世界遺産のカーニバル [ベルギー]
今週の火曜日2月21日はマルディ・グラ。
マルディ・グラでふと思い出すのが、ベルギーの名物男ジルがうじゃうじゃ登場するバンシュ(Binche)のカーニバル。
今年もその映像が届きました。
バンシュはフランス国境に近いベルギーの町。人口は33,000人ほど。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年2月22日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
マルディ・グラの主役はジル。お揃いの上下に白いずきん。
中には頭の10倍か20倍もありそうなふわふわの飾りの付いた帽子をかぶったジルもいます。
その起源ははっきりしませんが、約1000人ものジルが町の大広場までパレードするのが伝統です。
お供は太鼓と金管楽器で構成されている音楽隊。こちらの皆さんは普段の格好のようですね。
着ぐるみのようなジルになって行進すれば晴れやかな気分になるそうです。
今年で5年目だという方もいました。
ジルになれるのはバンシュの出身者だけ。
そしてひとたびジルになったら、公共の場で座り込んだり、お酒を飲んだりしてはいけません。
子供たちの扮するアルルカンやピエロもパレードに参加します。
手に持っているのはオレンジの入った籠。幸せのシンボルであるオレンジを観客に配って回ります。
ジルが手にしているのはラモンの木の枝。冬を追い払うためのものだそうです。
パレードの取りを務めるのは、奇妙なお面をかぶったジル。奇妙ですがどこか現実味があります。
そして、先祖代々伝えられて来たというのがまた不思議な感じがします。
「この日は先祖のことを思い出す日でもあります」と年配のジル。
今年一番若いジルはエリック君、9歳です。
「ジルになって、見ている人にオレンジを配ると皆が喜んでくれるので嬉しいです」
この日配られたオレンジの量は数トンにもなるそうです。
オレンジをもらった人は大喜び。いくつももらった人もいるようです。
これが日本ならお餅を配るところでしょうか?
人ごみをさけて、アパートの上からパレードを見物する市民もいます。
インタビューを受けているご婦人の手には空になったシャンパングラスが……。
尚、ジルについては去年も当ブログで紹介しています。
ジルが出来上がるまでの詳しい映像がご覧いただけます→こちら。
思えば、去年、記事を書き上げた直後に、あの大地震が起きたのでした。
お面をかぶったジルを見るたび311を思い出します。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、カーニバルのために巨大なトイレットペーパーに扮装した。使ったトイレットペーパーは120個。なのに途中で雨が降り出し、すっかり普通の人になってしまった」
VDM (Vie de merde)より
去年の「ジルの作り方」、よ~く覚えています。そしてあの記事のあたりが3.11だったんですか。間もなく一年が経つのに、この国は何も根本的な解決をしていないですね・・・。
by opas10 (2012-02-26 14:14)
opas10さん
そうなんです。この時期はカーニバルで海の向こうはどんちゃん騒ぎだったのですよ。ブログは番組が放送されてから書いているので少し時差があります。少しずつカーニバルの様子を紹介しようかなと思っていた矢先に、日本はそれどころではない状態になってしまいました。もうすぐ一年経ちますね。
by carotte (2012-02-26 23:15)