水車・風車を訪ねて その5 [フランスのお宝]
シリーズの最後は、ガロンヌ川の支流ドゥロー川沿いにある水車を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年5月18日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
全長132キロのドゥロー川には、75もの水車小屋があるそうです。
しかし、たいてい水車自体は消失してしまい、単なる住宅や別荘に作り替えられているそうです。今でも動いているのは3つか4つ。
そんな中の一つがヴィルレアルにあるファージュ・オートの水車です。(上記地図の青印)
19世紀末まで動いていたこの水車を最近になって甦らせたのがクロードさん。
実際に粉を挽いていましたが、ここにはパン焼き窯も設置されていてパンを焼くこともできるそうです。
挽きたての粉で焼いたパンはさぞかしおいしいことでしょう。
ここの水車は水平に設置されています。
「ドゥロー川は平らで水位があまりありません。立てた状態では十分に回らないので水平にしています」とクロードさん。
川沿いを30キロほど西へ移動したエイメにも立派な水車小屋があります。が、しかし放置されたままです。(上記地図の赤印)
また、普通の住宅になっているものもあります。
アーチ型の石橋はエイメにあります。
川沿いの水車小屋に魅せられ写真におさめているピエールさんはこう言います。
「ドゥロー川沿い、特にエイメ地区にはたくさんの人が暮らしていました。食料を確保するために小麦粉を作る水車小屋があちこちに立てられたのです。ドゥロー川は流れが穏やかで干上がることもなかったので水車にはもってこいだったのです」
中には、とても「小屋」とは言えないような素晴らしい建物もあります。
エイメからさらに西へ40キロほど言ったところにあるルバンスの水車は、まるでロワールのお城のよう。プチ・シュノンソーとも呼ばれています。(上記地図の緑印)
2つあった水車が19世紀に一つにまとめられ、このような建物になりました。
いくつもの優雅なアーチは、水の通りを良くするためのもの。
「川が増水した場合、建物に加わる負担を少なくしなければなりません。ですから、このように開けておくことが重要だったのです」とオーナーのマルティーヌさん。
マルティーヌさんはすぐ近くの建物にお住まいのようです。
プチ・シュノンソーを眺めるには絶好のロケーション。
「ここでは1000年近く人々が働いていたんです。私にはその姿が今でも見えるようです」
こんな美しい職場だったら一度働いてみたいような......。
さらに、要塞化された水車小屋もあります。(上記地図の紫印)
川の中州に立てられたバガスの水車小屋がその一つ。左岸から橋を渡って中に入れるようです。
かつて村々の生活には欠かせない水車小屋も、今は観光の名所になっているそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、彼が友人とクラブに行くと言う。しばらく行っていないので私も一緒に行っても良いかと訊くと、彼が言った。『君が一緒にくると、僕はパンを持ってパン屋に行くみたいな気がするよ』『????』」
VDM (Vie de merde)より
水平の水車、急流の日本の川ではありえないですね。そして今回登場した建物はいずれも美しく、ライトの落水荘を思い出しました。
by opas10 (2012-05-27 18:19)
途中で写真撮られている方が登場されましたが、私も行って撮りたいような素敵な景色でした。プチシュノンソーも魅力的ですね。アーチのある回廊からの眺めもまたいいなと。水対策とのことですが、美しい形になっていました。西部にはどこもいったことがないですが、まだまだ知らないいいところがいぱいですね。
by yuzuhane (2012-05-27 22:01)
opas10さん
日本だったらざぶざぶ流れて来て、回るどころの騒ぎじゃなさそうです。^^; そうですね、家の下を川が流れているところが落水荘みたいですね。
by carotte (2012-05-27 23:41)
yuzuhaneさん
ここ、ミディ運河みたいに気軽に自転車で川沿いを走りながら、水車小屋を次々と見学できたらいいなあなんて思いました。プチシュノンソーはきれいでしたねえ〜。水対策が目的でも、あんなにキレイな建物に仕上がってしまうんですね。
by carotte (2012-05-27 23:47)