はその半分。しかし、国外での生産はいっさい考えていないそうです。

 

 レオニャンに新しい工場を構えたのが2000年のこと。

 

 現在使っているフランス製の機械もその時設置しました。

 

 「これまでの品質を維持すること、それが新しい機械を選ぶときの基準でした。今さら他へ行くなど考えられません」とトリスタンさん。

 

 「しかし、価格の問題がありますよね」と取材班。

 

 「もちろん競争に持ちこたえる必要はありますよ。ですから、私たちはきちんとした物作りをして、質のいい商品を作って販売しているんです」

 

 ここの研究所では、新しいマーケットを求めて研究が続けられています。キーとなるとなるのはバイオ。

 

 こちらの会社も、次は輸出が大きな目標だとか。

 

 因に、Cacolacがフランスで普及したのには、サッカー元フランス代表のジャン=ピエール・パパン氏が一役買っているとか。

 

 というのも、フランスのテレビ局Canal+(カナル・プリュス)の名物番組Les Guignols de l'Info(有名人を人形にパロディ化して茶化した番組)で、Cacolacが好物という設定で登場させていたそうです。その一つが下記の映像。

 

 
 ご本人が本当に好きかどうかは分かりません。
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、大手のソーダ飲料メーカーの面接試験だった。面接官と一緒にお昼を食べることになったのだが、へまをして、ライバル会社の飲み物を頼んでしまった」

 

VDM (Vie de merde)より



nice!(27)  コメント(6) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 27

コメント 6

wattana

carotte さん、おはようございます。
Cacolac という飲み物があることを初めて知りました。牛乳入りココアといえば、どこにでも (日本にも)ありそうですが、何か企業秘密がありそうですね。Cacolac の賑やかなホームページを見ました。映像では、缶入りのボトリングを行っていましたが、瓶入りもあるんですね。紙パック入りはなさそうですね。
by wattana (2012-02-04 07:39) 

carotte

wattanaさん、こんにちは。
私も初めて知りました。
Cacolacのサイトはうるさいくらいの音楽がなり続けるのでリンクをやめました。どうも、缶とビンの2種類のようです。ココアとミルクを混ぜると言っても、完全に混ぜ合わせるのはそれなりの技術が要りそうな気がします。ネーミングも良かったのかもしれませんね。今は最盛期の半分の売上だそうですが、それでも良く持ちこたえている方だといろんな資料に書かれてありました。

by carotte (2012-02-04 14:28) 

yuzuhane

昔駐在していた妹のところを訪ねてNYに行ったとき、ルートビアというのがあっててっきり名前からビールかと思ったらすごく甘い飲み物で(ブルーカラー向けの甘味飲料だったみたいです)びっくりしたことを思い出しました。なんか名前から中身を想像しちゃいますよね。カコラック…私も炭酸系を思い浮かべましたが、違うものなんですね。これは今でもフランスのどこでも売ってるんでしょうかねえ・・・。
by yuzuhane (2012-02-05 12:54) 

opas10

今回の話題、飲み物としてのCacolacもさることながら、作っている町の名前にopas10がどんな反応をするか、carotteさま完全に読んでいますよね(笑)
「レオ」じゃなくて「あず」(笑)。
by opas10 (2012-02-05 18:59) 

carotte

yuzuhaneさん
ルートビアと言われたらやっぱりビールを想像しますよねえ〜。
ルートビアもカコラックも、いったいどこからひらめいたんでしょう?カコラックはスーパーなどで売っているらしいのですが、見た記憶がないんですよ。となると飲んだこともないんです。今度、フランスに行ったらどんなものなのか確認したいところです。
by carotte (2012-02-05 22:09) 

carotte

opas10さん
レオニャンって誰かがなんとか言って来るんじゃないかと思ってたんですが、それは予想してませんでした ^^; 確かにこれは「あり」ですね。それにしてもこの地名、最近はやりのご当地キャラみたいな名前です。
by carotte (2012-02-05 22:13) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。