プロヴァンスはソレックスに乗って [メイド・イン・フランス]
ヴェロソレックス(VéloSolex)とは、フランス生まれのモーター付き自転車のこと。
通称ソレックス。フランスでは普通名詞にもなっているほどポピュラーな乗り物です。
戦前の1940年頃から開発が始まり、第一号モデルが発売されたのが戦後すぐの1946年。
以来、フランスの若者の足として愛用されてきたそうです。
そのソレックス愛好家たちがプロヴァンスに集合しました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年6月10日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
ソレックスは、基本的には自転車ですが、前輪の上というかハンドルの下のあたりに、回転ローラーのようなものが付いた超小型エンジンが搭載されています。
そのエンジンをレバーでおろすと、ローラーが前輪と接触し、前輪が回る仕組みになっています。
「これは1968年製です。今でもしっかり走ってくれますよ」と男性。
南仏の田舎道をさっそうと走るソレックス。
最高速度は30キロほどしか出ませんが、田舎の風景を楽しみながら走るにはちょうどいい速度だとか。
発売当時は、“ひとりでに走る自転車”というのがキャッチフレーズでしたが、馬力がないので上り坂はペダルをこがなくてはならないそうです。
なんだか今の最新の自転車と逆ですね。
この中には80才になるという元気な高齢者もいました。
レイモンさんは若い頃からずっとソレックスに乗ってきました。
自宅のガレージでは、何時間もかけて昔のソレックスを修理し動くようにするという筋金入りの愛好家です。
「修理とはちょっと違うんですよ。生き返らせてると言った方がいいです」とレイモンさん。
オレンジ色のソレックスはなかなか格好良いですね。
2006年には電気モーターのE-Solexが、2010年には電動アシストの折りたたみ式ヴェロソレックスが発売されたそうです。
また、アメリカ映画「コンドル」(1975年制作)の主人公ジョセフ・ターナー(ロバート・レッドフォード)が乗っていたのが3800モデルのヴェロソレックス。
そして、Mr.ビーンも映画「Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!」(2007年制作)で乗っていたそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、乗用車をよけようとして自転車もろとも転倒してしまった。車の運転手がおどろいて車をバックさせて大丈夫かと声をかけてきた。心配してくれたのはありがたいが、バックしたおかげで何の傷もなかった自転車がぺしゃんこに……」
VDM (Vie de merde)より
日本でも終戦直後には、自転車にモーターを積んだ乗り物があって、本田宗一郎も浜松の町工場時代には作っていたらしいです。スーパーカブがバカ売れしたので日本では絶滅したそうですが、フランスでは随分と長く人気だったのですね。坂道はペダルで漕ぐ、ってあたりが時代を感じます。
by opas10 (2012-06-17 11:54)
opas10さん
本田宗一郎が一度試したのもこのタイプじゃなかったでしたっけ?もとはカアチャンの自転車ですもんね。なぜがフランスでは自転車の機能も付けたままのこのタイプが人気になっていたようです。さすがに今の生産量は昔に比べるべくもないようですが、また生き続けています。
by carotte (2012-06-18 10:02)