お城を買ったその後は…… その5 [ブルゴーニュ地方]
シリーズの最後は、ブルゴーニュ地方のサン=ファルジョー城(Château de Saint-Fargeau)。(下記地図の紫印)
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年9月28日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
まずは、気球からお城を眺めます。
上昇する気球を地上から見送っている男性が城のオーナーであるミシェル・ギュイヨさん。
なぜか気球にはお乗りになりません。高所恐怖症???
奥様のノエミーさんと子供たちが空からの眺めを楽しみます。
お城は、屋根だけで2ヘクタールもあるそうです。
「地元の人が50人がかりで、やっと1㎡の屋根をかぶせたのよ。全部をかぶせるのに何人要る?」
突然、算数の問題を出されて頭をひねるのは息子のグザヴィエ君。
正解は、30年の工事中に延べ75万人だそうです。
空からだと城の大きさがどうもぴんときませんが、地上に立つと……巨大です。
「我々がここを手に入れた時はくずれかけていたんですよ」とミシェルさん。
お兄さん(又は弟さん)と一緒にミッシェルさんが城を手に入れたのは1979年のこと。
地元の人たちに支えられ、30年かけてここまでりっぱになりました。
お城の財源は3つ。
一つは見学料。年間30,000人が見学にやって来ます。
二つ目は、林間学校や乗馬クラブとして利用してもらうこと。
そして、三つ目が歴史スペクタクルショー。
毎年夏にこのショーを見に来るお客さんは4万人にも達するそうです。
出演者は600人。皆、ボランティアです。
このスペクタクルで、年間50万ユーロ(約5000万円)の経済効果が生まれ、屋根の修理費を賄うことができました。
ボランティアの出演者は皆バカンス気分で楽しそうです。
ミシェルさんはちょっとした劇団の座長さん。団員からの信頼も厚そうです。
何だかこの感じ、どこかで体験したような……と思っていたら、以前取り上げたことのある、あの新築中のお城ゲドロン城(以前の記事は→こちら)でした。
普通の人たちが楽しそうにボランティアで、中世の頃と同じ材料と方法で少しずつお城を作って行くという雰囲気が似てますね。
それもそのはず、ゲドロン城のコンセプトの発信地はミシェルさんだったのです。この方、アイデアマンですねえ。
最近、また別のお城の開拓に取りかかったばかり。今年の1月に80万ユーロで購入。
サン=ファルジョー城も最初はこんな荒れ放題のお城だったのかもしれません。
「スペクタクルショーもやりながら一日おきにここに来て手入れをするのはちょっと大変ですよ。でも、手伝ってくれるボランティアいますからなんとかなります」
「私は近くに住んでて、お城がどんどん傷んで行くのを見てましたからねえ。きれいになるんだったらいくらでも手伝いますよ」とボランティアの男性。
このお城もミシェルさんのアイデアでうまく行くといいですね。
因に、サン=ファルジョー城には宿泊できます。やや時代がかったインテリアの客室がいくつか用意されているようです。
詳しくは冒頭のお城の名前をクリックしてサイトをご覧下さい。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、そして5年も前から、私はボランティアで消防士をしていますが、救出した人の血圧を測るのがどうもうまく行きません。幸い、その救出した人がやり方を全部教えてくれたので助かりました」
VDM (Vie de merde)より
あの「参加型お城づくり」コンセプトはここが厳流だったんですね!大勢の人を巻き込んで、楽しみながらコトを成し遂げるって、大したものです。この方、タダモノじゃないですね!!
by opas10 (2012-10-07 13:29)
opas10さん
”楽しみながらコトを成し遂げる”というのが良いんですよね。皆もやる気になるし。ミシェルさんはリーダーとしての素質もあるみたいですよね。元々は乗馬のインストラクターなんだそうです。
by carotte (2012-10-08 00:48)