SSブログ

お城を買ったその後は…… その4 [サントル・ロワール地方]

 お城シリーズも残すところあと2つ。どちらも中世の趣を残す素晴らしいお城ですが、それぞれ異なる道を辿ることになりました。


 四つ目のお城は、12世紀から13世紀初頭にかけて作られたという由緒あるキュラン城(Château de Culan)。国の文化財になっています。

Paris_Culin.jpeg
より大きな地図で お城を買ったその後は…… を表示

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年9月27日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 朝日に輝く中世のお城。昔から変わらない風景に見えます。


 週末になると、お城にやってくるのがオーナーの息子さんエドゥアール・マルキさん。


 オーナーのジャン=ピエールさんはだいぶご高齢のようです。ビジネスマンでしたが2000年に現役を引退しました。


 「高齢の父がここで城の管理をしているので、週末や機会をみつけてはパリから戻って来るのですが、私も仕事がありなかなか頻繁には来られません。ですから、売ることにしたんです」


 エドゥアールさんは、仏版のWikipédiaによると、ジャーナリスト、ラジオやテレビの司会者、さらにテレビプロデューサーでもあります。現在はインターネット関係の仕事が中心だとか。


 庭をそぞろ歩くお二人の会話は、例の宝くじユーロミリオンのお話でした。


 あのお金があったら、ここのお城の維持も楽々でおつりがきたかもしれません。


 ガイドに連れられて見学の団体がやってきました。


 去年の見学者数は10,000人ほど。年々少なくなる一方です。さらに補助金もなく、赤字が続いています。


 エドゥアールさんが案内してくれたのは大切な資料が保管されている部屋。


 お城ともなると鍵の数もそれなり。ぴったりの鍵をみつけるまでに少々時間がかかりました。


 「この写真は、映画『三銃士』のロケが行われた時のものです」


 大々的に城の修復が行われたのは一つ前のオーナーであるジャン・フェラギュさんの時。1950年から1980年のことでした。


 当時は、ビュッフェやピカソなどの展覧会が開催されたそうです。


 「今日の見学者は何人くらいだったの?」と息子。


 「47人だよ」と父。


 ジャン=ポールさんの代になってからも、庭を中世風に作り替えたり、鷹を飛ばしてみたりといろいろトライしてみましたが、なかなか十分な集客にはつながりませんでした。


 売却することになりましたが、オーナーになると年に7ヶ月は見学者を受け入れ、中を一般公開しなければならないそうです。


 販売価格は400万ユーロ(ざっと4億円)ほどになるとみられます。


 このお城、資料によると、ジャンヌ・ダルク、フランス国王ルイ11世、セヴィニエ夫人、ショパンを連れたジョルジュ・サンドなど、有名人が次々に訪れた由緒あるお城のようです。


 良いオーナーがみつかると良いですね。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、私はシングルファーザーです。数ヶ月前から夢中になっていた女性とホットなデートをして帰宅すると、6歳になる息子が言った。『で、彼女で決まり?』」


 

VDM (Vie de merde)より



nice!(38)  コメント(6) 
共通テーマ:地域

nice! 38

コメント 6

orange

いいですね。「お父さん、朝ご飯だよぉ〜」って。(そこだけ分かりました^^?)
メロンと珈琲。パンと…スープだったのでしょうか?失礼!お食事を覗き込んでしまいました(笑)ビュフェも描いたお城なんですね。カルカッソンヌの要塞都市の雰囲気にも似たけっこう堅固な作りですね。
文化財として維持するには、それぞれに色々なご苦労があるのですね。
by orange (2012-10-04 12:28) 

carotte

orangeさん
あのボールの中にあったのはコーヒーです。あそこにミルクを入れるとカフェオレですが、お父さん、そのままコーヒーにクロワッサンを浸して食べてました。フランス人の朝食の一端が垣間見えましたねえ〜。人によってはバゲットを縦に割ってたっぷりのバターを塗ってコーヒーに浸して食べるみたいです。これが美味しいらしいんですよ〜。
これだけの城の維持はやっぱり大変ですね。先のオーナーの後を継いでよくがんばったんじゃないでしょうか。
by carotte (2012-10-05 08:55) 

アヨアン・イゴカー

>オーナーになると年に7ヶ月は見学者を受け入れ、中を一般公開しなければならないそうです。
独占してはならないのですね。これではオーナーのなり手が少ないかもしれません。独占することはよいとは思いませんが、一般の人の見学中にもし事故があった場合、管理責任を問われそうな気がして、オーナーも気が休まらないのではないでしょうか?
by アヨアン・イゴカー (2012-10-07 12:23) 

opas10

お城からの収入だけで維持していくことがもう無理なのも現実なのでしょうね。そうなるとお城の肖像権やら冠やらのライセンス収入を狙うか、お土産のネット販売をするか、ってなんだかスポーツマーケティングみたいなことが必要になってくるのかもしれません。
by opas10 (2012-10-07 13:17) 

carotte

アヨアン・イゴカーさん
文化財になっているので、独占はできないみたいです。ただ、住むのは構わないそうです。住居部分は非公開でしょうけど、ほかは7ヶ月は公開しないといけないようです。こうなると億単位のお金の他にも、オーナーになるには覚悟が必要になりますね。大変です。
by carotte (2012-10-08 00:41) 

carotte

opas10さん
見学料だけではどうにもならないですね。でも、あまり商業的になりすぎたお城というのもねえ〜。ここはのんびりしていいなと思うのですが、オーナーの方は火の車。なにかいい方法がありそうな気がするのですが......。
by carotte (2012-10-08 00:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。