フランスの美しい通り その4 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]
シリーズの四回目は、フランス北部の都市リールのモネ通り(rue de la Monnaie)。
Vieux-Lilleと呼ばれる旧市街地にある通りの一つで、ルイーズ・ドゥ・ベティーニ広場とコンセール広場をつないでいます。
1980年代、この地域は整備の対象からはずれ、移民の住むあまり評判の良ろしくない界隈になっていました。
しかし、その後、再開発が行われ、今のように買い物客でにぎわう繁華街になったそうです。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年6月7日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
フランドル地方で良く見かけるレンガ造りの建物。
ある軽食屋さん(上記地図の青印)では、改修工事の最中に、柱に模様が現れました。
それは、ユリの花とひげ剃り用の皿。このモチーフが縦に交互に描かれています。
ユリはリール市のシンボル。
「いろいろ調べたところ、この建物は1726年に建てられたということが分かりました。当時ここはサン=ピエール通りと呼ばれていて、床屋やカツラ屋があったようです。恐らく、ここがその店だったのだと思います」と店長さん。
この界隈の風景は、当時と今ではだいぶ違っていたようです。
昔は通りを運河が流れていました。この地域に水を供給するためです。
19世紀には、衛生上の理由から運河は埋め立てられてしまいました。
19世紀、リールの10才以下の子供の死亡率は60%もあったそうです。かなりの死亡率で、運河は相当、汚かったようです。
モネ通りには、13世紀にフランドル伯爵夫人ジャンヌが建てさせた病院Hospice Comtesseがあります(上記地図の赤印)。
出来たばかりの頃は、もっぱら病気の貧しい人たちや巡礼者などを受け入れていたそうです。
フランス革命で病人は別の病院に移され、ここは高齢者と孤児専門の施設に代わりました。
そして、現在は博物館になっています。
建物は、15世紀と17世紀に火事にあいますが、そのたびに建て直されてきました。
番組では、最初に美しい大きな天井が映っていましたが、一階の天井で15世紀のもの。
タイルとレンガの部屋は台所。タイルはリールで作られました。
ドーム型の天井は礼拝堂で、17世紀に建て替えられた時のものです。
さて、この通りにも名物のお菓子があります。この地方のお菓子メルヴェィウ(merveilleux)。
人によって作り方には多少の違いがあるそうですが、メレンゲ全体をホイックプリームでおおい、削ったチョコレートをまぶしたのがこのお菓子。
一つで75gほどしかないそうです。カロリーの方は軽くはなさそうな……。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、鼻を火傷して病院に行った。ライターがなかったので、ガスコンロで火をつけようとしたのだ」
VDM (Vie de merde)より
今は道路になっているので言われないとわからないですが、運河だったんですね。それにしても幼少の子供の死亡率が60%は驚きです。よほど不衛生な運河だったんですね。建物は天井もですが、タイルが素晴らしいですね。名産地なんでしょうか。子供がのぞいていたお菓子はメルヴェィウというんですね。…確かにカロリーが多そうでした。
by yuzuhane (2012-06-10 07:19)
yuzuhaneさん
旧市街地には運河網があったらしいです。
死亡率60%はすごいですよね。生き残れるのは40%で、成人になるまでとなるまた減りそうです。運河にいろんなものを捨ててたのかも。地域によってくふうしたお菓子が出てくるのでちょっと面白いです。
by carotte (2012-06-10 09:10)
今回一番印象に残ったのは、なぜか運河について説明している男性の後方に映っていた、赤マルのLeicaの看板(笑)。シックな町並みの中でヤケに目立っていました。あのお菓子、カロリーすごそうですね・・・、でも美味しそう。今年に入って禁酒令が出されて以来、妙に甘いものに目が行っちゃって(笑)
by opas10 (2012-06-10 12:03)
opas10さん
確かに、あの赤いの目立ってました。それでふと思い出したのですが、一年か二年ほど前に、看板税なるものが出来るとかで、看板を取り外しているお店がかなりあったような気がします。あの税金はいったいどうなったんだろう?
甘いものってドラッグみたいに癖になります。あちらのお菓子は日本のよりずっと甘くて、最初はげっ!と思っていたのが、しまいにはあれくらい甘くないとイヤ!みたいになっちゃいました。
by carotte (2012-06-10 22:05)