国民議会はマッチョ? [トピックニュース]
現在、会期中のフランス国民議会。
先週の火曜日、セシル・デュフロ(地域間平等・住宅大臣)が答弁に立った際、ちょっとした事件が起きてしまいました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。
問題になったのは、その服装。白とブルーの花柄のワンピース。
これを見た野党(主にUMP党。和訳すると国民運動連合)の男性議員が、驚きの声を上げました。中には口笛を吹いた議員もいたとか。
映像では、声を上げた議員に対して、静かにデュフロの話を聞くようにと議長が促していました。
デュフロはざわめきに一瞬躊躇しましたが、そのまま答弁を続けています。
このビデオが流れるやいなや、政治の世界にはびこる男性優位の風潮が非難の的に。
特にTwitterではこんなつぶやきが……。
「平均年齢55歳。でも精神年齢は5歳」
「国民議会の女性蔑視は耐えられない」
「UMPの略は、Union des Machiste Populistes(男性優位民衆連合)」
メディアのインタビューを受けたUMP党の議員たちは、こんな風に答えていたそうです。
「政治記者ともあろうものが、注目を浴びるために"小鳥のさえずり(Twitterのこと)"ごときに追従するとは残念な話だ」
「我々はセシル・デュフロをいじめたりはしていないし、口笛をふいてもいない」
「ワンピース姿を見て皆が驚いたんです。彼女は明らかに議員の服装を変えてしまいましたからね。でもね、男性優位主義者じゃなくても、興味をもって女性を見ることはできるんですよ」
そして、翌々日、ラジオの番組に出演したデュフロはこの時のことを「あそこまでの騒ぎになるなんて思ってなかったのでちょっと驚きました」と言っていました。
デュフロと言えば、初めての閣議の日に、シーンズ姿で出席し物議をかもしたことでも知られています。
所属政党はヨーロッパ・エコロジー=緑の党。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、楽しいショッピングを満喫して帰宅した。買って来たワンピースを彼に見せると、どこかで見たことがあるワンピースだと言う。しばらくするとアダルトビデオのDVDを手にして戻って来た。『ほら、これ。このビデオの主役が着てるのと同じだ』」
VDM (Vie de merde)より
フランスでも、服装が問題になるんですか。さて、保守が良いのか、自由改革がいいのか、迷うところですね。
by t-toshi (2012-07-26 13:25)
いろんな見方、考え方があり難しいですね。でも今回はそんなに問題になるようには思えませんが・・・・
by rabbit (2012-07-26 16:05)
t-toshiさん
学校の先生なんかの服装を見ていると、フランスは日本に比べるとずっと自由だと思うのですが、この時は、異質に見えたんでしょうね。これでジャケットを羽織ってたらなんともなかったかもしれません。
by carotte (2012-07-26 21:04)
rabbitさん
花柄のスカートがひらひらって感じで出て来てしまったので目立ったみたいです。デュフロは、長く土木建設業界で働いてきた経験があるようですが、こんな目に合ったのは初めてだと言っていました。野党は新政権を批判するネタが欲しかったのかもしれません。
by carotte (2012-07-26 21:10)
これ、そんなに問題にするような服装とも思えないですよね。ファッション先進国のフランスでも議員センセイたちは、ファッションに対する理解が乏しいのでしょうか。UMP党議員のコメントは、いずれも目も当てられないヒドイものばかり。でも、これもこれで、対立軸の欲しいメディアのバイアスがかかっていそうですが・・・。
by opas10 (2012-07-29 14:05)
opas10さん
いやあ、全体の雰囲気がいままでの女性閣僚とやっぱりどことなく違うんですよね。また、この番組を見た人も過剰に反応してしまったのかもしれません。Twitterの影響力は無視できないですね。この件とは別に、フランスと言えども政治の世界は男性中心なのだと思います。だからこそ、閣僚には半分を女性にというような政策が登場するのでしょう。
by carotte (2012-07-30 09:35)