コレクター 後編 〜ペンとインク壷〜 [フランスのモノ]
コレクターの後編は、ペンとインク壷。
エリックさんは、アンティークのペンを収集し、壊れたのがあれば修理して、自分のお店で売っています。
インク壷も合わせると、コレクションの数は数千点にも及びます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年2月16日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
まずは万年筆。
毛細管現象を利用して絶え間なくインクが流れるように作られたペン芯。
この仕組みは古くても新しくても変わらないそうです。
違っているのはその器の方。
ペン先の出し入れができるものや、ガラスになっているものもあります。ガラスのは1938〜40年に作られたもの。
そして、ペン先に取り付けてあるレバーを動かして、ペン先の硬さを調整できるという珍しい万年筆もあります。
万年筆の基礎を作ったと言われるルイス・エドソン・ウォーターマン。
元々は保険の外交員でした。当時、書類にインクのシミを作ってしまい、だいじな契約をふいにしてしまったそうです。
しかし、これがきっかけで、万年筆の開発に取り組み、1883年、ニューヨークで万年筆の製造販売を始めます。
1950年代に経営が傾き、1971年にWaterman S.A.というフランスの会社として再出発したのだそうです。
さて、エリックさんが個人的に気に入って使っているのが“PARKER 51”というモデルのパーカー製の万年筆。
「ぜったい裏切らない忠実なペットみたいな存在です」とエリックさん。
実は、私も色違いで同じモデルのを一本所有しています。
インクはカートリッジではなくスポイト式。抜群の書き心地です。
しかし、最近はあまり使う機会がなく引き出しの奥にしまいっぱなし。たまに取り出して使おうとするとインクが乾いてつまってたりします。
エリックさんがここまで万年筆に詳しくなったのは、文房具の卸問屋を経営していた父親の影響だとか。
そして、気に入ったものの中には売らないで取っておくものもあるそうです。
次に見せてくれたのがインク壷の数々。
ブロンズの置物のようなインク壷。てっぺんの取っ手を回すと、下のお皿にインクが溜まるしかけになっています。
「下は100ユーロくらいから、有名作家が作ったものや珍しいものになると数百ユーロ、又は数千ユーロというのもあります」とエリックさん。
人形の頭がインク壷になっていたり、ロウソクとセットになっているものもあります。
もう一つロウソクがついたインク壷が出てきましたが、これをもって部屋から部屋へ移動できるようになっています。
そして、オブジェとして部屋に飾っておきたいようなものが次々に登場しました。
インク壷ってこんなに魅力的なものだったのですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、母が、私の机の上にあったペンは書けなくなっていたので捨てたと言う。あれは、タブレット用に買ったばかりのタッチペンだったのに……」
VDM (Vie de merde)より
私も同じタイプのパーカーの万年筆を持っています。そういえば久しく使いません。探して見たら多分固まっていることでしょう。
by t-toshi (2012-02-20 11:33)
t-toshiさん
同じのお持ちでしたか!
近頃、手書きの機会が極端に少なくなりました。そういう局面があってもたいていボールペンやシャープペンを使ってしまいますね。
by carotte (2012-02-20 19:21)
万年筆、昔は入学祝の定番だったような記憶があります。筆記用具、いつの間にかすっかり使わなくなり、いまやフランス人のつぶやきのようなスタイラスところか指ですもんね~。
by opas10 (2012-02-26 13:12)
opas10さん
キーボードか指ですね。万年筆は本当に使わなくなりました。売れ行きもいまひとつなのではないでしょう?でも、古い万年筆を手に取るとなんとなくいい気持ちになれます。不思議です。
by carotte (2012-02-26 22:27)