ロワール川ワイナリー巡り その2 [サントル・ロワール地方]
シリーズの二回目は、前回のシュヴェルニーから40キロほど南下したところにあるヴァランセ(Valençay)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年9月11日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
お嬢さんを連れてブドウ園を歩いていらっしゃる方は、ヴァランセのワイン農家協同組合の代表ジュルダンさん。
「ヴァランセと言えば、一番に思いつくのが山羊のチーズ、二番目がお城。ワインは三番目になってしまうんですよね」
そのチーズとはどんなチーズなのでしょう?
製造所の扉を開けると、ありました。てっぺんが切り取られたピラミッド型の灰色のチーズ。
何故にてっぺんが切り取られているかと言えば、あのナポレオンがエジプト遠征後にこの村を訪ねた時、サーベルの一振りでチーズのてっぺんを切り取ってしまったからだとか。
しかし、本当のところは、ヴァランセから南に20キロほどのところにある村ルヴルー(Levroux)の教会の鐘の形をしているのだそうです。
というのも、もともとこのチーズが生まれたのはルヴルー村だったからです。
灰色をしているのは、塩入りの灰をまぶしているから。こうすることでチーズを保護し、このチーズ独特の菌の活動を促進するのだそうです。
かつてはブドウの若枝の灰をつかっていましたが、現在では木炭の粉末を使っています。
熟成期間は11日間ほど。
チーズの生産者は30軒、山羊の数は13,000匹。なんと村の人口の5倍が山羊。
そして、AOCを獲得したのが1998年のこと。
一方、ワインの方はと言えば、AOC獲得はチーズに遅れること6年の2004年。
ジュルダンさんが畑を耕すのに使っていたのはブドウ園独特の道具。
もとはもっと大きな扇形をしていましたが、3世代に渡って使用されているうちに今のように小さくなったそうです。
ヴァランセの農業は、ワイン、酪農、穀物栽培でなりたっており、作業風景もそれぞれ異なります。
その異なる職種の皆さんは、ときどき村のかまどに集まって、お手製のピッツァやチーズをおつまみにしてワインを飲んだりするそうです。
さて、このヴァランセのチーズとワインをパリの特権階級に広めたのが、19世紀初頭に活躍したフランスの政治家タレーラン。
ブドウ畑の向こうにほんの少し見えていたタレーランのお城がこれです。
ヴァランセ城
りっぱなお城ですねえ〜。
ル・クロ・ドローム ヴァランセ・ブラン2010No.94166
- ショップ: 古武士屋
- 価格: 1,995 円
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、テラスの植物の手入れをした。バーベーキュー用品の近くに置いてあった袋の中の灰を植物の回りの土にまき、水をやった。しかし、灰だと思ってまいたのはセメントだった」
VDM (Vie de merde)より
こんな素敵なところがあったのですか!フランスのことはよく知っているつもりでも、まだま知らないところがたくさんありますね。反省します。
リンクありがとうございます。
by cycloo (2012-09-16 10:52)
チーズの造り方もいろいろですね、灰をまぶすとは!その昔日本で、とあるドブロク製造業者の甕に、同業者が嫌がらせで灰を入れたら上澄みに清酒ができて、それをもとに発展したのが関西の財閥鴻池という話を聞いたことがあります。
by opas10 (2012-09-16 11:17)
タレーランのお城は立派ですね。ここはヤギのチーズで有名とのことですが、ヤギというと白いと思っていましたが茶色い山羊がいっぱいでした。面白いいわれのあるピラミッド型のチーズですね。灰をつけるというのも工夫の一つなんですね。
by yuzuhane (2012-09-16 22:44)
cyclooさん
そうなんですよ。こんなところがあったんですよ。チーズとワインとタレーラン。タレーランはグルメの話になるとよく登場します。
リンク集をのせたいと思っていたのですが、方法が分からず困ってました。ツールがあるのに最近気がついてやっと掲載できました。北海から黒海までの自転車旅、楽しく拝見させていただいてます。
by carotte (2012-09-17 09:26)
opas10さん
どうも灰の殺菌能力を利用しているらしいです。不要な菌からチーズを守りつつ熟成させるということのようです。そのドブロク事件も同じような効果でしょうか?そんな話があったとは初めて知りました。災い転じて福となるですねえ〜。
by carotte (2012-09-17 09:29)
yuzuhaneさん
タレーランのお城はシャンボールにひけをとらないくらいりっぱですねえ。ここのヤギは茶色でした。なかなか美しい模様をしてました。灰をまぶしたチーズがあるのは知っていたのですが、ここで作ってたんですね。いろいろ考えるもんです。
by carotte (2012-09-17 09:34)