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続・暖炉をめぐる旅 その3 〜ピンクと白の砂岩の暖炉〜 [ロレーヌ地方]

 シリーズの三回目は、ヴォージュ県周辺で採掘されるピンクと白の砂岩で作られた暖炉を訪ねます。

 

Paris_Bleurville.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年2月1日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 ヴォージュ県の小さな村ブルーヴィル。人口は400人足らず。

 

 積み重ねられた薪、煙突からの煙。

 

 これがこの地方の冬の風景です。

 

 ほとんど一家に一台の割合で暖炉が設置されています。

 

 本日、訪ねたのは木材伐採業を営むオリヴィエさんのお宅。

 

 大広間に大きな暖炉があります。1年前にリフォームしたばかりなので、まだ真っ白です。

 

 「外で仕事をしてここに帰って来るとほっとします」とオリヴィエさん。

 

 暖炉には、オリヴィエさんの考えたロゴマークが飾られています。

 

 そこには、伐採に使う昔の道具と森の木が描かれていました。

 

 ここでは暖炉でワッフルを焼いていました。蜂蜜やチョコレートをかけて、紅茶と一緒にいただくと美味しそう!

 

 「夜には、テレビをつける代わりに暖炉に火をつけ、皆で集まってお茶をいただきます」と奥様。

 

 それにしてもここの暖炉は前にせり出していて存在感があります。

 

 近くの石切場から取れた砂岩を使って作られました。

 

 ヴォージュ県内に石を提供している石切り場はここだけになってしまいました。

 

 ここの特徴は砂岩が2色に分かれていること。

 

 表面から4〜5メートルまではピンク、それから下は白。

 

 フローランさんのおじいさんが最初に手で掘り始めたのが始まりだそうです。

 

 ご自宅の暖炉も家の壁もその石を使って作られています。

 

 暖炉は居間にありますが、お隣の部屋へ行ってみると、暖炉の火で暖められた奥の石がこの部屋も暖めるような仕掛けになっていました。

 

 暖炉用の石を製作する工房は、今でもいくつかあるそうです。

 

 注文を受けてからできあがるまでには4日ほどかかります。

 

 最近の暖炉は昔ほど大きくはないそうですが、男性が4人掛かりで石をのせていましたから、かなりの重量です。全体で2トンほどにもなるそうです。

 

 「両親がつけてくれた暖炉ですからね。思い出がいっぱいつまってます。これがあることで家が家らしくなります」と注文主。

 

 取り付けられた石は、端の方から少しずつ乾燥していくそうです。

 

 ヴォージュ県の田舎にある伝統家屋には、この砂岩でできた暖炉は欠かせないものになっています。

 

 

<******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、実家のテーブルにキレイな石があったので、近づいて見ようとしたら、突然、匂いのする霧を吹きかけられた。あれは芳香剤だった」

 

VDM (Vie de merde)より



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yuzuhane

暖炉で焼いたワッフルを見てると思わず笑顔になりますね。すごくおいしそうでした。またあとで出てきたお宅は結構大きな裕福そうなお宅でしたね。暖炉の裏の部屋も温まるようになってるんですね。あとふと思ったのですが、寝るときは火を消して寝るんでしょうが、薪の燃え残りは大丈夫なのかなとちょっと心配になったり…あとパリのような都会にも暖炉がある家があるのかな…と思いました。こういう自然のなかの大きな家だからなんでしょうか…。まあ都会はほとんど中央暖房の家が多いみたいですが…。
by yuzuhane (2012-02-08 20:36) 

orange

さすがベルギーの近くだけあって、ワッフルも生活に溶け込んでいるのですね。
焼きたてのワッフルは美味しそうですね。クレープもワッフルも簡単に食べられる食糧だったのですね。
耐火の砂岩のレンガ。は重量感があってすごいですね。これならどんどん巻を燃やしても大丈夫そうです。砂岩は彫刻がし易いので教会の聖像などにもたくさん使われていますね。色もやはり赤いのや白っぽいのがあります。
by orange (2012-02-09 10:36) 

carotte

yuzuhaneさん
あのワッフル、とっても美味しそうで、しばらく脳裏に焼き付いてました ^^;;

どの家も立派で、あのどっしりとした暖炉が似合いそうな家ばかりでした。TF1のニュースで、暖炉の事故で消防隊が出動しているというようなことを言っていました。火の不始末による火事やら煙突が詰まってたりつながりが悪かったりで爆発したりするようです。
かつてパリのアパートに住んでいたころ、小さい暖炉がついていました。使いませんでしたが、使って良いそうです。ただし、薪は決められたものを使わないといけません。でも煙が出るのでちょっと気が引けますね。
by carotte (2012-02-09 19:31) 

carotte

orangeさん
ワッフルは暖炉で焼いて食べるのにぴったりですよねえ〜。
こういうのは子供も喜びそうです。
そうですね、砂岩は加工がしやすいみたいです。アルザス地方の教会なんかはピンク色の石で出来てたりしますね。暖炉の総重量が2トンもあるようですが、地震がある日本だったらちょっと倒れて来たときが怖いです。
by carotte (2012-02-09 19:39) 

wattana

carotte さん、この映像では、採石場で水をかけている場面が気になりました。超高圧にして水を噴射すると、物をカットすることができますが、そんなに高圧にはしていないように見えました。ここでの石切りはどのようにやっているのか興味があり、SEBELER という会社のウェブサイトを見ましたが、よくわかりませんでした。http://www.sebeler.com/carriere.htm
by wattana (2012-02-11 09:35) 

carotte

wattanaさん
サイト拝見しました。どうやらケーブルで切るようです。木材を糸鋸で切るのと同じ原理ですね。キューブ型や6面体に切ることもできるそうです。水は粉塵防止???よく分かりません。
by carotte (2012-02-11 18:38) 

opas10

暖炉を作るための石の加工は、やはり手作業なのですね。それで4日でできちゃうとは、なんと早い!!切削の際に水を使うのは、材料とカッターの摩擦を軽減して発熱を防いだり、素材の変形やクラックを防ぐ効果があったと思います。
by opas10 (2012-02-12 13:25) 

carotte

opas10さん
ああ、なるほど。そうですね。摩擦でかなりの熱が発生しますね。水があると摩擦が軽減されるんですね。
砂岩は石の中でも柔らかい方なので細工がし易いようです。でも逆に、柔らかいからデリケートかもしれません。となるとやっぱり手作業ということになるんでしょうかね。
by carotte (2012-02-13 22:25) 

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